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季節外れだけど夏におすすめ!泣けるアニメ「 蛍火の社へ 」レビュー

皆さんは、子供の頃、夏休みにおばあちゃんおじいちゃんの住む田舎へ遊びに行って、不思議な経験をしたことがありますか?子供心に、緑生い茂る森に何かいるのかな?とか、トトロみたいな不思議で面白い体験をしたいと思ったことはないですか?

子供の心は純粋なので、大人が見えないものが見えるとよく言われますよね。今回は、その田舎を舞台に一人の小学生の少女が、ある不思議な少年に出会う、切なくてキレイで優しくなれるアニメ「 蛍火の社へ 」をご紹介します。

なんと、少年は人間ではなく人間に触れられると消えてしまう存在なのです。それを聞いただけでも泣けると予想できちゃいますね。夏目友人帳の原作者としても知られる漫画家緑川ゆき先生が手がけ、少女漫画雑誌「LaLa」(白泉社)で掲載されました。

夏目友人帳も、同作と同じく作風は懐かしい雰囲気のもので、妖怪も登場します。毎日新聞社やスポーツニッポン新聞社が主催している「第66回 毎日映画コンクールアニメーション映画賞」を受賞するなど、日本国内のみならず海外でも高い評価を得ているアニメです。

 アニメ「 蛍火の社へ 」のストーリー

夏休みに毎年おじいちゃんの家に遊びにきていた少女竹川蛍は、6歳の時、妖怪が住むと言われている「山神の森」に迷い込んでしまう。

迷子になりどこかも分からず途方に暮れて泣いていた蛍の前に現れたのは、狐の仮面をした「山神の森」に住む人間の姿の少年「ギン」と出会う。

ギンに出口まで連れて行ってもらい森を出ることができた蛍は、それ以降毎年毎年、おじいちゃんの家に訪れた際にギンに会いに森へ遊びに行くようになった。ある時、森に住む妖怪に蛍は諭されるのだった。

「人間の子よ、ギンに触れるなよ」と。森に住む妖怪に慕われているギンは、人でも妖怪でもない、触れると消えてしまう不思議な存在だった。高校生のような見た目をしているが、毎年毎年訪れても成長が見られずまったく変わらないギンに蛍は年を重ねるごとに、恋心を抱いていくようになるのだった。

ギンも、まんざらでもないようで想いを寄せている様子なのだが、蛍のことを思い、自分のことを忘れるように言うが・・・。

好きだという言葉の大切さを、もう一度教えてくれるアニメ「 蛍火の社へ 」

本当に二人がお互いを好きだという感情が画面を通して溢れてきて、胸が締め付けられます。お面越しに色々あったり、触りたいけど触れないもどかしさを観ている人に直に訴えかけてくる描写もあり、キュンとしてしまいます。

触れてしまうと消えてしまうという制限が、物語をとても引きしめており全体的にゆったりですが、ハラハラさせる展開となっています。ただ、触れてしまった発端がもう少し印象的だったらよかったかなと思います。

触れてしまったのは絶対蛍しかありえないと個人的には思いました。それと、触れなければならない状況を作って欲しかったかなと思います。例えば、ギンの持っていた狐の仮面が崖かどこかに飛ばされて、蛍が危なっかしく崖に取りに行った時、足を踏み外して落ちそうになって、消えるのを覚悟でギンが蛍を助ける状況だったら、もっと涙が止まらなかったかもしれません。

実際の発端の感想は、「え?マジで、そうだったの?」という感じです。今まで触れたくても触れられなかった二人が最後抱き合った瞬間は、否が応でも感動の涙を誘う物語になっています。

心に潤いを満たす、枯れた心のお薬のような優しくどこか懐かしいアニメです。個人的には、ギンのような容姿の男の子がお気に入りで、ふとした仕草にドキっとしてしまいます。銀髪で面を被っているのも、いい要素だと思います。

 

アニメの原題:蛍火の社へ
作者/監督:緑川ゆき/大森貴弘
主な声優(複数可能):内山昂輝、佐倉綾音、辻親八、沢田泉、他
製作会社:ブレインズ・ベース
公式サイト:http://www.hotarubi.info/
公開日:2011年9月17日
上映時間:44分

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