アニメから哲学を学ぶ、「 涼宮ハルヒの憂鬱 」と「 ニヒリズム 」。

涼宮ハルヒの憂鬱

私達はどうしてアニメに心動かされ、アニメに人生を学ぶのでしょうか?それはアニメに哲学があるからだと私は思います。

そこで、この記事ではアニメに隠された哲学とそこから読み解けるメッセージを紐解き、アニメを通して人生の生き方を考える記事です。少々小難しいテーマですが、最後までお付き合い頂ければと思います。

今回は、京都アニメーションの名作であり、ラノベブームの火付け役ともなった、「涼宮ハルヒの憂鬱」とドイツの哲学者、ニーチェの唱えた哲学思想、「ニヒリズム」についてご紹介致します。

アニメ 涼宮ハルヒの憂鬱 を簡単におさらい

まずは「涼宮ハルヒの憂鬱」のあらすじを簡単にご紹介致します。

高校入学早々、奇矯な振る舞いで周囲を圧倒する変人、涼宮ハルヒとひょんな事から交流を持ってしまった主人公、通称キョン。
ハルヒの立ち上げたおかしな部活、「SOS団」に強制的に集められたキョン含む個性豊かな面々達。だが、キョン以外の面々にはそれぞれ奇妙な秘密があって・・・・。
神様もどきと宇宙人、未来人、超能力者、そこにまぎれた一般人が織り成す日常系SF。

 

涼宮ハルヒの憂鬱 と ニヒリズム

本作の主人公であるキョン、彼の性格はかなりのドライ系。後にやれやれ系と称される彼の人間性は没個性そのもの。

高校一年生にして、非日常への憧れを無くし、情熱をささげるものも無く、どこか達観した物言いでほとんどの事柄を俯瞰的に語ります。もちろん、他者の情熱をささげる事柄を小馬鹿にしたり、非日常に憧れる人間を見下したりはしませんが、自らがそういった生き方をすることは決してありません。

なぜならば、彼は非日常的存在など、この世に存在しないのだと思っているし、凡人である彼が情熱をささげても大した事は出来ないのだと思っているからです。
その証拠に彼はセリフの中で、「人間はそこにあるもので満足するしかないし、凡人は日々を流れに任せて凡庸にいきるべき」と語っています。

涼宮ハルヒの憂鬱

確かに一理ある話に思えますが、これではあまりに人生に対して悲観的かつ打算的です。この考え方が正しいのであれば、何も成せなければ全ての行為に意味が無いことになってしまいますし、ひいては必ず死んで0になるのだから人生そのものに何の意味もないことになってしまい、ただ無気力に生きることになります。

こういった思想が「ニヒリズム」。違う言い方をすれば「虚無主義」です。

本来、ニヒリズムという言葉自体は1730年代には既にあった言葉のようですが、哲学思想として語られるようになったのはニーチェやハイデッガー、ユンガーなどの著名人が話題にするようになってからでした。

この場合におけるニヒリズムには、能動的ニヒリズムと消極的ニヒリズムの二つが存在します。

キョンの場合は後者、消極的なニヒリズムです。

「どうせ死ぬし、大した事も出来ないから何もしないほうが良い」

という考え方で、これに対する能動的なニヒリズムは、「どうせ死ぬんだから、大した事は出来ないかも知れないが、やりたい事を自由にやったほうが良い」という考え方ですね。

作中における涼宮ハルヒがまさにこの能動的ニヒリズムの人物で、「どうせ死ぬのだから、自分の面白いと思うものをとことんまで追求して生きる」という思想を持っています。

作中の物語が進行するにつれて、打算的であったキョンもハルヒの影響で少しづつ人生に能動的に取り組む様になって行きますが、この関係性は他の京都アニメーション作品にも度々みられる構図です。昨年の「響け!ユーフォニアム」でも、主人公の久美子は能動的に吹奏楽に取り組む麗奈に影響され、自身も吹奏楽に対し熱意を持って取り組むように変化して行きますし、「氷菓」でも、主人公の奉太郎はヒロインのえるの影響で人生に対して前向きに取り組むように変化します。

また、作中に登場する能動的ニヒリズムをもったキャラクターも、ハルヒ、麗奈、える、と三者三様の変わった一面を持つクセの強いキャラクターですが、そこが強い魅力の一つでもあります。いつだって一生懸命で真っ直ぐな人というのは魅力的に見えるのです。

涼宮ハルヒの憂鬱

いかがでしたか?アニメに隠された哲学と、それらが示すメッセージを分かりやすく解説できていたでしょうか?このコラムを読んでいる人の中にも、人生に目的や目標が見出せず、打算的に日々を過ごしてしまっているなぁと感じる人は決して少なくないのではないでしょうか?

ですが、心配することはありません。ニヒリズムは思春期や多感な時期には誰でも陥るものです。大切なのはそこからどうやって生きていくかです。
あなたがもし、今現在ニヒリズム的な考えに囚われてしまっているのなら、このコラムと「涼宮ハルヒの憂鬱」の二つを思い出して、どんな些細な事でも良いので、自分の好きなものに全力で取り組んでみてはいかがでしょうか?

それが、成功するにせよ、失敗するにせよ、全力で取り組んだ後の気分はとても晴れやかな筈。その気持ちを一度でも感じられれば、何をしても無意味に感じる事は無くなるのではと思います。

(C)2006 谷川 流・いとうのいぢ/SOS団 (C)2007,2008,2009 谷川 流・いとうのいぢ/SOS団

引用元: 「涼宮ハルヒの憂鬱」京アニサイト


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ライティング:クールハンドこっさん さん

涼宮ハルヒの憂鬱

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クールハンドこっさん

映画とアニメとゲームだけを糧に生きてきた二十歳です。 好きな映画は暴力脱獄、好きなアニメは蒼穹のファフナー、好きなゲームはBLAZBLUE。 アニメは能動的に見よう!をモットーに作品世界に深く入る為の知識や考え方などをご紹介します。