平成11年9月26日。赤木しげる 死去。享年53歳。
奇抜で自由な生き方は、二次元三次元問わず、たくさんの人間を魅了した。十周忌法要が現実に行われるなど彼の死から15年経った今なお、熱狂的なファンを抱えており、映画やゲーム、アニメ、2015年にはドラマ化もされ話題を呼んだ。
今回は赤木氏が残した名言と共に彼の魅力に迫っていきたいと思う
赤木しげる の名セリフ:「いいじゃないか、三流で・・・っ!熱い三流なら上等よ・・・っ!」
この言葉の真意、それは
「たとえ何度失敗ばかりするグズだとしても、くじけずに挑戦することが大切だ。失敗することを恐れて、身動きが取れなくなることが一番良くないことだ」
思い出して欲しい。
自分は親切心や気を利かせて行動したことで失敗をして上司に怒られたことが一度はあるだろう。
「余計なことをして」
こんなコトを言われた日には、次何かをするたびに「怒られることが怖くて」ためらいが生まれる。
だから「やらない」
これは恥ずかしいことではなく、多くの人がやってしまうことだと思う。しかし、実はココが重要な分岐点だと言っているのだ。
筆者も人に指導する立場になって初めて理解できたことだが、本人が成長できるかどうかが決まるところがココなのである。
「注意する」には「好意」の「叱る」と「悪意」の「怒る」がある。
ここで「やれる」人間は失敗ばかりでも実際に触れることで感覚を覚え、必然的に前に進むのが早くなる。指導者も「一生懸命やってるからな」と思い、「叱る」ことで成長を手伝ってくれる。
「やれない」人間は経験を得られず物事のさじ加減が分からないまま、存在する時間だけが長くなる。立場だけは上司となり、ベテランとして他者に教えを請うことが出来なくなる。そして失敗。結果して「怒られる」。この繰り返しである。
この熱い励ましの言葉は、社会という壁にぶつかり悩める人たちに是非覚えておいて欲しいと思う。
赤木しげる の名セリフ:「愛していた・・・無念を・・・っ!」
赤木がアルツハイマーにかかってしまう。自分で自分がわからなくなってしまうコトを嫌い、自ら死を決意する。その時、天に「死ぬことは無念じゃないのか」と問われた時の名言。
「成功し続けることが幸せに思える。しかし、無念があるからこそ栄光を手に入れた時に喜びを噛みしめられる」
お話を作る人たちが、魅力的キャラクターを作る上で言われるのが、「弱点」をつくること。
出来ないことがあるからこそ人間的であり親近感が生まれる。
すべてが完璧だと悩みもなければ困難に立ち向かい、考えるといったこともない。ヤマ場もオチもなく面白くない。キャラクターの目線で考えれば、その発想自体生まれず何も考えることはないのではないだろうか。
そんな生涯は果たして満足のいく人生だったと言えるだろうか。また成功し続けることで手に入れた地位や名誉のせいで、
「成功者なのだからこうでなければならない」
というプレッシャーや、役職につけば時間や人間関係に縛られ身動きがとれなくなる。
つまり「何も出来ないつまらない人生」になってしまう。
それを考えれば赤木の言う「無念」は必要悪であり、それがいつの間にか愛しいモノになっていた、という話である。
赤木しげる の生き様とは?
いかがだっただろうか。
麻雀だけでなく人生の達人ともいえよう彼の言葉は。
「自由」とは、「他人に迷惑をかけようが好き勝手に生きること」ではない。
これこそが本当の「自由」の意味であり、鬼才「赤木しげる」最大の魅力なのである。
筆者:銀星