91Days 第12話・最終回「 汚れた空をかいくぐり 」【感想コラム】

91Days 第12話

ついに終わってしまいました。筆者にとっては一度も中だるみすることなく最後まで走り抜けてくれた復讐劇「 91Days 」。
とにかく重くて苦しくて悲しくて、でもどうしようもなくワクワクさせてくれるこの作品。

1クールではもったいない気がしながらも、むしろ1クールだからこそここまで濃く濃く詰め込めたのだと思うので、その手腕に敬意を抱いたまま、最後のあらすじと感想を書いていきたいと思います。

91Days、Day12「 汚れた空をかいくぐり 」

ガラッシアファミリーとヴァネッティファミリーの抗争は激しさを増す一方で、もはやヴァネッティファミリーの運命は風前の灯火。

かつてファンゴファミリーが本拠地として使用していたアイランドに立てこもっていたメンバーも、次々とガラッシアの銃弾に倒れていく。

ガラッシアに捕らえられていたアヴィリオは、ネロによってその場から連れ出される。だが当然ファミリーとしてだけでなく、すべてを失ってしまったネロが恨んでいないわけもなかった。

チェロットの運転する車に乗り、二人は無事にアイランドを脱出。

やがてチェロットを置き去りに、二人だけの短い旅路で彼らが思い、見て、そして知ったものは。

なんとなく、明るい希望を期待するサブタイトル

硝煙と銃声で満ち溢れるような抗争の中で、なんとなく清々しい場所に行きつけるような、希望を期待してしまうようなタイトルだと思います。

アヴィリオはヴァネッティファミリーの壊滅していく瞬間を目にし、ネロ以外の仇もすべて手にかけることができました。

にもかかわらず、次のドン・ガラッシアにストレーガが拾って以降も復讐をやり遂げた満足感を感じさせる表情はなく、歓声も咆哮もなく、ただただ静かすぎるまでにそれまでと同じ死んだような虚ろな目をしていたアヴィリオ。

チェロットが涙ながらにコルテオの無念を説いた時も、そしてネロが眉間に銃口を突き付けた時ですら、その表情が揺らぐことはありませんでした。

けれどこのサブタイトルを見た時点で、きっと視聴者の大半はハッピーエンドを期待したと思います。

特に4話を思い起こさせるような二人だけの逃避行は、ネロが煙草を差し出したあたりから以前の友人関係に戻っているようにしか見えませんでした。

できることならこのまま、互いにひどく重い痛み分けをしたことになれば……とも思いましたが……。

初めてアヴィリオが涙を見せた瞬間

91Days 第12話

画像引用元:youtube.com

今回の大きな山場は、やはりアヴィリオの表情に今まで以上の感情の起伏が見られたことだと思います。

コルテオが捕らえられた時も、コルテオを撃たなくてはならなかった時も、そしてそのあとも含め、アヴィリオが涙を見せることはありませんでした。

復讐だけを支えとして自身を律し続けていたアヴィリオが、ようやく復讐から解き放たれて感情を表に出すことができるようになった瞬間だと思います。

しかもここにきて初めて、アヴィリオが「あの時自分も死んでいればよかった」と思っていただろうことが判明。

事実あの日ネロがアヴィリオを撃っていれば、少なくともアヴィリオは全力で逃げることはできなかったでしょう。

そうなれば遅かれ早かれ、ヴィンセントに見つかり処分されていたはずです。

もしそうなら、アヴィリオがヴァネッティファミリーに近付くこともなかった。
もしそうなら、コルテオを巻き込むこともなかった。
もしそうなら、仇のはずのネロに友情を感じ、復讐を戸惑う苦しみを知ることもなかった。
もしそうなら、ネロの家族だって殺さずに済んだ。

このすべての感情をこめて、アヴィリオは「だったらあの時俺を殺していればよかっただろ!!」と慟哭します。

すべてが机上で起こっているゲームのように、策を練り、巡らせ、復讐のためにすべてを操っているように見えたアヴィリオですが、その精神には一人手にかけるごとにどれほど重圧がかかっていたでしょうか。

復讐だけを糧に生きていたアヴィリオが復讐を終えて、結局なにも残らなかった。

ヴィンセントが死の間際に言ったのと同じ「 すべてがむだごと 」という言葉が出たときにネロは激昂しましたが、これは自分の尊敬してやまなかった偉大な父親、そして信頼していた友人がファミリーだけでなく、ネロ自身のことを含めて否定したように思えたからではないでしょうか。

そう思うと、前回のサブタイトルは本当に感慨深い言葉になったと再度思わずにはいられません。

二人はその後

この「 91Days 」の最終話は、視聴者に結末を委ねるような幕引きとなりました。
アヴィリオは結局どうなったのか。ネロの最後の笑顔はどういう意味だったのか。すべては打ち寄せる波が消し去ってしまいました。

ハッピーエンドを予感させるようなサブタイトルでありながら、やはりどうあっても幸せにはなりえないマフィアたちの物語。

3か月という短い期間に凝縮された綿密な物語は、最後の余韻すらも素晴らしいと感じずにはいられませんでした。

アヴィリオとネロのラストシーンに関する個人的な考察については、最後に作品全体を通しての総括コラムにて語ることができればと思っています。

最後までワクワクして、泣きそうで、感心して、でもやっぱり悲しいことも多かったこの作品、本当に大好きでした。
できることなら、最後の総括コラムまでお付き合いいただければ幸いです。

2016年夏アニメ『 91days 』のまとめ

 

©91Days

引用元: 91Days


※このページは、公開からおおよそ357 アクセスがありました。

ライティング:井之上 さん

91Days 第12話

お気に入り記事をシェアして下さい

この記事に関するコメント

ABOUTこの記事をかいた人

井之上

濃いめのオタク。実家がオタクだったせいで自然学習されてしまった年齢に見合わないオタ知識のせいで年齢詐称を疑われることもしばしば。家事育児と投稿小説製作の合間に少しだけライターとして書かせていただいています。