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摩訶不思議!異色コラボの「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」

すべてが異色 歌舞伎×ワンピース

「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」。これをはじめに聞いたとき頭の上には「!!!???」という吹き出しが出てきた。

10/7から11/25まで新橋演舞場で行われているこの公演。出演は市川猿之助や市川右近など一度は聞いたことあるだろうスター歌舞伎俳優、さらに一般の舞台俳優も多く参加と枠組みを取っ払ったキャスティングになっている。今回の公演はワンピースの中でも一番盛り上がる「頂上戦争編」がメインとなっており、休憩除いても3時間以上ある超大作に仕上がっている。

スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース

そもそもスーパー歌舞伎とは先代の市川猿之助(現二代目 市川 猿翁)が考えた新しいタイプの歌舞伎で、多彩な舞台装置や照明、さらには現代語で行うといったものである。しかし、見得や立回り、派手な衣装など江戸歌舞伎の要素も意識的に織り込まれており、歌舞伎の良さを大衆に伝えるのに適した歌舞伎とも言える。今回の公演はさらに「ワンピース」や「一般の舞台俳優の参加」など、より大衆向けに合わせた作品になっており、来ている客層も着物の年輩歌舞伎ファンから普段着で気軽に来ている若い客まで様々な人が混ざり合っていた。

何も知らなくても楽しめる舞台

そんな演出、キャスト、客までごった煮な歌舞伎。しかし、内容は楽しませることを追求した練り上げられたものであった。まず目を引くのは華やかさ。ワイヤーあり、滝あり、炎あり、そして衣装はオカマのショーパブのようなものありと観ているものをアッと言わせ笑顔にさせる。次に歌舞伎の要素がちりばめられているところはやはり注目すべきところ。しっかりと決める見得や刀での華麗な立ち振る舞いなどが随所に組み込まれており、「歌舞伎ってかっこいい」と素直に感じることのできる演出になっている。また、歌舞伎役者の素晴らしさも光っており、市川猿之助がルフィ・ハンコック・シャンクス一人三役入れ替わりながらの演技にはビックリ。ルフィとハンコックが同じ場面で出る箇所があるのだが、市川猿之助がその場面をお客に気付かれないように巧妙に入れ替わっている。また、白ひげ役の市川右近の演技は圧巻で、終盤叫ぶシーンはワンピースのストーリーも相まって凄みを増していた。

実は私は恥ずかしながら頂上決戦編を読まずにこのスーパー歌舞伎に行ったのだが、あまりに面白かったので即座にその後漫画を借りて読破した。それほどこの公演には惹きつけるものがあった。「ワンピースの良さ」「歌舞伎の良さ」どちらも味わえるこのスーパー歌舞伎、予備知識が全く無くても楽しめる舞台になっている。

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