この映画『 カラフル 』は、死んでしまった「僕」が主人公です。
僕は一体誰なのか?どうして死んでしまったのか?僕の犯した罪とは何なのだろう?
わからないまま、知らない人の身体に魂が半年間ホームステイすることになるのですが…。
原作は、直木賞作家の森絵都さん。
監督は、映画「クレヨンしんちゃん」を何作も手掛けられている、原恵一さん。
また、声の出演は、宮崎あおいさんを始めとした、一流の俳優・女優さんたちばかり。
そんな華やかさもありつつ、思わず泣けてくる深いメッセージが込められた映画です。
魂が少年の身体にホームステイ
主人公の死んだ僕が、天国へ向かっている途中。
「おめでとうございます!抽選に当たりました」
突然、プラプラというガイド役の天使(?)に、そう告げられます。
「もう1度下界に戻って再挑戦するチャンスが与えられました!」
プラプラは有無を言わせず、小林真という冴えない中学生の身体に、僕の魂を送り込むのです。
なんと半年間、真の身体にホームステイして、自分の犯した罪に気づかなければ、今度こそ、本当に死んでしまうのだと言います。
その小林真とは、自殺して息を引き取ったばかりの中学3年生の少年だった。
いじめられっ子で友達も無く、成績もクラスでビリという最悪さ。
母は、真が自殺するまでは不倫しており、高校生の兄とも口をきかない。
真面目で優しいだけの父のことも、軽蔑している様子。
でも僕は、小林真のようには振る舞わず、自分流の言動・行動をしていくのです。
すると、周囲との関係にも変化が現れていきます。
心の通じ合う友人ができ、真の生活は楽しいものに一変しました。
以前の真とは、まるで別人のように、日々を楽しく前向きに生きていく真。
そして真は、少しずつ大事なコトに気づいていきます。
「人間は1色じゃなく、色んな色を持っているんだ。持ってていいんだ。綺麗な色も汚い色も」
そして最後にわかる僕の真実、そしてプラプラの正体とは……。
面白いキャラクター、2選
まず「プラプラ」というガイド役の天使(?)の存在感がイイです。
見た目と声は、子供みたいな少年なのに、言ってることは大人で、なぜか大阪弁という所です。真とプラプラの掛け合いみたいなのは、可愛くて笑えます。
もう一人は、真のクラスメイトの、地味でブサイクで変な女子高生「佐野唱子」です。
またその声を、宮崎あおいさんがやられているという、ギャップは楽しんで観てほしい所です。
「 カラフル 」は、作品からのメッセージが心に響く感動作です。