『デジモンアドベンチャー』彼らの夏が帰ってくる。1999年の選ばれし子供たちが愛される理由

digimon02915-i

発表されたときは目を見張った。
そしてじわじわと現実感をもって認識したとき、不覚にも涙が流れてしまった。
あなたも子供の頃、見たことがあるだろうか。『 デジモンアドベンチャー 』
以前にも一度記事にしたこの作品が、なんと2015年、新作として帰ってくると発表されたのだ。

発表はやはり デジモンアドベンチャー の記念日。8月1日、「お台場メモリアル」でのことだった。

しかも主役は初代デジモンアドベンチャーの主人公、八神太一。「17歳」—続編だった『02』から、さらに三年が経過した時間設定だ。
そして煽りがこの一文。

「世界中の”選ばれしこどもたち”へ贈る」

彼らを愛し、未だお台場メモリアルを忘れない者が熱狂しないわけがなかった。
ではなぜ彼ら「1999年の選ばれし子供たち」がこんなに愛され続けるのか?

デジモンアドベンチャー新作

(画像:公式YouTubeより)

誰もが孤独を知っている

太一は天性のリーダー肌だがそれゆえに重圧に苦しむこともあり、また、一度アグモンを暗黒進化させてしまったことで自分の考えの真偽に悩んだ。

ヤマトは両親が離婚し父に引き取られ、離れて暮らす弟のタケルを守ることで自我の拠り所としていた。が、タケルが精神的成長に伴って自分の存在意義に苦悩する。

空は母性の強い性格だ。しかし本人はそれを認めたがらないものの責任感は強く、悪いことの責任を自分に押し被せ、心の中に溜め込み、闇に囚われてしまった。

光子郎はこの世界で重要なデータ処理の能力に長けている。しかし自分が両親の実の子でないと知って以降、人付き合いが苦手になり、PCに逃避した結果だ。

丈は責任を果たそうとするほどに思いが空回りし、逆に自分勝手ととられる行動を起こすことも多く、自分のなすべき役割に迷い苦しむ。

ミミは美人で心優しく天真爛漫だが、反面ワガママが目立った。なぜ自分がやらなければいけないのか不満を持ち、そして、目の前で散るデジモン達の死に悩んだ。

タケルとヒカリは最年少であるために少々過保護的な兄達の加護の下、逆にその手を振りほどけず、また、ヒカリにいたっては前々からデジモン達が見えたりしていた特殊な能力で誰にも本心が話せずにいた。

こんな風に、誰もが心の中に寂しさや孤独を抱えている。しかもきっと、視聴者の悩みにも近しいものばかりだ。共感とは、それだけで応援するにふさわしい理由になる。その上、彼らは決して大人の手を借りることなく、自分達だけでその悩みから脱却して見せた。

多くの視聴者の共感を得、そして未だ憧れと応援の気持ちで見守られる1999年の選ばれし子供たち。来年彼らが、今度はどんな共感を誘うのか、是非とも期待したい。



ABOUTこの記事をかいた人

井之上

濃いめのオタク。実家がオタクだったせいで自然学習されてしまった年齢に見合わないオタ知識のせいで年齢詐称を疑われることもしばしば。家事育児と投稿小説製作の合間に少しだけライターとして書かせていただいています。