主人公が悪?ちょっと変わったファンタジー
多くの作品の主人公って強い正義感によって『悪の親玉』と戦う話が多いですが、正義感なんてまったくなく自分の欲望のために動く主人公がいたらどう思いますか?
変と思うかも知れませんが、そこに魅力があるのが ゴクドーくん漫遊記 という、今はコラムニストをしている中村うさぎが書いたライトノベルであったりします。
原作を読みましたが、初めて活字だけで笑ってしまうという経験をしました。
漫画を見て笑うことは良くありますが、小説を見て笑ったのははじめてでした。
悪の主人公その名もゴクドー・ユーコット・キカンスキー
主人公の名前ですが、ゴクドー・ユーコット・キカンスキーという名前からして極悪さがうかがえますね。
顔つきからしても、とても正義の味方には見えませんが、そんな彼が何故か『悪の親玉』を倒して、仲間とか国とかいろいろ救っちゃいます。
金、酒、女と頭の中は欲望でいっぱいな彼ですが、仲間に導かれて、というよりもほぼ成り行きで人を助けてしまうわけですが、そんな『人間の欲望』を絵に描いたような主人公、ゴクドーくんの破天荒な行動でそれによって巻き起こる事件などを見ていると案外共感できるのは、やはり人間多かれ少なかれ欲望があり、その欲望のままに行動する主人公ゴクドーくんに共感できる面があるからではないでしょうか?
なにが善いことで?なにが悪いこと?
善いことと悪いことって実は表裏一体では?
この作品について書いていて、ちょっとそう思ったりしました。正義の味方の騎士だって汚れ仕事はしないといけないわけだし、逆にゴクドーくんみたいな欲望の塊がみんなを助ける事だってある。
ファンタジーの世界も現代もそして、未来でも人間という存在があるかぎり常に『善いことと悪いこと」というのは表裏一体の関係なのかも知れません、ゴクドーくんのように自分の欲望に正直に生きることは悪いことのように思われるかも知れませんが、実はちがっていて、最も人間らしい生き方なのかも知れないと思います。また自分の欲望に自由に生きることに憧れさえ懐くこともあるかと思います。
そんな、ゴクドーくんと一緒に冒険の旅にでてはいかがでしょうか?