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『機動戦士ガンダム00』ガンダムシリーズの集大成

ガンダムシリーズの多くは、我々の生きている現実世界とは異なる世界を表現するために、宇宙世紀やアフターコロニー、コズミック・イラといった紀年法を用いています。

そして、作品世界をしっかり現実と区別することによって、現実世界ではあり得ない現象にもある程度の説得力を持たせることが可能になるのです。

『 機動戦士ガンダム00 』の存在

一方「ガンダム00」の世界は、我々の生きている現実世界と同じ「西暦」を用いている点が他の作品とは決定的に異なります。現代から約300年も未来の設定とはいえ、「西暦」を使っている以上は物事をよりリアルに描く必要があるはずです。

リアルを追求した『 機動戦士ガンダム00 』

まずこの作品でとてもリアルに描かれたのが、ガンダムの捉え方です。
他のガンダム作品では、ガンダムは国家間の戦争に利用される場合が多く、一度武功をあげればそのパイロットと共に国家の象徴とも成り得ます。

しかしこの作品でのガンダムは、国家に属さない私設武装組織「ソレスタルビーイング」の使用する純然たる兵器として扱われています。いくら武功をあげても名誉は得られず、ただ戦うためだけの道具として描かれているのです。つまり、これまで長きにわたって「ガンダム」という「兵器」を描いてきた葛藤そのものを表現した作品といえます。

もう一つこの作品でリアルに描かれたのが、世界の情勢や思想・信念といった物語の土台となる「設定」の部分です。本作の地球では、世界は大きく3つの勢力に分かれており、既に枯渇してしまった化石資源に代わる新たなエネルギーや食糧などを巡って、水面下で様々な争いを続けています。

また、本作には地球から宇宙空間へと伸びる「軌道エレベーター」というものが登場しますが、これは何も全くの空想の産物というわけではありません。実は我々の生きる現代でも、この構想を実現するためのプロジェクトが動き出しています。「300年後なら確かにこうなっているかもしれない」と思わせるリアルさがこの作品には溢れているのです。

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