アニメ1期が三年生の引退延期で終了し、2期も熱望されるほど人気が衰えない『ハイキュー!!』。
バレーに青春を捧げつつ、メンバーたちの固い絆やライバル校選手たちとの中の良さに眩しくて目が開かない……そんな中でも一際眩しい絆を魅せつけるのが、烏野高校排球部、公式で『一日のうち最も多く発する言葉はおそらく“ツッキー”』という、まったくもってけしからん設定を持つ男が、レギュラーでもなんでもない地味で控えめなそばかす男子「 山口忠 」である。
とにかくツッキーが大好き!
上記で述べたように、なんともけしからん公式設定を持つ山口とツッキーは小学生の頃からの友人。とにかく二言目には「ツッキー!」「ツッキー!!」「ツッキー一緒にお弁当食べよう!」。その度にクールなツッキーは「山口うるさい。」と横目であしらうが、その返事を聞くや「うん、ごめんねツッキー!」と満面の笑顔でツッキーに駆け寄る。
聞いたかオイ!
ツッキーの「うるさい」というあしらいは、どうやら山口くんにしか伝わらない「いいよ、一緒に食べよう」という合意の合図であるらしい。
チームメイトにも心を開かないまま、ただ高身長に恵まれたゆえ、レギュラーであるにもかかわらず冷めたプレイを続けるツッキーだが、それでも山口と距離を置くことがないのは、なんだかんだでふたりともお互いを親しい友人だと思っているらしい。
それにしても…なんなの、なんなのこのわかりづらい友情。わかりづらすぎて、一周して逆にわかりやすすぎるわ! まったくもってけしからん!!
嶋田マートとの秘密の夜練
バレーに対し頑なに冷めた態度を取り続けるツッキーとは対照的に、少しでも上手くなりたいと思い始めた山口は、コーチとなった烏養が率いる町内会のバレーチームに所属していた嶋田マート(町内会にあるスーパーマーケット)の御曹司・嶋田誠に弟子入りする。
とっくに高校を卒業している嶋田だが、まだ青春まっただ中で懸命にもがく山口を可愛がっているのか、みんなが呼ぶ苗字ではなく下の名前の「忠」で呼び、スーパーの手伝いの合間を見て、部活後に練習を見てやっている。実力的にはまだまだ未熟な山口が烏養の判断で突然試合のコートに出された時など、体育館の2階から見ていた嶋田は我が子のことのように青ざめて山口を心配していた。
まったく代がかぶらない大人のOBとの繋がりも、地元という結束から生まれた、特有のほっこり感が感じられる微笑ましい関係である。
精神的成長はツッキーよりも早いかも……?
大好きなツッキー(もう躊躇わずそう書いてしまうが)と別れての夜練の開始は、それまでずっと行動を共にしてきたツッキーを少なからず驚かせる。ツッキーにつきまとう以外は、とても地味に生きてきた山口にとって、レギュラーのツッキーに追い付きたいという意志は山口を成長させたようだ。
一方、頑なにバレーとの距離を測り続けるツッキーの置いてけぼり感……。別々の成長速度が浮き彫りになり、すれ違い始める親友二人の今後の友情にも目が離せない「月島蛍」と「山口忠」に乞うご期待である!