お伽話のような、昔話のような……どこか懐かしさも感じられる、この「 蛍火の杜へ 」。
しかし昔話と言っても、教訓めいたモノはありません。これは、観終わった後まで、儚い切なさが心に染み入る、そんな物語です。
「 蛍火の杜へ 」とは
竹川蛍は、毎年夏休みの期間に、祖父の家を訪れていました。
ところが、そんな夏のある日、6歳の蛍は近くの森で迷子になってしまうのです。
その森とは、妖怪たちがすむという「山神の森」。
泣くばかりの蛍を助けてくれたのは、狐のお面をかぶった、ギンという名の少年でした。
なんと、ギンは人に触れると消えてしまうという術を、山神様にかけられている……人間でも妖怪でもない、存在なのです。
惹かれ合う2人
それから毎年夏になると、蛍はギンに会い来ては楽しく夏を過ごしていたのです。
成長していく蛍に対して、ギンの成長は非常に遅く、ほとんど出会った時のまま。
蛍も高校生になり、ギンと同じ位の歳になっています。
いつしか惹かれ合っていた2人。
蛍は思うのです。このままギンの歳をどんどん越えていってしまうのだな、と。
好きなのに、ギンに触るコトは出来ない。手を繋ぐことさえも……。
触れたらギンは、消滅してしまうのですから。
2人の恋の行方は?
年1度開かれる、山神の森での妖怪たちの夏祭り。
2人は手を繋ぐ代わりに、手ぬぐいを互いの手に縛り、はぐれないように、お祭りデートを楽しむのですが……。
さて、蛍とギンを待ち受けていた運命とは?
受賞と関連作品
「 蛍火の杜へ 」は、毎日映画コンクール・アニメーション映画賞を受賞しました。
そして、同じく緑川ゆきさん原作「夏目友人帳」のスタッフが製作された作品です。
ともあれ、気になった方は、合わせてご覧いただくのもいいかもしれませんね。