『神様はじめました』現代まで続く日本神話の堪能!

kamisamahajime

現在2期が絶賛放送中の「 神様はじめました 」(原作・鈴木ジュリエッタ)。

創刊40週年「花とゆめ」の中でも絶賛人気のこの作品、アニメ化に際しても気合充分。とにかく隙がない!息切れしてない!!週1・30分放送のアニメーションの中でも群を抜いたクオリティのこの作品、紹介しないわけにはいかない!

神様はじめました

元・遊び人の妖怪を手懐ける快感を味わおう

1期も見てない、原作も読んでない、という方でも大丈夫。このアニメ、毎回冒頭にてプロの活動弁士(サイレント映画の弁士、つまりサイレント映画上映する最中に解説を当てる演説者)・山崎バニラが軽快な口調で、潔い程完結に「前回までのあらすじ」を解説してくれるので、何話から見始めても楽しめる。山崎バニラについては、その特徴的な声と奇抜な和服姿でNHKの子供向け番組などあらゆる場で目にしたことがある方も多いだろう。

さて見始めた所で着目すべきは、主人公・桃園奈々生(ももぞのななみ)がひょんなことから任された神社に住まう銀髪の神使・巴衛(ともえ)。もとは狐の妖怪で非道の限りを尽くしてきたが、すったもんだあって今ではすっかり奈々生に手懐けられた、ちょっと口うるさいがよく出来た狐だ。

もともと悪い妖怪が人間との絆により落ち着くという、そんな犬の話もあったが、こちらは狐。犬よりももっと「大人な悪い遊び」をしてきた匂いぷんぷんの妖怪が、今はたかだか人神の女子高生の尻に敷かれているなんて、牙を抜かれた狼もいいところ。おまえなんかの言いなりになるもんかという態度でいながら、蓋を開くと頭の中は好きな娘のことでいっぱい…なんて、どんな悪態ついてきたって許せちゃう!

小江戸・川越の美しい背景とハイクオリティ「アニメーション」技術

アニメに用いられている背景は実は日本の小江戸・川越。舞台が日本神話なのに島根じゃないの?とお思いかもしれないが、川越の風景もまた美しい。また、ちょっとすると都内からも着物で散策もできる距離なので、ぜひ観光に行って「神はじ」世界を堪能してはいかがだろうか。

また、このアニメの素晴らしいところは、背景美術も去ることながら、そのイラストと間の取り方である。先に述べた山崎バニラの話術も絶妙だが、小難しい古事記の世界を知らなくても、その間の取り方、画の見せ方、エピソードの組み込み方により、肩肘張らずとも素直にキャラクター同士のやりとりを楽しむことができる。難しいことを考えずとも、一話見れば「あ、こいつはこの子が好きなのか」など、キャラの人間関係を一発で把握することができる。実はこれ、何も知らない視聴者が「考えて理解する間」を、全部把握している作り手が、奢ることなくしっかり把握していないとできないことなので、なかなか希少な技術なのですよ。

日本の宗教は仏教じゃない、神道だよ!!

日々なにかと宗教問題が取り沙汰される中、日本伝統の宗教は仏教だとか、いやいや日本は無宗教だとかお考えの方も多いだろう。

実は日本のもともとの宗教は、この神はじでも題材に使われている「神道」。耳慣れないかもしれないが、神道の神々は古事記で言う神代の時代に生まれ、日本各地に根付き八百万の神々となり、現代に至るまで天皇陛下が日本国民を護るため信仰し続けているのがその神道。我々が死者を祀るため拝んでいる仏壇は、ずっと後からインドから取り入れられた宗教なのである。

筆者個人の考えではあるが、今の日本人があまりにも自国の先行きに無関心なのは、科学の発展により目に見えないもの、つまり、信仰を忘れてしまったからではないかと思う。もう一度、神道に目を向けて、神道の神々がどれだけ日本を育んできたのか、この「神はじ」をとっかかりとして学んでみてはいかがだろう。そして、もう一度、この日本という国を見つめなおしてみていただきたい。