悩んでいるあなたに「無責任艦長タイラー」。
仕事で嫌なことがあったとき、進学に悩んだときーー全部投げ出したくなりませんか?
そんなとき「まぁまぁ、肩の力抜きなよ」と言ってくれる、そんなアニメをご紹介。
気楽にいこーよ
オススメしたいのは「 無責任艦長タイラー 」という作品だ。いわゆるスペースオペラで戦争物。地球と惑星ラアルゴンが戦争を続けている、そんな背景がある。
そんな中、主人公のジャスティ・ウエキ・タイラーは「楽がしたい」という不真面目極まる理由で軍に入隊した20歳。「食事もタダ、制服も身の回りの生活用品もぜーんぶタダ!」が志望動機だ。もうまずもってこの時点でおかしい。タダとかそんなことはどうでもいいが、戦争真っ只中の軍が楽と考えてる時点で責任感のなさがうかがえる。
そして緊張感がまるでない。入隊当初は年金課に配属されたタイラーだが、年金届け先にテロリストが籠城している事実を知っても、「年金を届けにいくだけですからー」とのんびり入っていってしまう。
もはや頭の構造を疑うレベルの緊張感のなさ。
しかし、そんなタイラーは数々の名言を残している。
誇りなんてどうでもいい
「もっと気楽にしてりゃーいいのに。たかが戦争なんだから」
このセリフ、他の戦争物作品の作中であればフルボッコにされてもおかしくはないセリフだ。しかもこれ、駆逐艦「そよかぜ」の艦長に就任したタイラーの責任感のなさに古参クルーがクーデターを起こしたあとの台詞である。
戦争ナメてんのかと言われ、そしてクーデターが面白そうだからとなぜか自分も混ざり、さんざん引っ掻き回してこの一言。
たかが戦争。なぜかチクッとする言葉である。
そしてタイラーのこのスタンスは、敵に対しても変わらない。
軍がラアルゴンの一個艦隊を全滅させたと聞いていった一言が、
「なにも全滅することはないのになぁ」
これである。通常の戦争物ならここは歓喜するところだが、タイラーはそうは言わないし、思わない。死ぬくらいならとっとと逃げちゃえと本気で思っている。例えそれが軍規違反と言われようがそんなことはどうでもいい。
「恥を恥ずるべからず」。実際にはお化けを怖がっての言葉だが、敵前逃亡すら厭わないタイラーの一貫性にはもはや感服する。辛いときには逃げるのも大事。緊張の糸が張り詰めているときこそのんびりと空気を読まないことも必要なのかもしれない。
また、この作品を見て気に入った人には是非とも「機動戦艦ナデシコ」の視聴もオススメしたい。