戦うだけの戦争アニメに違和感を覚えたときに『機動戦艦ナデシコ』はおすすめ

戦争はアニメにおいて重要なテーマとして扱われてきました。しかし戦争の先の平和を手にする方法については、現実的な回答を行っていない作品も存在します。そんなアニメにおける戦争というテーマに違和感を覚えた時、このアニメを観てください。「 機動戦艦ナデシコ 」は少し変わった答えを教えてくれるかもしれません。

機動戦艦ナデシコ とは

22世紀末、木星方面から来る謎の兵器群に防戦一方の地球。その状況を憂えた民間企業ネルガル重工は、独自の反攻作戦とともに実験戦艦ナデシコを建造します。しかしその搭乗クルーたちは、能力重視のハチャメチャな人間ばかりで……。ナデシコの進軍は珍道中の様相を呈していきます。

多様な魅力

宇宙を舞台としたロボアニメであり、諸設定はかなりハードでシリアスです。ところが、非常にコミカルな作風なんです。登場キャラクター達はやんやと騒ぎ続けますし、ラブコメの要素もかなり強い。主人公アキトに迫り続ける艦長ユリカの姿は、昔ながらの天然系ヒロインという感じで可愛いんです! ただその一方で、戦闘や謀略、SF設定や兵器のディティールは拘りを感じます。要するに、実に多様な魅力を持った作品だと言えると思うのです。

機動戦艦ナデシコ が描く戦争と平和

ナデシコにも仲間の戦死や民間人の死傷という、戦争アニメのシリアスさはもちろんあります。また、勢力間の対立もハッキリと描かれます。しかしほとんどの場合演出はコミカルで、その調子はテーマにおいても変わりません。ナデシコクルーは傍から見れば常に不真面目です。国益や企業益なんて難しいことは考えませんし、歴史から生じる怨恨やプロパガンダにも共感しません。ただ殺し合いはマズイと感じているだけです。

このあたりガンダムやマクロスとはかなり感覚が違うと思います。両作品が利益や思想の問題から戦争は不可避で、その上での終戦や和平を描く一方で、ナデシコはそもそも人を殺したくなるほどの概念って何なの?……と、きょとんと首を傾げているかのようです。この戦争を推進する“真面目さ”こそ距離を取るべきという考え方も、1つの答えなのかもしれません。癖の強い作品ではありますが、間違いなく戦争アニメの名作の1つなので、ぜひ見てみて下さい!

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