今回紹介するアニメは「 N・H・K (エヌエイチケー)にようこそ !」です。 主人公の佐藤達広(さとう たつひろ)は北海道出身の22歳。 関東の大学を中退していますが、地元には戻らず、今は引きこもり4年目です。 長い間、狭い部屋に閉じこもっていて、精神に異常をきたしたのでしょうか?
自分の不遇が“日本ひきこもり協会(略してNHK)の陰謀”だと思い込むようになります。 そんな佐藤君の前に、中原岬(なかはら みさき)という謎の美少女が現れ、彼を引きこもりから救うと言うのです。
『 N・H・K(エヌエイチケー)にようこそ! 』は作り話じゃない!
初めて本作品を見た時、私の心はヒドクざわつきました(ここまで動揺したのは、以前アメリカのレストランで「water」と言ったのにコーラを出された時以来だと思います)。 主人公の境遇が、あまりにも現代的というか、生々しかったからです。 この設定(大学中退、引きこもり)はなんと、原作者の実歴というから二度ビックリ!
希望はないのか?
もしや救世主と思われた岬ちゃんですが、実は専門家でも何でもなく、大して役に立ちません。 そこで佐藤君も彼なりに行動を起こすのですが、ゲーム作りに挑戦して失敗したり、マルチ商法に引っかかったり、ネトゲーにハマったり・・・ろくなことがありません。その挙句、高校の先輩(超美人!)に誘われて、集団自殺サイトのオフ会にまで参加してしまいます(幸い、未遂で終わる)。
見た人の数だけ感情を引き出す
今の時代、引きこもりやニートは決して、珍しい存在ではありません。 また、たとえ今はそうでなくても、紙一重の崖っぷちにいる人だっていることでしょう。 その一方で、普通の生活を送っている大多数の人々がいます。 本作品は、視聴した人の数だけ、さまざまな感情を引き出してくれるアニメです。
佐藤君の行き詰まった人生は、滑稽でもあり、恐怖でもあり、優越感でもあり、共感でもあるからです。果たして、あなたの目にはどんなふうに映るでしょうか?
(あにぶ編集部/櫻井純)