『翠星のガルガンティア』「人間らしさ」を紐解いていくSFアニメ

翠星のガルガンティア
人間らしさ、というものを一から考えたことがあるだろうか? 誰しも一度、その一端くらいは経験があるだろう。だが、答えを探し出すことはとても難しい。明確な答えなんてない、と思う人も多いだろう。
そんな難しいテーマを、アニメという形で表現してみせたのがこの『 翠星のガルガンティア 』だ。

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自分が生きてきた社会と、未知の社会

今作の主人公・レドは、はるか遠い未来、宇宙に進出した人類が作り出した文明『人類銀河同盟』に所属する人間だ。この銀河同盟は、謎の宇宙生命体・ヒディアーズと戦っている。レドは、その最前線で戦うパイロットの一人だ。
こう聞くとまるでバトルアクションが中心のアニメのようにも思ってしまうが、今作のキモはヒディアーズとの戦いにはない。

レドはとある作戦での撤退中、ヒディアーズに襲われてワームホール(いわゆるワープトンネル)で目的地から離れたところへと飛ばされてしまう。
そして半年後、冷凍睡眠から目覚めた彼を待ち構えていたのは、それまで聞いたことのない言語を話す人間たちと、過去に滅んだとされていた地球の海だった。

突然理解不能な状況に置かれたレドは、乗ってきた戦闘ロボット・チェインバーのサポートAIの助けを借りつつ、海面上昇によって一面海と化した地球に住む人々と、少しづつ対話をはかりはじめる。
そして彼はその交流を通じ、『人類銀河同盟』において作り出された自分の価値観と、地球の人類たちとの価値観の違いに戸惑っていくのだった。

人とのふれあいから生まれる「人間らしさ」

『ガルガンティア』という作品のキモは、まさにこの“交流”の部分にある。
とある価値観をもった人間が、それとは全く違った価値観の世界に放り込まれる。価値観の相違は、鏡となって自分の姿を写し出すものだ。今作においてもそれは例外ではなく、レドは次第に自らの価値観について考え始めるようになる。

それはまさしく「人間らしさ」の探求でもある。地球の人間たちはもちろん、ロボットであるチェインバー、ひいてはヒディアーズをも鏡として、レドは自らの「人間らしさ」を問うていく。

こう聞くと、かなり重たくて難しい話に感じられるかもしれないが、心配することはない。なにも哲学的な問答が全編に渡って繰り広げられるわけではないのだ。
今、私たちが当たり前のように行っている様々な物事を通して、些細な文化の違いを、ひとつひとつ丁寧に描いていくのである。それもわかりやすく、ユーモアと温かみを交えながら。

美しい海や独特の世界観を楽しみながら、ひとつの壮大な人間賛歌をその身で感じてみてほしい。

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あにぶ編集部

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