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『てさぐれ!部活もの』シリーズ!会話の面白さをアドリブで楽しむ

『 てさぐれ!部活もの 』は、2013年10月から放送されたアニメで、当初3か月の予定でしたが、反響が大きく急遽もう3か月延長されて放送された15分アニメです。後半の3か月はタイトルに『~あんこーる』が付きます。再放送ではなく、新規の内容です。通常のデジタル作画ではなく、3DCGを使用していて、独特のデザインとなっています。

部活をてさぐる あるあるネタ

桃成高校の「てさぐり部」。ここは具体的な活動はなく「新しい部活のあり方を考える」という新しいコンセプトの部活という設定で、基本的に部員4名(+α)の会話によってストーリーが進みます。

1回の放送で1か月が経過するという設定で、12回(=12か月)を通じて部員間の友情が深まっていくというストーリーの縦軸を維持しながら、毎回、新しい部活を考えていくという横軸をさまざまに広げていくことで、面白さが増していきます。この部活ではこういうのがあるんじゃないのか?というネタを各部員が披露することで、視聴者にも「そうだなー」という共感を与える構成となっています。

プレスコとアドリブの化学反応による面白さ

この作品は「プレスコ」という手法によって作られています。通常、アニメは、出来上がっているアニメに合わせて声優が声を吹き込むのですが、プレスコはあらかじめ声を録っておき、それに合わせてアニメを作成します。声優が自由に演技ができるので、その場でセリフが変わってしまうということもあります。それがストーリーに面白さを付加することもあります。

この作品は、前半部分は脚本に基づいて、部活のあるあるネタを話し合って、その後後半部分では、ストーリーの軸を共有した声優さんが、「アドリブ」で部活ネタを演じます。当然、脚本にない即興要素が満載なので、メタなネタや時事的なものなど予想もしない方向に進むこともあります。これが可能なのも、あとからアニメを作るプレスコだからできることなのです。

ギャップを楽しむ演出の妙義

この作品の面白さはストーリー、アドリブの演出だけではなく、当事者のギャップによってももたらされます。演じている声優さんの世代や性格が異なるため、価値観や常識が微妙に異なり、その違いによって面白い内容が生まれます。アニメ的な楽しさに加えて、ラジオ的、あるいは落語の大喜利的な面白さも包含しているといってよいでしょう。本放送時には、アニメと同時にネット配信のラジオも放送され、放送のネタ収録秘話などで盛り上がりました。

これらの独特のストーリー構成を行っているのが、監督の石ダテコー太郎さんです。3DCGとアドリブを融合させた『gdgd妖精s』などで斬新な演出が評価れている若手演出家でもあります。その監督が4月から新たに仕掛けるのが、この作品の新シリーズでもある、『てさぐれ!部活もの すぴんおふ  プルプルんシャルムと遊ぼう』です。この作品は、4コマ漫画『みならい女神 プルプルんシャルム』の登場人物とコラボし、新しい世界観を作るというものです。別の作品の融合で、今度はどんな化学反応を見せてくれるか楽しみです。

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