アイドル・うたプリ人気を個人的哲学的根拠から徹底解析【後編】

うたプリ

アニメ3期「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEレボリューションズ」も決定し、担当声優たちによるライブステージ「プリライ」も開催され、衰えることのない人気を博す「 うたプリ 」。元はPSPゲームから始まり、最初のイベントでの観客はたった数十人。そこからこの人気まで、一体なぜ…?といった経緯を、筆者の完全個人的な見解をもとに、前後編に渡り解析してみたいと思います。

うたの☆プリンスさまっ♪

 

偶像!?実在!? 錯覚を覚えるうたプリTwitter企画

アイドル=偶像崇拝だと前述したが、プリンスたちも同様、架空のアイドルである。しかしその架空のアイドルを、まるで実在するのではないかと錯覚さえ覚えてしまうほどに磨きをかけたのは、2012年の12月24日のクリスマス・イブに始められたTwitter企画。架空のキャラクターのつぶやきというと、機械的に特定のワードに定型文を返すものかとおもいきや、蓋を開けてみると、すべて臨機応変に対応した、同じものはひとつとしてないつぶやき、そしてプリンス同士で交わされるリプライ。そのリアリティから、たった一日で大盛況になり、一日限定で削除される予定だったプリンスたちのアカウントはそのまま継続されることになった。その後ホワイトデーや元旦などの一日限定、または舞台稽古から公演期間の四ヶ月間など、期間限定ではあるものの突発的に、そして定期的に継続している。

架空のプリンスたち一人ひとりがアカウントを有し、まるで実在する人間であるかのように、自由気ままにつぶやきを発信する……。
例を挙げると、壊滅的な創作料理を得意とする天然ピュアキャラ・四ノ宮那月がつぶやきに添付する写真はいつもブレブレで、その無自覚な不器用さが如実に現れているし、機械類が苦手そうな古風キャラ・聖川真斗の添付する写真はガラケー感あふれる画質の悪さで、高画質のスマホを使いこなす他のプリンスたちとは違いが一目瞭然。
最年長でおちゃらけキャラの寿嶺二は、同グループのメンバー・黒崎蘭丸の生着替えをファンにお届けしようとしたところ脱ぎたてホヤホヤのヒョウ柄のシャツで撮影を阻止されたため、アップされた写真は画面一面にぼやけたヒョウ柄だった。
外国籍で日本語習得中の愛島セシルが朝つぶやいた一言は「起きまし」というなんとも寝ぼけた誤字を投稿。
真面目な性格の一ノ瀬トキヤは深夜に突然物思いにふけったつぶやきを連投したり、饒舌な神宮寺レンは撮影の合間を縫ってはファンへのメッセージをこまめにつぶやき、愛らしい外見に反して座右の銘は男気全開な来栖翔は、メールなどのちまちましたコミュニケーションが苦手なタイプなのか、仕事が終わった後の深夜にまとめてつぶやくことが多く、朝型・夜型など、それぞれの生活パターンも把握できる状態に。

また、神宮寺レンの誕生日だったバレンタインには、サプライズでパーティを準備しているチームと、そのパーティにレンをおびき寄せるチームとのやりとりでうっかり本人に計画がバレそうになったがなんとか合流してレンの誕生日を祝うなど……とにかくリアルタイムなTwitterという媒体を最大限に駆使したライブ感がたまらない!熱く語ってしまったが、それだけアイドルという偶像を見事に作り上げているこの「うたプリ」企画に、筆者もすっかり魅了されてしまったのだ。

 

終りのないアイドル「うたプリ」

ゲームやアニメだけにとどまらず、ステージやTwitterなど様々なメディアを介して展開されていく「うたプリ」企画。決められた筋書きのみではなく、Twitterのつぶやきや、発売されるドルソン、ステージ上で声優たちがアドリブで発する言葉など、その場その場でキャラクター性が成長していく過程が今も止まることはない。一十木音也役の寺島拓篤は、ライブ後のブログで、

「うたプリって、各所スタッフ、役者、お客様、みんなで作り上げてるんだなって実感しました。」

と述べている。また最終日には

「よくお手紙とかで、「音也そのものでした!」みたいな感想をいただいて、とても嬉しく思うのですが、実はその一番の功労者は、他でもないファンの皆様だと、寺島は考えるのです。
いわゆる『フィルター』というやつですね!
どんなに寺島が頑張って、歌って踊って喋ったところで、前述の通り、寺島は寺島でしかなくて。
どう足掻いても、31歳のオタクな声優なんですよ。
それでも音也を感じることができたのなら、その決め手は、音也を、プリンスたちを信じる皆様の力なんだと思います。」
(公式ブログ「テラシマ流星群」より)

アイドルという偶像は、制作チームだけが作るモノでも、声優だけが作るものでも、ファンだけが作るものでもない。キャラクターを想うすべての気持ちが合わさってできる人物像である。これからも、プリンスたちを想う人がいる限り、「うたプリ」というアイドルは滅びることはないだろう。

こうして、プリンスたちを生かし続けるために、うたプリクラスタたちは今日もプリンスたちのATMになるのです。