日本のアニメ史において、一番有名なアニメソングって何でしょう？
あくまで個人的な見解ではありますが『 宇宙戦艦 ヤマト 』は、このトップの候補の歌だと思っております。
そんな初代『 宇宙戦艦 ヤマト 』を大胆に現代風にリメイクした『 宇宙戦艦 ヤマト ２１９９ 』を、今回は取り上げたいと思います。
『 宇宙戦艦 ヤマト ２１９９ 』は、２０１２年に先行劇場版が公開をスタートさせた、ＳＦアニメ作品で、ストーリーの基本は、旧作の『宇宙戦艦ヤマト』とほぼ同一のものと言って良いでしょう。
時に西暦２１９９年。侵略者、ガミラスの圧倒的な戦力になすすべもなく、滅亡の危機を迎えている地球。人類はただ滅亡を待つだけの状況に等しかったのですが、救いの手が遠い星からもたらされます。
それは、はるか１６万８千光年離れた距離にある星、イスカンダルよりもたらされた恒星間航行に必要な技術「ワープ」を可能にする「波動ユニット」でした。
その「波動ユニット」により、ワープが可能となった「 宇宙戦艦 ヤマト 」が往復３３万６千光年を目指します。イスカンダルには、ガミラスの「遊星爆弾」によって放射能に侵された地球を救う「コスモリバースシステム」があると信じて。
今、 宇宙戦艦 ヤマト が人類の希望を載せて、ただ一隻で旅立つ……！
そんなにアニメに詳しくなくても、特にある程度年齢を重ねた男性ならば、知っているこの基本的なストーリー。この基本を崩さずに、現代風のリメイクをほどこした『宇宙戦艦ヤマト２１９９』。
絶望の中、ヤマトが孤軍奮闘し、敵ガミラスを駆逐しながら目的を果たす為にイスカンダルを目指す、という所謂「男のロマン」溢れる展開そのものに「熱さ」を感じる人は多いでしょう。
しかし、『２１９９』の魅力は、旧作で「え？これ本当に大丈夫なの？」と言った疑問点や矛盾点を、今の科学技術に則って、考察し、再設定しているところにあると思うのです。
例えば、旧作ではヤマトに乗っている女性は、ヒロインの森雪ただ一人でした。あとは全員男性ばかり。今、この設定でアニメ作品を作ったら、ジェンダーフリー的な立場の団体等から抗議の一つでも受けそうです。
２１９９では、かなりの女性乗組員が登場します。それも、そんな女性キャラクターはおかざりではなく、ちゃんと物語の必然的な存在として描かれています。
また、旧作のヤマトでは、ガミラスの攻撃をバンバン受けて、ヤマトはガンガンぶっ壊れてました。そして、何故か次の週では平然とヤマトは元通りになってたりしてました。
これは、作画能力や作業量などの処理が、いまほど簡単ではない（デジタルやＣＧはやはりその点楽な部分が多いんだと思います）ゆえの、矛盾ではあったのですが。
２１９９で、この問題をある程度緩和させているのが、ヤマトの防御機能「波動防壁」です。
これは、前述した「波動ユニット」が組み込まれたことによる完成した「次元波動エンジン」の膨大な出力によってもたらされる、バリアーなのですが、この設定一つで、ヤマトが単機でガミラスと渡り合える説得力を生んでいると言えるでしょう。
二つほど例を示しましたが、あくまでこれは全体の一部です。人物配置や仕事に対してのスタンス、メンタルティ的な部分まで、全てが緻密に再設定されいる２１９９は、自分の様な「ＳＦ的設定マニア」を十分に唸らせるに足る完成度を誇っています。
このような緻密な設定に胸を熱くする人は、決して僕だけじゃないでしょう。この部分だけでも、個人的には『 宇宙戦艦 ヤマト ２１９９ 』は是非色々な人に見て欲しいアニメなのです。
宇宙戦艦 ヤマト ２１９９ の最大の魅力キャラとは？
最後に、もう一つ『宇宙戦艦ヤマト２１９９』の魅力を。
それは、「２１９９は沖田艦長が死ぬほど格好良い！」という事です！旧作の主人公は誰か？と旧ヤマトを見ていた人に聞いたなら、十中八九「古代進」と答えると思います。
しかし、この 宇宙戦艦 ヤマト ２１９９ の主役は古代進は完全な主人公とは、少し言い難い部分が多いのです。一応、彼がかなり話の中心にはいるし、出番もやはりトップクラスに多いのですが。
旧作では、沖田艦長は、古代の道しるべ的な役割の強いキャラクターではありました。今作でも、その部分は勿論ありますが、それ以上に話の中心に彼は描写されているように思えます。
巷では、「古代と沖田艦長のＷ（だぶる）主人公だ」という声もあるぐらい、この２１９９の沖田艦長はメインを張っているキャラクターと言って良いでしょう。御年５８歳のおじいちゃんだと言うのに！
若いイケメンが活躍するよりも、渋い中年以上の男性が活躍する作品が好きな方にも、『 宇宙戦艦 ヤマト ２１９９ 』はお勧めです。
大体どこのレンタル屋さんにも置いてありますし、各種配信サイトでも簡単に見られる作品ですので、是非未視聴の方はこの機会に 宇宙戦艦 ヤマト ２１９９ の世界に浸ってみてくださいませ。
