現地時間2月28日に行われた「第88回アカデミー賞」で、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が10部門ノミネート中、美術賞、音響編集賞、録音賞、編集賞、衣装デザイン賞、メイクアップ・ヘアスタイリング賞の6部門を受賞しました。
日本でも、昨年の公開時には多くのリピーターを生んだ本作ですが、実は日本国内での2015年興行成績ランキングは38位!低い!
一部の観客が盛り上がっていただけだったワケですが、アカデミー賞ノミネートを機にリバイバル上映が各地で行われ始めています。昨年見逃してしまった、みなさんにも是非、足を運んでいただきたい!
なぜなら『マッドマックス』シリーズは、日本のアニメに大きな影響を与えている作品だからです!
『 マッドマックス 』なくして『北斗の拳』なし
『マッドマックス』シリーズは、主人公のマックスが荒廃した大地を彷徨い、数々の暴走族集団によるトラブルに巻き込まれていく世紀末映画です。
1作目(1979)は、まだ文明が存在しているのですが、2作目(1981)では完全に世界が滅んでいる状態です。
日本で世紀末作品と言えば、すぐに『北斗の拳』(1983)が頭に浮かぶかと思いますが、『北斗の拳』自体が『マッドマックス』のフォロワー作品です。主人公・ケンシロウの服装や敵キャラクターの造形も『マッドマックス』からの影響が多く見られます。
『マッドマックス』新作はアニメの予定だった
当初、監督のジョージ・ミラーは新作を日本のアニメとして制作するプランもあったそうです。そしてアニメ化の実現には至らなかったものの、アニメ化の際に起用しようとしていたアニメ監督の前田真宏を「怒りのデス・ロード」のデザイナーとして起用しています。
前田真宏は『青の6号』や『巌窟王』といった世紀末やスチームパンクが得意な作家の様なので、『マッドマックス』とは相性が良かったのではないでしょうか。
「怒りのデス・ロード」から観ても問題ない!
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を見ていない人の中には、「前作を観ていないから」と言う人もいるかもしれませんが、本作から観ても大丈夫です。
何故かと言うと、ストーリーは「世界が荒廃した」事さえ把握していれば、主人公・マックスの生い立ちなんて知らなくても問題ありませんし、そもそも前作までのマックスを演じていたのはメル・ギブソンで、今回のマックスはトム・ハーディなので、別物と考えてしまってもいいくらいなのです。
吹き替えがEXILEでもエンディング曲が日本オリジナルでも大丈夫!
日本語吹き替え版が、EXILEの誰ソレと聞いただけで、ゲンナリしてしまう人も多いでしょう。
しかし、マックスは無口な男。
ほとんど喋らないので大丈夫です。観に行きましょう。(そもそも、多分もう字幕しかやっていない)
そして既に「怒りのデス・ロード」を観た人も、エンディング曲が日本オリジナルでガッカリした人もいるでしょう。そんな人は「エンディング曲がEXILEじゃなくてよかった!」と気持ちを切り替えて、もう一度観に行きましょう。
私も、まだ本作を3回しか観ておりませんが、何度も聞いてれば日本オリジナルエンディング曲も段々好きになっていきますよ!
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は物語とセリフを最小限まで研ぎ澄まし、圧巻のヴィジュアルで120分間走り続けるノンストップムービーです。アクション映画でありながらアート映画のジャンルにまで踏み込んだ稀有な作品を見逃すのは本当にモッタイナイ!
みなさんも是非、映画史に残る傑作を映画館で「体感」してください!