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「 スチームボーイ 」はワクワクする冒険と、無限の可能性を秘めている蒸気科学の世界を描く

今回レビューするのは、世界で絶大な人気を誇るAKIRAを生み出した大友克洋 が原作の「 スチームボーイ 」。正統派冒険活劇で少年がヒロインを守って悪い大人と対決する非常にオーソドックスな物語ではあるが、大友ならではの究極のマンガと究極のアニメが混ざったようなこだわりが感じられる作品ですが、少し子供向けなのかなと思われるアニメです。

公開から10年以上の月日が流れているが、大友克洋 ワールドは現在でも十分に通用する構成と表現力で、見る者を強く惹きつけてくれる。

アニメ『 スチームボーイ 』は大友克洋が監督したSFアニメ映画作品

2004年公開されたアニメ映画で、総製作費24億円、製作期間9年をかけた作品です。19世紀のロンドンを舞台に時代設定やメカデザインを徹底的に拘った作品で、総作画枚数18万枚でデジタルと手描きの共演による緻密な映像表現で描かれたアニメです。

19世紀産業革命時代のロンドンが スチームボーイ の舞台

第1回万国博を控え、街は人々の活気であふれていた。発明一家の三代目レイ少年も、毎日を自作の発明品と格闘しながら暮らしている。ある日レイの元に、渡米中の祖父ロイドから風変わりな金属ボールが届く。そこにオハラ財団を名乗る男たちが現れ、ボールの引き渡しを求めてきた。戸惑うレイの前に現れたのは、なんとロイド本人。「ボールを渡してはならん!」という祖父に促され、わけもわからずボールを抱えて逃げ出すレイ。だがそのボールこそ祖父と父の画期的大発明“スチームボール”だった…

 

圧倒的な破壊描写

凄腕アニメーターと最新デジタル技術を総動員した映像は24億円の製作費はダテじゃない!と思わせるには十分すぎるほど。まさに「破壊の美学」です。中でも大友監督がこだわったのは、タイトルにもなっている“蒸気”の表現で、画面の至る所に現れている大量の蒸気は、全てアニメーターによって作画されたものだったという。

当初はCGで表現する事も検討されたが大友監督から「煙にも演技をさせたい」というムチャな要望が出たため、手描きで表現する事になってしまったそうです。アニメーターは最終的に“煙ノイローゼ”気味になったとか。

ほとんどのキャラクターを声優ではなく、役者が演じている

有名俳優・女優を取り揃えた豪華なキャスティングで、賛否両論あると思いますが悪くないと思っています。特に小西真奈美のスカーレットにはびっくりするぐらいキャラに合っており、とても声優初挑戦とは思えないほどでした。

大友監督が好きならこの作品をみてこだわりを感じて欲しい、普段からアニメ映画を見ていて目が肥えている人には少し物足りないかもしれませんが、十分に楽しめ大友ワールドを感じれる作品です。

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