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「 迷家 -マヨイガ- 」キャラクター達に好感が持てないのはなぜ?

さぁ行こう!僕らの「 納鳴村(ユートピア) 」へ!!

というわけで、なんとなぁ~く話が薄暗くて展開の起伏も少なく思えるためか、30人という大所帯のキャラクター達に注目してしまう「 迷家 -マヨイガ-」。

「嫌なことを忘れられる」「行方不明者たちが幸せに暮らしている」として都市伝説になっている「納鳴村(ななきむら)」を舞台にした作品ですが、登場キャラクターはこの都市伝説の体験者になろうというコンセプトで組まれたバスツアーの参加者なので揃いも揃ってクセモノが多い!

しかも主人公を含め、なんとなく見ていてイライラしてくる……それはなんでなんでしょうか?

「 迷家 」登場キャラの失敗や欠点を目にするのが辛い!

最近に限った話ではないのですが、「知り合いや芸能人、アニメキャラを含めて、他人が恥をかく場面を見るのが苦手」という人がいます。

特にそんな人にとってこのアニメはかなり厳しいはず!

なぜなら登場人物のほとんどがいろいろと失敗や心の傷を抱えているキャラばかり。

いじめを受けていた相手にささやかな報復をしている最中にしくじったキャラ、大口を叩いて企画したイベントで納品日を伝え間違えていたキャラ、母親に暴力を振るう破戒僧を殺害しようとしたのに呆気なく失敗したキャラなどなど、とにかく回想を見ているだけで「なんでそこをもっと念入りにしとかなかった……!!」と見ているこちらが頭を抱えてしまう感じを受けます。

そのほかにも基本的に言動が痛々しい厨二病キャラや、人と話すときにたどたどしくてはっきり話せないキャラなど、多種多様の「あーこれイライラして見てられない」と思わせてくれるキャラクターがてんこ盛りです。

主人公からして他人の中に自分という存在の意義を見出そうとして流されまくっている感じがありますしね!!

でもこういう感情って、「そういう人を見ている側ではなく、恥をかいている側に感情移入してしまう」からこそのものなんだそうです。
つまりこの作品の誰かにイライラしたり、失敗した姿を見て身につまされる思いがしたときは、もしかするとあなた自身に思い当たる節があるのかも……?

同族嫌悪していませんか?

人間、誰かを見てやたら感情が波立つ、腹が立つという場合は、実はその相手が自分自身と似ていることが多いんだそうです。
例えばぶりっ子の女性は、同じくぶりっ子の女性が苦手だとか。

同族嫌悪とは、自分自身の嫌いな部分を相手の中に見つけて嫌悪したり、受け入れられない現実や価値観、普段隠している自分の素の部分、つまり自分の影を相手に見出し、反発した結果が嫌悪という感情になってしまうそうです。

ここでこの「 迷家 -マヨイガ-」の登場キャラクターたちの中で、あなたが見ていてイライラするキャラクターは誰でしょうか?

ちなみに筆者は真咲ちゃんを筆頭に、光宗、美影ユラ、氷結のジャッジネスが特に見ていてイラッ!とします。
しかし考えれば考えるほど、このキャラたちのイヤな部分は、自分の中のイヤな部分と一致しているなーと思ってしまいました。

この「迷家-マヨイガ-」という作品は、視聴者に自己嫌悪、同族嫌悪させることで物語の中に引き込み、納鳴村という架空の都市伝説を用いてそれぞれの深層心理に働きかけているのではないでしょうか?

だとすると、キャラクターにムカムカした時点でスタッフの思惑通り。スタッフというツアーガイドに従って、この納鳴村ツアーを「同族嫌悪という体感をしながら」見届けるしかないのかもしれません。

『 キズナイーバー 』と『 迷家 ─マヨイガ─ 』の人気脚本家、 岡田磨里 さんに迫る!

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