それは剣というにはあまりに大きすぎた。
大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把過ぎた。
こんなフレーズでおなじみの『 ベルセルク 』が、再びアニメとなって帰って来るようです。
『ベルセルク』と言えば、ヤングアニマルにて連載されている、三浦健太郎先生珠玉の剣劇ダーク・ファンタジー。2013年3月に37巻が発売され後に暫くの休載を経て、2015年7月からは同雑誌にて不定期連載が決定致しました。
あの膨大な世界観を引き下げて、「 ベルセルク 」は私達の元に戻ってきた
膨大な広がりを持つ世界観は言うに及ばず、読み進むにつれて謎が深まるストーリー展開、そして魅力的なキャラクターや設定と、こうして『ベルセルク』の素晴らしさを上げたのならばキリがありません。ですが何よりも作者である三浦先生の圧倒的な画力、そして綿密に計算された画面に於ける武器や異形のディティールなど、『ベルセルク』の素晴らしさの最たるものはこれに尽きるのではないでしょうか。
そんな本作は、1997~98年に『剣風伝奇ベルセルク』のタイトルでTVアニメとして放映されたことがあります。ですが、その内容や出来は残念ながらとてもお粗末なものでした。作画崩壊に始まり台詞や設定の不自然な改変、更に度重なる大事なシーンの大幅カットと、それは三浦先生が描かれる『ベルセルク』とは似ても似つかぬものだったのです。
個人的にはこのアニメの主題歌よりも、劇中歌として使用されていた平沢進さんの「BERSERK ~Forces~」だけが唯一、三浦先生が描かれる『ベルセルク』の世界観なのだと思えました。
その後『 ベルセルク 』は、2012年からアニメ映画の三部作として制作されます。深夜とは言え、万人が容易く視聴出来るTVアニメと違い、劇場アニメではファンがわざわざチケットを購入し観賞するものなので、内容やクオリティは『剣風~』とは格段の違いで素晴らしい出来でした。
ですが、ファンはやはりもっともっと『ベルセルク』が、ガッツやキャスカが見たいのです。彼らの冒険を、生き様を最後まで見届けたいのです。そして、この素晴らしい作品を風化して欲しくはないのです。
ガッツたちの旅はこれからもまだまだ続いて行く
最初のアニメであった『剣風~』を貶しはしましたが、かく言う私も実は『 ベルセルク 』の入り口が『剣風~』でしたので、貶しはすれど否定することなど出来ません。良しにつけ悪しきにつけても、アニメを作品の入り口にする方、そしてアニメにより原作が広く知られると言うことは、私のような者を含めて決して間違えではないのだと考えています。
長年『 ベルセルク 』を大切に描かれている三浦先生が、ゆっくリとではありますが、今だこの物語を描き続けてくれています。ならば先生がこの物語を終わらせない限り、ガッツたちの旅はこれからも続いて行くことでしょう。
新しいアニメ技術、そしてスタッフにより作られる新アニメ『 ベルセルク 』。再び画面で動き、話す彼らを、今はただただ心待ちにしていたいと思います。
タイトル:『ベルセルク』
原作:三浦健太郎
出版:白泉社
ベルセルク公式:http://www.berserk-project.jp/
アニメ「ベルセルク」公式(Twitter):https://twitter.com/berserk_anime
筆者:Ririn