舟を編む 感想レビューのまとめ

人をつなぐーー言葉を編む

伝わらない言葉。伝えられない思い。これはそんな不器用な人間達の物語である。


辞書作りに熱い想いを寄せる人間達のヒューマン・ドラマの2016年秋アニメ「舟を編む」。静かなストーリーの展開の中に、見るもの誰もが言葉の持つ力強さんに気付かされます。このアニメ作品をあにぶライターの吉野 亜美さんが毎週放送終了後に感想レビューを投稿して頂いています。

「舟を編む」の振り返りや考察に是非ご利用下さい。

舟を編む 第1話「茫洋」 【感想レビュー】

© 玄武書房辞書編集部

この作品の主人公である、馬締は、「玄武書房」の第一営業部に所属する社員。しかし、本屋での彼の対応を見る限り、あまり営業の仕事は向いていないようです。

けれど、本好きゆえか、一つの言葉が持つ多様な意味を、瞬時に思い浮かべることが出来ます。まさに、辞書作りにぴったりな人材ですよね。その能力を買われて、辞書編集部にヘッドハンティングされた馬締。これから、馬締は、どのように活躍していくのでしょうか。

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舟を編む 第2話「逢着」 【感想レビュー】

画像引用元:© 玄武書房辞書編集部

「辞書は、言葉の海を渡る舟です。言葉がなければ、自分の思いを表現することも相手の気持ちを深く受け止めることもできません。人は辞書という舟に乗り、最もふさわしい言葉を探して、暗い海面に浮かび上がる小さな光を集める。言葉は光なのです。

しかし、刻々と変化する世界でうまく言葉を見つけられず、行き場を失った感情を胸に葛藤の日々を送る人もいる。そういう人々にも安心して乗ってもらえるような舟。それが我々が作ろうとしている辞書。大きな海を渡ると書いて「大渡海」です」

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舟を編む 第3話「恋」 【感想レビュー】

画像引用元:© 玄武書房辞書編集部

梅の実で板前の修業をしている、香具矢。辞書を制作している、馬締たちと同様、香具矢も時間をかけて、料理の道を極めようとしています。松本先生が、「我々は辞書に全てを捧げなければなりません。時間もお金も、生活するために必要な最小限を残し、後は全て辞書に傾注せねばならない。

家族旅行、遊園地……。言葉は知っていますが、私は実際を知らない。そういう生き方を理解してくれる相手かどうかは君、大変重要なことですよ」と言っていましたが、香具矢のような女性であれば、そういう生き方を理解してくれそうですね。(まだ付き合っていないどころか、会話もろくに成立していない段階ですけど;)

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舟を編む 第4話「漸進」 【感想レビュー】

画像引用元:© 玄武書房辞書編集部

「大渡海」が中止にならないよう、率先して行動する西岡。執筆者の先生方のところに顔を出したり、その先生の1人に突然呼び出されて、3時間半も話を聞いたりと、仕事的には大変そうですが、第1話とは比べものにならないくらい、生き生きとした表情を浮かべています。(彼女らしき女性にも、「そういえば最近、仕事の愚痴言わなくなったね」と言われていましたよね)

馬締から影響を受けて、西岡の中で、「大渡海」の制作が、「どうしても成し遂げたいこと」に変わったのでしょうね。何やら不穏な空気を感じますが、西岡にお咎めがないことを祈るばかりです。

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舟を編む 第5話「揺蕩う」 【感想レビュー】

舟を編む 5

自らの想いを香具矢に伝えるため、なんと、15枚もの”恋文”を書いた馬締。その内容は、冒頭からお堅く、また、途中で漢詩が出てきたりと、よく分からないところが多々あるようです……^ ^;

しかし、それを読んだ西岡は、「本気だってことは伝わった」と言い、「お前さ、もうちょっと自信持っていいよ。馬締くらい真面目にやってればきっと何もかも上手くいく。俺もできる限り協力してやるからさ」と馬締を励まします。西岡に背中を押されて、ついに、香具矢に”恋文”を渡した馬締。果たして、この恋の結末は……?!

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舟を編む 第6話「共振」 【感想レビュー】

舟を編む 第6話「共振」

“恋文”を渡した後、馬締は一晩中正座で、香具矢からの返事を待ちます。色々とツッコミたいところはありますが、相変わらず純粋で可愛いですね。ところが結局、その日は勇気不足で、香具矢と話すことが出来ず、翌日、改めて”恋文”の返事を聞きに行く馬締。

馬締と同様、誠実な香具矢は、一度、自室に戻り、”恋文”を読み返すと、改めて自分の想いを馬締に伝えます。なんと……!!香具矢も馬締に惹かれていたのですね!!驚き、そして喜びの急展開でした!

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舟を編む 第7話「信頼」 【感想レビュー】

舟を編む 第7話「信頼」 感想

自身がいい加減な仕事をしたにもかかわらず、西岡に対して、とことん嫌な態度をとり、しまいには土下座まで強いる小田教授。けれど、西岡は、辞書編集部のみんなの思いが詰まった「大渡海」は、そんな安い辞書じゃないと、機転を利かせた対応で、教授に今後の協力を約束させます。

媚びるのをやめて、「大渡海」を守ろうとする西岡は、本当にカッコ良かったです。

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舟を編む 第8話「編む」 【感想レビュー】

舟を編む 第8話「編む」

辞書編集部の主任になった馬締。しかし、岸部に上手く思いを伝えられなかったり、香具矢に誤解を与えてしまったりと、中身は相変わらずでしたね。西岡は、宣伝部で活躍しながらも、辞書編集部の飲み会には顔を出していて、馬締を陰から支えている様子です。

そして、白髪が増えたけれど、まだまだ元気な荒木と、年のせいか、なかなか風邪が治らないと言う松本先生。(心配ですね;)

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舟を編む 第9話「血潮」 【感想レビュー】

舟を編む 第9話「血潮」

「より伝わりやすい言葉で表現しようとするのは、言葉を愛しているから」という松本先生の言葉を聞いて、岸辺の心のもやもやが晴れていくのを感じました。「辞書とは、人が人と理解し合うための助けとなるもの」だと考えている馬締。

そして、馬締と同じ思いで、辞書作りに情熱を捧げる辞書編集部員たち。(+彼らを陰から支えている西岡)そんな彼らの姿を見て、気合を入れ直す岸辺。あんなに思い悩んでいた頃が嘘みたいですね。

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舟を編む 第10話「矜持」 【感想レビュー】

舟を編む 第10話「矜持」

「血潮」以外に単語の抜けがないかを、1からチェックすることにした馬締たち。辞書編集部員たちとアルバイトたちは、額や手を冷やしながら、昼夜問わず机に向かいます。

アルバイトたちを励ましながら、率先して作業をする辞書編集部員たちと、誰一人サボることなく、誰一人文句を言うことなく、ただ懸命に手を動かすアルバイトたち。

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舟を編む 第11話(最終回)「灯」 【感想レビュー】

舟を編む 第11話(最終回)「灯」

松本先生が癌だと知り、言葉を失う馬締と荒木。前話から、奥さんの笑顔が曇っていたのは、先生がもう長く生きられないことを知っていたためだったのですね。

亡くなる直前まで、辞書のことを考え続けていた松本先生。自身のやりたいことに、そこまで没頭出来ていたなんて、本当に幸せな人生だったのだと思います。

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舟を編む 総括コラム

舟を編む

誰かに何かを伝えるとき、人から言われたことを理解しようとするとき、必ず必要なのが「言葉」。

「茫漠とした言葉の海。海を渡るすべを持たない僕たちは、そこでただ佇む。誰かに届けたい思いを、言葉を、胸の奥底にしまったまま。辞書とは、その海を渡るための、一艘の船だ――」

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