検証!「 機動戦士ガンダム 」 モビルスーツ の兵器としての実用性!

「機動戦士ガンダム」シリーズに登場する兵器、モビルスーツの実用性を、そのサイズや武器の種類、現実の兵器の運用法などに照らし合わせて検証した記事です。筆者はガンダムマニア歴30年、軍事マニア歴25年を持つ男性であり、今まで読みこんできた膨大な本、雑誌、インターネット記事で得た知識、知見を活かして記事をまとめてみました。

「ガンダム」をより深く知り、楽しむための一つの道しるべとなれば幸いです。

魅力的な モビルスーツ 、その兵器としての実用性を解説します!

検証!「機動戦士ガンダム」 モビルスーツ の兵器としての実用性!

画像引用元:©創通・サンライズ ©創通・サンライズ・MBS ©創通・サンライズ・テレビ東京

「機動戦士ガンダム」シリーズに登場する人型兵器、モビルスーツ、大きなロボットが手足を振り回し、武器を取って戦う姿はとてもかっこよく、少年ならず女性や大人のオトコの心をもくすぐりますね。しかし、リアルな人間ドラマと凝った歴史設定を持つガンダム世界で使われているこのモビルスーツ、現実に兵器として使われた場合はどういう感じなの?という疑問は、おそらくガンダムを見たことのあるほとんどの人が持つところでしょう。

ガノタ(ガンダムオタク)歴30年、ミリタリーオタク歴20年の筆者が、現実の兵器に照らした実用性を検証していきます!

意外と現実的?モビルスーツの兵器としてのサイズ

ガンダムなどのモビルスーツは大型の人型兵器であり、初代のガンダムやザクならば全高18メートル程度、さらにZZガンダムや逆襲のシャアになると、モビルスーツの火力の増大と機能の多様化から「巨人化」が進み、出てくる機体は軒並み20メートルを超えます。

「逆襲のシャア」でネオジオン総帥シャア・アズナブルが駆る人気モビルスーツ「サザビー」に至っては全高25メートルとなり初代ガンダムの1.5倍、さらにその主力兵装である「ビームショットライフル」は全長14メートルとそれだけで一機のモビルスーツに匹敵するサイズです!さすがに富野監督はじめ制作陣もこれでは大きすぎると考えたのか、次作である「ガンダムF91」以降では小型化が図られ15メートルほどにサイズダウン、数年ぶりのテレビシリーズとなった「ビクトリーガンダム」、アナザーガンダムと呼ばれる「Gガンダム」「ウイングガンダム」「ガンダムX」でも同等のサイズが主流となっています。

少しこぼれ話になりますが、逆に大型化が進んで定着した例が「マクロス」シリーズの「可変戦闘機」であり、初期作のVF-1はロボット形態(バトロイド)が10メートルほどだったのに対し、「マクロスプラス」「マクロス7」以降のYF-19、VF-19、YF-21などはサイズアップして15メートルほどのサイズとなっています。この「15~16メートルくらいのロボット兵器」というのは、日本ロボットアニメ界における一つの「落としどころ」となっているようです。全体的に、直立状態のモビルスーツは5階建てほどのビルに相当し、街中で戦われたりすると家は壊れるわ電柱は折られるわ車は踏みつぶされるわで迷惑千万このうえないですが、実は現代のジェット戦闘機も全長がだいたい15~20メートルほどであり(航空自衛隊の主力機であるF-15は全長19.4メートルです)、つまり、平べったいスペースに寝た姿勢の戦闘機とモビルスーツを並べるとだいたい表面積は変わらず、容積という面で考えればそれほど極端な大きさではないということができます。

検証!「機動戦士ガンダム」 モビルスーツ の兵器としての実用性!

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私もお台場の等身大ガンダムを見たことがありますが、周囲の風景に比して意外と大きいとは感じず、これなら現代の空母や揚陸艦でも搭載して運用できるな、と思いました。

モビルスーツは歩くだけではなく、スラスターを噴射して素早く飛行したりもできるので、そういった文字通りの「機動」戦闘を行うならば、戦闘機や戦闘ヘリに近い戦術的位置づけとなり、案外理にかなったサイズであるのかもしれません。

また搭載兵器についても、初代ガンダムのザクの主力武器は「120㎜マシンガン」であり、120㎜口径というのは、現代の戦車の砲の口径とだいたい同じです。陸上自衛隊の最新鋭戦車である10式戦車が、ちょうど同じ口径の砲を装備しています!戦車の砲は一発ずつ装填する単発方式ですがマシンガンは連射ができるので、この点で戦車よりもモビルスーツにアドバンテージがあり、これによりモビルスーツを先行配備したジオンが当初優勢だった、という解釈はそれほど無理がないものということができるでしょう。

整備士泣かせ!モビルスーツはメンテナンスが大変!

では、実際に兵器として運用するとどのような状態になるか、を解説していきましょう。結論から言うと、モビルスーツの最大の敵はおそらく敵軍の兵器ではなく、メンテナンスを行う整備士になるでしょう!人型と同じ構成を持つモビルスーツは全身に関節があり、また手足、頭部、胴体、それぞれにぎっしりと装甲、駆動系、推進系、電子・センサー系統が組み込まれています。

しかもそれが一回の作戦ごとに動かされ、摩耗、故障していくのです。サイズこそはあまり変わりませんが、モビルスーツの全身の部品数は現行の戦闘機すら遥かに凌駕する数であると予想されます。

実際素人目に見ても、ドムやゲルググなどは背中や腰、脚にロケット推進エンジンを数個持っており、Zガンダム以降の作品ではさらにこまこまとした推進系統が増える傾向にあるため、その一つ一つをメンテナンスしていくとキリがないことが容易にわかると思います。文字通り「整備士泣かせ」ですね。航空自衛隊では戦闘機の運用は、設計・製造者、整備者、武器燃料補給者、基地施設管理者、パイロット、そして最前線という「一本の槍」を突き通して初めて有効に戦闘機を飛ばすことができると言われており、その整備の面だけがやたらと膨らんでしまっては運用の面で「ドン詰まり」を起こしてしまう可能性が高いと思われます。事実、地球連邦軍初の量産型モビルスーツであるジムシリーズでは、この問題を、機体のモジュール化という思想で解決を図っています。

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壊れたパーツはいちいち修理せず、丸ごと新しいものを持ってきて取り替えてしまうのです。つまり補用品を大量に用意しておいて、破壊されたり旧式の部品となっても、交換するだけで次の戦いに使えるようにするのです。しかしこれも、ジオン軍に比べ国力が30倍以上ある連邦軍だからこそなせる物量戦略であり、かのジオンの将軍、ドズル・ザビ中将が言い放った「戦いは数だよ兄貴」という名言が、戦争にとって最も大事な要素は何か?を的確に言い表しています。

古代中国の孫氏の兵法でも、戦争において最も大事なのは物量であり、いくらこちらの兵士・兵器の質がよくても数十倍以上の物量差があった場合はほぼ勝ち目がない、と唱えられています。機動戦士ガンダムにおいても、主人公アムロにとって憧れのお姉さんとなる「マチルダさん」の輸送機隊によるホワイトベースへの補給のような、前線兵器だけではない「兵站」も戦争においては重要なのだ、という描写がなされています。

「機動戦士ガンダム」シリーズは、架空のロボットアニメを通じて戦争や社会の本質を学ぶことができるという点で、とても優れたコンテンツであるということができると思います。

タイトル 機動戦士ガンダム
監督 富野喜幸
放送期間 1979年4月7日
主な声優 古谷徹(アムロ・レイ)、池田秀一(シャア・アズナブル)
製作会社 日本サンライズ
その他の情報 http://www.gundam.info/

 

「 機動戦士ガンダム 」劇場三部作の奥深い人間ドラマがすごい!

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あにぶ編集部

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