ドラゴンボールには濃いキャラクターがたくさん登場します。中には、モブレベルの存在だったのに、一部で人気が出て知名度の上がったキャラクターもいます。
今回は、そんな『 ドラゴンボールZ 』に登場する名脇役達について触れていきます。
『 ドラゴンボールZ 』のただのモブキャラクターだったのに
まず紹介するのはアンゴルというキャラクターです。
アンゴルとは、劇場版『ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』に登場したモブキャラクターです。はい、モブです。まごうことなきモブキャラクターです。
彼は、パラガスが集めた銀河のならず者の一人であり、ヘルメットをつけた数いる部下の中の一人です。同じような見た目をしたキャラクターがたくさんいます。戦闘力も低く、旧型量産機のような存在です。
出番も、新惑星ベジータで労働させられていたシャモ星人に向かって鞭をふるい、悟飯に一瞬で撃退されるというシーンだけ。名シーンでもなんでもなく、本来なら記憶に残ることもそうそうないようなキャラクターなのです……が。
時を経て人気(?)キャラクターに
この映画に出て来る敵キャラクター・ブロリーがネット(主にニコニコ動画)で大人気になったおかげか、量産型の手下にすぎない彼まで注目されるようになったのです。
しかし、主に注目されているのは非常によく似た見た目をしている別のキャラクターです。
その別キャラクターとは、伝説の超サイヤ人を退治するべく新惑星ベジータにやってきたベジータに対し、超サイヤ人の目撃情報を報告したキャラクターです。
「申し上げます。トトカマ星に超サイヤ人が現れました」
その時のセリフがこちらです。出番はこれで終了です。
やっぱり超がつくほどのモブキャラクターです。
もっとも、アンゴルというのはモブ手下達の種族名なのでは? という説もあるため、彼をアンゴルと呼ぶのも間違いではないのかもしれません。となると、悟飯に退治されたのも、申し上げてくれたのも、アンゴルで……。つまり出番はそれなりに――多くはないですね。結局、モブはモブです。
ネットでの人気
つまりアンゴルとは、戦闘シーンがないどころか、ろくなセリフすらないキャラクターです。にもかかわらず、ニコニコ動画ではこの申し上げセリフをいじった動画がたくさん作られ、「深刻な素材不足」、「伝説の超リズム感」といったタグがつけられています。
『ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』が上映されたのは1993年です。ニコニコ動画の登場は2006年です。10年以上もの月日を経て、ただのモブキャラクターから名脇役へと奇跡のランクアップを果たしたのです。
あまりに人気が出たからか、トレーディングカードアーケードゲーム『ドラゴンボールヒーローズ』にも登場しました。
かっこいい描き下ろしのデザインで、アンゴル推しを喜ばせました。ゲームにてついに登場した彼の必殺技は、「アンゴルシュート」。
さらに、同じくパラガスの部下にして、パラガスにあっさりと消された出番の少なすぎる宇宙人、モアも一緒に登場。
アンゴル&モアが気功波を撃つという、ファンサービス全開のゲームでした。
シャモ星人
上で少し触れましたが、シャモ星人とは、パラガスによって奴隷として連れてこられた宇宙人達です。
若いシャモ星人は、ドラゴンボールではよく見かけるモヒカンヘアーをしています。故郷の惑星シャモをブロリーに破壊されるシーンは、劇場版ドラゴンボールシリーズ屈指の名シーン。アンゴル以上にニコニコ動画で愛され、ネタにされているシーンでもあります。
彼らはアンゴルよりも戦闘力が低いうえに、超能力があるわけでもない、非力で無害な種族です。
しかし、アニメオリジナルエピソードである「あの世一武道会編」では、シャモ星人そっくりな種族達が修行をしているシーンがあります。
他人の空似なのか、ファンサービスなのか。でも、当時はシャモ星人人気はなかったと思うのですが。ただのデザインの使い回しだったのかもしれません。
真実は神のみぞ知る(神といってもデンデですが)。
『ドラゴンボールZ』に登場する名脇役達――といっておきながら、『ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』の紹介になってしまいました。まあ、それだけこの映画に登場するキャラクター達が愛されているということで、ここはどうか。
とはいえ、まだまだ魅力的な脇役はたくさんいます。そのあたりについても、いずれ紹介していけたらと思います。