今回は、『ご注文はうさぎですか?』(以下ごちうさ)ファンの間で度々議論されるテーマ、「シャロはやばいほど貧乏なのか?」という部分について切り込んでみようと思います。
というのも、ごちうさは可愛いを詰め込んだアニメですが、中にはシャロの貧乏設定が気になって、かわいそうで辛いと思ってしまう方も多々いるようなのです。かくいう筆者もそう感じたことがあります。
でも、本当にシャロは貧乏で苦しんでいるの?
この機会に、みていきましょう。
作中に登場する、貧乏な描写
シャロは、ごちうさの主要キャラクターの一人です。ファンの間では、彼女は貧乏なイメージの強いキャラクターとして、認識されています。その理由は主に、アニメ・原作に次のような描写があるからではないでしょうか。
家がぼろい
原作にてはじめて登場したシャロの家は、屋根に穴が空いているほどのボロ屋でした。ココアさんが初めてシャロハウスを見た時も、千夜の家(隣りにあります)の物置だと思っていたくらいです。しかし、アニメ版ではそこまでボロではありません。
風呂がない
シャロの家にはお風呂がありません。けれど、そこはお洒落で女子力の高いシャロ。お風呂は毎晩、幼馴染である千夜の家で、千夜と一緒に入っているようです。キマシタワー。
奨学金を利用している
シャロはお嬢様学校に通っていますが、実際は奨学金を頼りにしています。なので、成績を落とせないようです。奨学金=貧乏、ではないですけれど、一応。
バイトの掛け持ち
シャロは「フルール・ド・ラパン」という喫茶店でアルバイトをしています。そのほかにも、クレープ屋など、度々他のお店でアルバイトの掛け持ちをしている描写が見られます。クリスマスのような客足の増える日にも、積極的にシフトを入れていく様子。
他にも、赤ずきんの格好をしたイラストも描かれたりと、勤労少女なところが多々見られます。
節約上手
さらには、安くて栄養のあるもやしを重宝したり、セールの日を利用して買い物をしたり、バザーでも交渉して少し高くものを売ったりと、節約上手交渉上手な面があります。
クリスマスにはロウソクを立てた大福を食べるという寂しい日もあったようです。
また、原作ではお肉食べたい発言もしています。
一方で、わりと遊んでいるようにも見える
とはいえ、本当に毎日の食生活に困っているのかというと、少し疑問を覚えます。
というのも、シャロはわりとココア達と一緒に映画を観たり、買い物をしたりと遊んでいますし、キャンプのようなイベントにも必ず参加しています。趣味の陶器集めもしているようです。
シャロはオシャレにも気を使う、女子力の高い女の子です。そのあたりは髪型のバリエーションが豊富なことからも伺えます。胸は小さいですが、お尻の肉つきは良いです。本当に毎日の食生活がピンチなら、もっと痩せているはずですし、みんなと遊んだりなんかできません。
シャロは真面目な性格で責任感も強いため、節約に貯金にと頑張りすぎているのではないでしょうか。
シャロが望まない以上、ココア達だって無理に助けるようなことは出来ません。リゼがお嬢様だからといって毎回食事をおごるような関係では友達とは言いにくくなりますし、なにより責任感の強いシャロは迷惑をかけるような行為を嫌います。
多少は生活費を切り詰めて遊びに回しているところもあるかもしれませんが、本当にピンチなら、シャロが遠慮しようが無理しようが千夜が動くことでしょう。幼馴染で、おそらくはシャロの両親とも面識のある千夜です。ピンチだったら、なにかしらシャロの両親から頼まれることになるはずです。もちろん、真面目なシャロが借金をしてまで遊ぶなんてことはありえません。
PS VITA専用のゲームソフト『ご注文はうさぎですか?? Wonderful party!』でも、仕事を抱えすぎて無理をしたシャロが、風邪で倒れるというシーンがありました。その時は、千夜が尚も遠慮しようとするシャロを看病しましたし、ココアさん達だってシャロをサポートしました。
シャロはスマホ持ち
「フルール・ド・ラパン」はハーブティーが有名な、お洒落で人気の喫茶店です。衣装にもこだわるフルールです。時給だって、高いかもしれません。シャロってば実は結構、稼いでいるのかもしれないのです。
とはいえ学生ですし、バイトばかりには時間をかけらません。遊ぶお金も稼ぐとなると、忙しくなるのかもしれません。
さらにいえば、シャロの携帯はスマホです。ティーカップのストラップがついています。おそらくは、「SoftBank HONEY BEE 201K」です。今を生きる女子高生らしく、ちゃんと現代機器も使いこなしているのです。本当に貧乏すぎるのなら、スマホなんて持てません。
ちなみに、リゼと青山さんは同じスマホを使っているようですが、逆に青山さんはまったく使いこなしていない様子。そもそも持ち歩いてすらいないっていう。
もしシャロが深刻な貧乏だったら
もしもシャロが、本当に貧しさで苦しんでいるとしたら――シャロが遠慮しようとも、いくらでも助ける手段はあるはずです。
たとえば、食事を一緒にとりたいから。
という理由で、千夜がシャロを晩御飯に招待することは可能です。リゼだって、家がメイドのバイトを募集している――という風に誘えば、シャロをメイドという建前で招き、もてなすことができます。青山さんだって、シャロをモデルにした小説も書いているくらいですから、”シャロの納得がいく形でフォローしてあげられるような関係”を用意することができます。
つまり、千夜達があまり心配をしていないということは、いうほどシャロの貧乏は酷くないということです。
もしかしたら、実際に千夜の家で夕飯を食べる夜もあるのかもしれません。事実、泊まり込みで勉強をする話はあります。クリスマスの大福エピソードだって、ケーキの代わりに”シャロが用意した”というだけで、千夜が別にケーキを持ってきた可能性だってあります。
それでも、日々千夜が助けてあげなければならないほどの貧乏ではない、ということです。
ではなぜ貧乏なイメージが強いのか
にも関わらず、シャロの貧乏なイメージが強いのはなぜなのでしょう。
ボロ家に関しては、お嬢様と思われていたシャロが実はお嬢様ではなかった――というオチに使われたシーンです。なので、これは少し過剰かもしれませんが、ギャグ描写だととらえることができます。
「私の所持金52円」というセリフもありますが、 これも夢から覚めた時のセリフなので、やはりギャグ的な描写です。
もやしを利用したり、普段から節約をする――というのは、現実の学生でもみられることです。シャロほどきっちりしている人はそうそういないかもしれませんが、一人暮らしならこれくらいなら普通のことです。お肉食べたい発言に関しても、遊びや趣味に使うお金を用意しようと思ったら、そうそう肉を食べられないのも別におかしくはない話です。
そもそも、肉をまったく食べていない、とは言っていません。
結論
ごちうさのアニメや原作には、しばしばシャロの貧乏ネタが挟まれます。両親は出稼ぎに出ていて、シャロは小さな家で一人暮らしをしている――という風に、設定にも貧乏を強調させるような部分あります。
そのため、ひもじいような印象を受けることもありますが――実際はそこまで生活に苦しんでいるわけではなく、そこそこ遊ぶ余裕もあり、あくまでちょっと貧乏で、節約上手で家庭的な女の子、というだけなのです。
それでも、シャロの両親がどこでなにをやってるのかは気になります。
シャロの母親、すっごく美人だと思うのですが、登場する日は来るのでしょうか。