先日、プロジェクト「ラブライブ!サンシャイン!!」より、新企画『沼津まちあるきスタンプ』が開始された。
いわゆる、“スタンプラリー”と呼ばれる類の企画。
沼津まちあるきスタンプ
私が以前投稿したコラムでも書いたとおり、沼津市は「海・山・川」など、多様な自然に恵まれており、『五感すべて使って楽しめる』素晴らしい地域。
それだけに、「沼津まちあるきスタンプ」の効果は絶大だと思う。
しかしながら、この『沼津まちあるきスタンプ』を活用して、沼津を50%楽しめるか、100%楽しめるか、1000%楽しめるかは、参加者の意識で大きく変わってくるだろう。
現時点(2017/06/02)でのスタンプ設置店舗を見てみると、
・ゲーマーズ沼津店 ・安田屋旅館 ・松月 ・SUN!SUN!SUNSHINECAFE ・オーシャンビューフジミ ・淡島ホテル ・伊豆三津シーパラダイス ・三の浦総合案内所 ・千鳥観光汽船
の計9箇所。
沼津市街地→内浦地区→大瀬崎 と、アニメの聖地巡礼だけではなかなか足の向かない地域(もちろん内浦より南の地域にも、プロジェクトで登場しているスポットはあるが)にも、行きたくなるような“キッカケ”作りとなっている。
と考えると、やはりこの『沼津まちあるきスタンプ』はとても魅力的な企画だ。
では先に書いた「沼津を50%楽しめるか(裏を返せば“楽しみきれない”)……」はどういう意味なのか。
参加者に「“沼津を”楽しみたい」という意識があるか、ないかで、この企画が活きるか、ただのスタンプを押すだけの企画に終わるかが大きく変わり、
且つ、参加者にとっても、「ただスタンプを押すためだけにわざわざ遠い地域まで行った」と思うか、「ウォークラリーがきっかけで、今まででは気づけなかった、沼津市の魅力について感じられた」と思えるかが変わってくる、ということだ。
「オーシャンビューフジミ」のある『大瀬崎』―ダイビング/伊豆七不思議など

例えば、スタンプ設置店舗の一つ、「オーシャンビューフジミ」は、“ダイビングの聖地”と呼ばれる「大瀬崎」という地域にある。
沼津駅からは、バスでおよそ1時間30分。
1時間半かけて足を運び、スタンプを押して帰るだけでは、参加者の心に残るのは凡そ「スタンプを押せた達成感」くらいだろうか。
しかし、この大瀬崎という“地域に目を向けてみると”、684年(白鳳13年)に発生した白鳳地震に伴って海底が大きく隆起、琵琶島(びわしま)として出現したのが始まりとされている、など、とても古くから多くの伝承が残されている。
また、大瀬崎の先端に位置する「神池」は、海から15メートル程度しか離れておらず、海の荒れた日には海水が吹き込むにも関わらず、『淡水(川と同程度の塩分濃度)』池であり、コイやフナ、ナマズなどの淡水魚が多数生息している不思議な池として知られている。(このことから、伊豆七不思議の一つに数えられている)
景色もよく、ウォーキングにも適しているので、一日中、いや一日だけでは足りないくらい楽しめるスポットだ。
「スタンプラリー」はあくまで“キッカケ”

他のスポットについても、このコラムでは書ききれないくらいの魅力がそれぞれにある。
それらを見つけ、咀嚼し、味わえるかは、言わずもがな参加者の意識に委ねられている。
このような言い回しをすると、少なからず“ビジネスの匂い”を感じずにはいられないだろうが、
そもそも、この“ウォークラリー”企画に込められた思いを沼津市目線で考えてみれば、観光客数やスポットでのお金の落ち具合云々よりも「まずは沼津を楽しんでほしい」というものだろう。
ウォークラリーを開催する前には、「内浦地区より南の地域になかなか足を運んでもらえなかった」という問題があった。
それを、ファンの意識に「スタンプ」という理由付けをすることで足を運んでもらえるようになったわけだ。(ヘビーファンは企画が行われる前から行っていたと思うが。)
とすると、現状、この企画を「楽しみきるか」は、やはり参加者に委ねられている。
“聖地”に端を発した「沼津市めぐり」を、ただ“聖地”だけを巡るだけで終わってしまうのか、
その地域(それ以外の地域も)の食(「あしたか牛すき弁当」とか)・自然なども楽しんで、長く・濃く記憶に残る“旅”とするかは、ファンそれぞれの意識次第であるのと同じだ。
自身も沼津市へ行き、たくさんの感動をし、地元の方に「おかえり。」と言ってもらえるようになった今、「ラブライブ!サンシャイン!!」のファンには早く、これらの企画をキッカケにして、“沼津市の魅力”に気付き、堪能し、住むことは難しくとも“ふるさと”のように思ってもらえる日が来ることを待ち望んでやまない。