『 夏目友人帳 陸 』、あっという間に終わってしまいました。1~4期のセレクション、第5期とほとんど連続で放送していたため、なんだかとっても寂しくなってしまいます。
ですが、感傷に浸る前に第6期全体を振り返ってみようと思います。
これまでの 夏目友人帳
子供の頃の夏目は、見えないものが見えるせいで周囲から不気味がられ、友達もいないまま家を転々としていました。
その後、心優しい藤原夫妻や、妖力はあまりないけれど妖怪のことを知っている田沼&タキといった友人達と出会い、少しずつですが、本当の自分を出せるようになっていきました。
それでも、これまでの夏目には越えられない一線というものがありました。
ようやく巡り会えた大切な人達だからこそ、妖ごとに巻き込みたくない、心配をかけさせたくない。
相手は相手で、夏目が大切だからこそなんでも話して欲しいと思っているのに、話せなくてすれ違う。
自分に全てを護れるだけの力がない夏目は、妖や友人帳にまつわる騒動から友人達を遠ざけようと立ち回ってきました。
第6期での夏目友人帳
けれどこの第6期では、そんな夏目がようやく友人帳の秘密を明かしました。
抱えたていた重荷をひとつ軽くしただけかもしれませんが、これは大きな進歩ではないでしょうか。
高校生になり藤原夫妻や田沼達と出会うまで、大切に思える人がいなかった夏目。
だからこそ過剰に心配してしまったり、心配させてしまうことを恐れたり、頼るのが下手だったりするのです。
そんな夏目が、最終話にて名取さんに厄介な友人帳の秘密を打ち明けることが出来ました。お互いをより強く信じ合えるようになった瞬間です。
名取さんとの関係の変化は、おそらくやるであろうアニメ続編(希望的観測)において、重要なポイントになると思われます。
新たな謎
また、夏目の祖父に関する問題も、今回新たに浮上してきました。
友人帳とは、祖母であるレイコの残した遺品です。
妖を縛る力を持つ友人帳。それを狙う妖と、妖に名前を返していく夏目。それぞれのやり取りの中で、少しずつ生前のレイコに触れていく。
というのが今迄の夏目友人帳でした。
レイコは大切な人達と出会う前の夏目のように、孤独な人だった――とされていますが、夏目の祖母ということは、結婚して子供を残しているということです。
その相手が一体誰なのか、今迄まったく触れられてきませんでした。
ファンの間では、ニャンコ先生が祖父なのではないか、という声も耳にします。
ニャンコ先生とレイコがいつどこで出会ったのかは謎ですが、どうやら互いをそれなりに理解し合う仲だった様子。
孤独で人付き合いを避けていたレイコが、妖であるニャンコ先生とくっつくというのは、ないとも言い切れない展開です。
なにせ、ニャンコ先生は姿形を人間のように変えられますし、妖力の強いレイコと大妖怪であるニャンコ先生の血を引いているのであれば、夏目の妖力が強いことの説明にもなるからです。
しかし、第6期最終話にて語られた、夏目そっくりの男の存在。
レイコとくっつくのに、ニャンコ先生がまだ生まれてもいない夏目の姿に化けるのは少し不自然な気もします。とすると、その夏目似の男は何者なのでしょうか?
そして、ニャンコ先生が祖父ではないとするならば、レイコとニャンコ先生の関係はどのようなものだったのか。
謎が増えてしまいました。
これ、まだ原作でもあまり触れられていないんですよね。今後描いてくれるのでしょうか。気になります。
『 夏目友人帳 陸 』全体の感想
人間関係の変化と新たな謎の登場――とまあ、重要な回の多い第6期でしたが、西村と北本のエピソードも印象的でした。
彼らは、夏目にとっては数少ない妖のことを知らない友人です。
親しい関係でありながら、これまでは田沼やタキ、名取さんと比べ、少し距離があるようにも思えました。
そんな2人の視点から描く、夏目との出会いのエピソード。3人の友情は田沼達と比較しても、決して劣ってなどいない!と納得させられました。
そのほかにも、人と妖の違いを乗り越えた2人(8話)と、乗り越えられず切ない別れとなってしまった祓い人(5話)。夏目とニャンコ先生の今後も考えさせられた、こちらもまた印象的なエピソードです。
振り返ってみると、重要なエピソードがたくさんありましたね。
これらのお話が、アニメ7期に繋がるといいなあ――なんて、思わずにはいられません。
となれば、BDを買って応援するしかないですね!
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