熱血アニメ列伝その30 臓物(ハラワタ)をブチ撒けろ!『 武装錬金 』

今年の秋は涼しくなるのが早いなあ……と思っていたら、すっかり冬の寒さがやってきてしまいましたね。

そんな寒さを感じるこの季節にこそ!見て欲しい、今回も超熱い(色々な意味で)アニメをご紹介します。

今回取り上げる作品は……『武装錬金』です!『るろうに剣心』で有名な(そして先日のニュースで特に有名になってしまった……)和月伸宏先生の作品が原作のアニメ!

原作を知ってる方は、恐らく「ああ、熱血してる漫画だよな」って思うであろうこの作品。勿論、アニメ版の方も実に超熱い作品に仕上がってます!では、いつもの通りあらすじから行ってみましょう☆

エネルギー全開!貫け!俺の武装錬金!!『 武装錬金 』のあらすじ

高校生2年生の「武藤カズキ」はどこにでもいるような、普通の、だけれど仲間思いの凄く優しい好青年。

そんな彼が、ある日の夜事件に巻き込まれ、謎の怪物により心臓を貫かれ、命を落としてしまいます。

しかし、この事件に関わる謎の美少女「津村斗貴子」が埋め込んだ「錬金術」で作られた超常の物体「核鉄(かくがね)」によって、心臓の代わり=新しい命を授かる事となり、何とか生きながらえます。

中世ヨーロッパにおいて発達した鉄を金属に変えたり、永遠の命を実現させようというような総合科学技術の総称「錬金術」。一般的にはこの研究は失敗に終わったとされていましたが、実際には二つの成果が秘密裏に誕生していました。

それは人工生体(ホムンクルス)とカズキに埋め込まれた「核鉄」。

「核鉄」は治癒能力を有していたり、カズキに埋め込まれた事によって命の代わりになったりと、それだけでも超常の能力を有していますが、一番の能力、それは……!

「人の闘争本能によって作動する戦う力!」
「その力こそが核鉄本来の用途……持つ者が秘めたる戦う力を形に変えた……唯一無二の武器の創造!」
「その名を……『武装錬金』!!!」

カズキは再び自分の命を奪った敵、その正体は錬金術の成果の一つである「人口生体(ホムンクルス)」と対峙し、自らの「突撃槍(ランス)」の破壊力でこれを撃破します。

斗貴子は、この「武装錬金」を生み出す「核鉄」の管理を行い、ホムンクルスの討伐を主目的とする「錬金戦団」の戦士の一人でした。

彼女の導きによって、カズキはホムンクルスとの戦いに身を投じる事になります。彼が戦いを決意したのは「皆を守りたい」というピュアな思いから。

その思いをカズキは貫けるのか?ただの高校生の彼にとっては過酷な戦いの日々がこうして始まるのでした。

主人公のキャラクターメイクが最高!カズキええ奴や……!

『武装錬金』のあらすじ、いかがだったでしょうか?

連載時の掲載誌が「週刊少年ジャンプ」であった事からも、実に王道中の王道の「少年漫画」のテイストが濃い、この『武装錬金』。

実際に原作者の和月先生はかなりその事を意識して、自らが思い描く「少年漫画」的な要素を全部入れ込んでこの作品を作る事を心がけたんだそうで。

この作品の一番のポイントである「武装錬金」は、ただの武器としての設定だけではなく、ヒーロー物の登場人物が持つ能力とほぼ扱い的なところが一緒で。

あらすじのところにも書きましたが、核鉄の持ち主のメンタルの部分に強く作用して、一つとして同じ「武装錬金」は存在しないという、最近の作品では『僕のヒーローアカデミア』の「個性」という設定にも似ているように思えます。

まあ、「異能力バトル」モノって言ったらそれまでなんですけれども。

しかし、この作品の「熱さ」に限って言えば、何と言っても登場人物!その中でも主人公の「武藤カズキ」君のキャラクターメイクが一番のポイントである事に異論を唱える人はまずいないでしょう。

あらすじの冒頭にも書きましたが「仲間思いの優しい好青年」ってキャラクター特性というのは、物語を作った事のある方なら、案外その難しさを痛感するんじゃないでしょうか?

優しいという事は、この作品の中でも触れられていますが「偽善」と言う誹りを受ける事にも繋がることも多いですし。それは最近のネット社会においてはより顕著になっているかもしれません。

でも、本当にカズキは……ええ奴なんですわぁ……!

人に優しくするって、日常でもなかなか難しい事ですよね。このコラムの著者もなるべく人にはそのようにしたいと思って日々過ごしておりますが、これがなかなか難しいことなのですよね。

や、著者がただ単純に人間が出来ていないだけかもしれませんが。やはり嫌いな人間には、優しくしようとするのはなかなか出来ませんし。好きな人への優しさがあるいは押し付けになってしまう事も多々あります。

でも、だからこそ。カズキの優しさって実際に作品を見たりしていると……沁みるんですよねえ。

時にバカやったり、さりげなく誰かを気遣ったり。笑顔で人を安心させたり。自分の痛みや恐怖、悲しみなんかには、弱いところを見せたりしながら、他人の為には無類の強さを発揮したり……。

原作者の和月先生のお人柄が凄く顕著に表れている、そんなキャラクターであるのかな?と思いながら原作もアニメも見ておりました。

そう、和月先生のお人柄の話が出たところで。やはり、今回はこの話をしない訳にはいかないでしょう。

先日2017年11月21日、この作品の原作者である和月伸宏さんは、児童ポルノの単純所持による書類送検された事が報じられました。

ツイッターやテレビニュースなどにも取り上げられ、現在ジャンプSQ(スクエア)で連載中の『るろうに剣心ー明治剣客浪漫譚・北海道編ー』も当分の間休載との事。

ファンもそうでない方にも物凄く衝撃を与えた和月先生のこの報道。正直、今回のコラムを執筆するのかどうかも物凄く迷いました。

ちょうど、DVDを借りてきてこのコラムの為に視聴していたところにこの報道!執筆はやめた方が良いのかな……?とも思ったのですが。

作品自体には罪はない!という思いが自分自身にあり。更に「熱血アニメ的視点」から、この作品の良さを世の人に知って欲しいという思いもあって、今回の執筆を決意した次第です。

和月先生自体も今回の事件の事は反省している、との事。あくまで個人的には……ですが。前述した『るろ剣』の北海道編の早い連載再開を望んでいます。

原作の話を色々としましたが、原作コミックは実に全10巻と長すぎず、短すぎずのボリュームです。まあ、週刊連載は一度打ち切られてしまい。後日増刊で、見事大団円を迎えた、という経緯もあるのですが。

色々なところでこの作品の評価として「全10巻となった事で過不足なく絶妙にまとまっている」とされる向きもあり、作品としての評価としては「和月先生の『るろ剣』よりも上」とする方すらたくさんいるほど。

そんな原作漫画を本当に上手にアニメ作品として昇華出来ていて、DVDのオーディオコメンタリーで主人公カズキ役の福山潤さんも「これは原作アニメのお手本のような作品だと思う」と語っていらっしゃいます。

そんな「良質の漫画原作アニメ」としても、そのクオリティの高さに熱くなる人もきっとたくさんいるでしょうね。

そして、もう一つ!この作品のオープニング曲がまた熱い!この『熱血アニメ列伝』の初期に扱った作品『マクロス7』で「熱気バサラ」の歌唱担当をしていた「福山芳樹」さんの歌う『真赤な誓い』!!

『武装錬金』のアニメ本編を実は見ていなくて、しかしこの『真赤な誓い』だけはむちゃくちゃ好きで知ってる!大好き!って方もいらっしゃるのではないでしょうか?

当時のアニソン系のDJイベント、アイドル・アニメ系のライブイベントではかなりのこの曲を色々なところで聞いた覚えがあります。10年以上経った今でも、この曲の熱さが胸に刻まれている人もたくさんいる筈です。

この曲の熱さ通りに、このアニメの作品としての熱さも絶対的に保証します!この曲がかなり好きだけど、本編未視聴の方には是非、このコラムをきっかけにして、見て欲しいものです。

前回のコラムとの繋がりの答え!そして色々な繋がりをこの作品で再発見!

いつもはお気楽なこのコラム。少し真面目なお話を前項ではしてしまいましたが、最後にいつもの感じで小ネタ的なお話をいくつか。

前回の『コードギアス 反逆のルルーシュ&R2』のコラムで、自分は「ギアスはこのコラムの前の作品『サイボーグ009VSデビルマン』と、とある点において繋がりがある」と書きました。

その答えを改めて発表します。今回、前回、前々回、この三つの作品に共通する繋がり、それは「主役キャラクターを福山潤さんがあてている」ということでした!

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この「熱血アニメ列伝」は、毎回どの作品を執筆するのかは、執筆する直前に決まる事も多々あるのですが。今回は、『サイボーグ009VSデビルマン』を執筆した時点で、この3作品を連続して執筆する事を決めておりました。

その繋がりがなくても、ギアスにしろ武装錬金にしろ、いずれこの連載コラムで取り上げるつもり作品ではありました。こういう繋がりはコラムを書く原動力にもなるところではあるので。勢いは大事!と3作品のコラムを書いたところがありますね。

ところで。実は著者はこのコラムを書いておきながらあれですが。アニメ版の『武装錬金』は実はちゃんと見る事が出来ていない作品の一つだったのです。

原作は何回も見返してるぐらい好きでもあり、ある意味で『るろ剣』よりも完成度として上回ってると思っているぐらいの漫画作品だとも思ってはいるのですが……。

実は放送当時、自分の家のテレビの電波状況は極端に悪く、録画しても画面が何も見えないレベルの状態な事もしばしば。だからこの時期のテレビ東京系の深夜アニメはほとんど見る事が出来なかったんですよね……。

だから、今回の視聴の時は、正直かなり新鮮にこのアニメ版の『武装錬金』を見る事が出来ました。特に驚いたのが福山潤さんの演技が若い!

と、言うか、アニメ初期の頃は無茶苦茶「佐々木望」さんの声質に似ていて蝶!……じゃなかった超びっくりした覚えがあります。

今の演技で福山さんを認識している方なら、このアニメの初期の声質はかなりびっくりするんじゃないかと本気で思ってます。回を追う毎に今の福山さんのいつもの声質になってるんですけどね。

ただ、『コードギアス』と『武装錬金』の放送年はほぼ同時期なので、ルルーシュの時は特にそんな風(佐々木望さんの声質に似ている)に感じた事がないので、たまたま……なのかもしれませんが。

そして、蝶!と言えば。この作品のキーキャラクター「パピヨン」!コラムでは結局取り上げておりませぬが……。カズキと因縁浅からぬキャラクターのこのパピヨンは声をあてているのが「真殿光昭」さん!

もしかしたら、知ってる方も多いかもしれませんが。『コードギアス』においてのルルーシュに関係の深いキャラの一人「扇要」も真殿さんが演じてるのです!

いや、この事実は今回見返す前から、ちゃんと認識してはいたんですけどね。何だかこうやってコラムを書いているとこういう一致に何だか凄く不思議な思いを感じてしまうんですよね。

更にもう一つ!この『武装錬金』の制作は「XEBEC」さんで。この連載コラムにおいては『宇宙戦艦ヤマト2199』の製作でも繋がりがありますが。そこはとりあえず置いといて(笑)。

アニメ版の終盤に原作にはない武装錬金の描写があります。原作にもあった「潜水艦(サブマリン)の武装錬金・ディープブレッシング」が少しアレンジがされて描写されておりまして。そのアレンジは実際にアニメ版を見て欲しいところですが。

この武装錬金を扱う「艦長」役が『ヤマト2199』の沖田艦長役の「菅生隆之」さん!単純にオーディションで選ばれた可能性も勿論ありますが……。

もしかしたら、「XEBEC」さんがこの時の菅生さんの演技で判断して沖田艦長役になったのかなあ?とか、色々なそんな(まあ、ただの推測の域を出ておりませぬが)繋がりを感じるアニメでもありました。

この『武装錬金』、アニメはDVDレンタルが大手のところならまず置いてあるでしょうし、バンダイチャンネル等の配信でも気軽に見られると思います。

全26話で、原作のコミックス10巻分が本当にバランスよくまとめられているので、原作付アニメのお手本のようなこのアニメを是非見てみてくださいね!そして蝶!最高!な気分になる事を祈っております!

熱血アニメ列伝 はまだまだ不定期更新中! 各列伝も是非チェックして下さい!

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