『 映画 かいけつゾロリ ZZ(ダブルゼット)のひみつ 』に28歳にもなって涙腺を刺激されてしまった件

2017年に30周年を迎えた児童書『かいけつゾロリ』シリーズ。それを記念した作品として2017年11月25日に映画『 かいけつゾロリ ZZ(ダブルゼット)のひみつ 』の公開がスタートしました。

本作を映画館に観に行ってきたのですが、週末だったこともあってか会場は親子連れで満員。私のように成人男性独りで来ている同士はパっと見確認できませんでした。ですが、この映画が私が楽しめない作品だったかといえば、そうとも言い切れなかったのが正直なところです。

というわけで、そんな『かいけつゾロリ ZZ(ダブルゼット)のひみつ』の感想を報告させてください。

『 かいけつゾロリ ZZ(ダブルゼット)のひみつ 』とは

感想の前に『かいけつゾロリ ZZ(ダブルゼット)のひみつ』の情報についてざっくり。

『かいけつゾロリ ZZ(ダブルゼット)のひみつ』の監督を務めるのは『おまえ うまそうだな』や『劇場版アニメ 忍たま乱太郎 忍術学園 全員出動!の段』、『劇場版 FAIRY TAIL 鳳凰の巫女』の監督を務めてきている藤森雅也監督。これまでにかいけつゾロリの劇場版シリーズについては『映画 かいけつゾロリ だ・だ・だ・だいぼうけん!』などで原画担当で参加したこともあるのですが、監督としてはシリーズ初。

さらに脚本を務めるのは『ガールズ&パンツァー劇場版』や『映画聲の形』、『夜明け告げるルーのうた』などの最近話題となった数々の映画にも脚本で参加してきた吉田玲子さんです。このあたりの布陣も要注目な点です。

加えて、声優陣にはこれまでのシリーズ同様、かいけつゾロリ役に山寺宏一さん、イシシ役を愛河里花子さん、ノシシ役をくまいもとこさんが務め、シリーズに親しんだ人も安心して耳になじんだ声で本作を楽しめる状態となっています。

『かいけつゾロリ ZZ(ダブルゼット)のひみつ』のあらすじ

物語は、ゾロリたちがドーナツのプレゼントキャンペーンの行列に朝から並ぶため“目覚まし時計”を自作するところから始まります。ゾロリはただの目覚まし時計を作ったはずが、なんとそれがタイムマシーンになっており、ゾロリやイシシとノシシは過去の世界に飛ばされてしまいます。

そんな過去の世界でゾロリたちが出会った女性はなんと、今は亡きゾロリのお母さん「ゾロリーヌ」。ゾロリたちはゾロリーヌがまだ若かった時代にタイムスリップしてしまうのでした。

ゾロリは思わぬ対面に感動するのも束の間、元の時代に戻るためのタイムマシーンが警察に奪われてしまっていたり、さらには町に怪獣が現れて大暴れするなどトラブルに巻き込まれていきます・・・。

馴染みがある人こそ染みる?お母さんエピソード

あらすじだけ観るといつものドタバタコメディにも思えるのですが、今回のゲストキャラクターでもある、ゾロリのお母さん“ゾロリ―ヌ”が肝。原作でも幽霊にもなってまでもゾロリを見守るなど非常に印象的なキャラクターでしたが、ここに来て、なんと若々しい姿となって登場するとは思ってもいませんでした。

しかも、この若い時代のゾロリーヌが色っぽい!

お母さんキャラをこんな萌えキャラみたいな造形にしてしまうなんて、反則です。今回のゲスト声優としてゾロリ―ヌ役を演じるももいろクローバーZの百田夏菜子さんもなかなか上手くハマっていまして、一回きりのキャラクターにしてしまうにはもったいないと思ってしまうぐらいでした。しかも、問題はこの映画の最後のシーンにありました。

ゾロリーヌが送る優しく残酷なメッセージ

タイムスリップ展開のお決まりとして、ゾロリは元の時代に戻るためにゾロリ―ヌとは別れなければいけなくなるわけですが、その最後の会話がなかなか大人でも辛い・・・むしろ大人こそ辛いのではないかというセリフで私の中に衝撃が走りました。

ゾロリ―ヌの優しさが本当につまったあるメッセージが最後にゾロリに送られるのですが、このメッセージがゾロリにとってはすごく嬉しくもあり、すごく辛く感じられるような“重たいメッセージ”だったのです。これを聞いた時のゾロリの顔もたまらないのですが、このメッセージを受け取ったゾロリの心情を思うと、すごく胸を締め付けられ、それだけでもなんだか涙が出てきてしまったのです。

このラストシーンがなかなかキッズ映画とは思えないぐらいにじーんと来てしまったので、是非まだ本作を観たことがないという人は、このラストのメッセージが一体どんなものなのかに注目して一度観て欲しいと思います。


なかなかゾロリを知らないという人こそ、子供向けの映画として見逃されてしまうのかもしれませんが、本作、なかなか侮れない一作でした。実は随所に特撮や映画のパロディなんかが含まれているのも面白いところでして、そもそも「かいけつゾロリ」自体が“怪傑ゾロ”のパロディであったりと、子供じゃわかんないような仕掛けも含まれる作品だったのですよね。

大人でも感じることのある映画となっていましたので、今年28になるすっかり子供じゃなくなってしまった私からも、本作をオススメさせていただきます。

映画『かいけつゾロリ ZZ(ダブルゼット)のひみつ』公式サイト:http://www.zorori-movie.jp/index.html

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