大人気タイトル『僕は友達が少ない』の生みの親・平坂読先生が手がける、ちょっと不思議な青春群青劇『 妹さえいればいい。 』。
小説家というクリエイティブな仕事を通じて描かれた、様々な想いの交差━━儚くも甘酸っぱい描写の連続で、若い世代の人たちを中心に多くの共感を得た作品だったのではないでしょうか。
私自身、2017年の秋アニメの中で最もリラックスしながら楽しめた作品の一つでした。
ご縁があって書かせていただいた本作の感想レビュー、最後となる今回は、寂しさを胸に思いの丈を綴れさせていただければと思います。♬
一緒に楽しい気持ちになれた、素晴らしい技巧の数々
(小説家という仕事についてなど)新しい発見、ストーリー性、キャラの魅力などなど、オススメポイントをたくさん備えている『妹さえいればいい。』。
その中でも特に素晴らしかったと感じたのが、クリエイター陣の遊び心がたくさん盛り込まれているところでした。
代表的なところでいうと、本サイトでも取り上げられた「エンドクレジットでキャスト&スタッフの“下着派”or“全裸派”の記載」があります。笑
下着か全裸だって言っているのに、中には「猫耳派」や「見えるか見えないか派」など、面白い回答もあって思わず笑ってしまいました。
原作の平坂先生の回答もありましたので、気になるか方はぜひ上記のリンク記事か『dアニメ』で本編を確認してみてください。♬
また、OPアニメーションにもたくさんの工夫が施されていましたね。
最終話の感想レビューで書かせていただきました、本編のストーリーからつなげるかたちでのOPの導入のほか、先ほどの下着or全裸論争が行われた第9話では、OPの最後で伊月が裸に変わっていました。
これは大沼監督が裸派であることに関係があるのかも。笑
そんな細かくもクスッと笑えるポイントがいくつも散りばめられていて、いつも楽しい気分になれたことを今でも印象深く覚えています。♬
はっきりとは言わない美学
次にストーリーに目を向けてみると、明確な表現や回答を避けているのかなっと思える部分が所々あったことも特徴だったと感じています。
たとえば伊月の弟・千尋の性別について。
第10話にて千尋が税理士のアシュリー宅へ向かったお話にて、その謎は明らかになったものの、それまでの9話では明言はなかったかと。
触れつつも踏み込み過ぎない、と言えば良いのでしょうか、“妹が好きで好きでたまらない”主人公の存在、そして本作のタイトル・テーマ性である妹というキーワードをとても大切に扱っていたと思います。
時折登場する、ツンデレ属性の春斗の妹も可愛らしくて好きです。笑
あと、伊月と那由多の恋の結末や『妹法学園』のアニメ化の行方など明確にならなかった要素が、先の気になるカタチで描かれていたように感じ、このことから制作陣の二期放送に対するモチベーションの高さが窺えました。♬
ぜひ続きが見たい一作なので、近い将来、それが実現する日が来ることを願わずにはいられません!
『 妹さえいればいい。 』感想コラムの最後に━━
一番肩入れしたくなったキャラは、密かに伊月に想いを寄せる京でした。
自分をしっかり持っている周囲に対する憧れや、伊月に対してと同じくらい大切に想っている那由多への配慮など、本作にて最も共感できる人柄を持っていた女性だったと思います。
彼女の未来にたくさんの幸が待っていることを願っているものの、第11話をみる限りちょっと厳しいのかな……。笑
それでも最終話にて新しい一歩を踏み出した彼女のさらなる活躍を、アニメを見ながらまた応援できる日が来ることを期待しつつ本レビューを締めさせていただければと思います。
3ヶ月間おつきあいいただきまして、ありがとうございました。♬