前回までのキャラクターコラムをお読みいただいた方には同じ冒頭文になりますが、ご容赦ください。
2018年の劇場版「 クレヨンしんちゃん 」の公開が近付いてきました。皆さん、クレヨンしんちゃんの劇場版はご覧になったことがありますか?
「嵐を呼ぶアッパレ! 戦国大合戦」では歴史好きが舌を巻くほど本格的な時代劇を魅せ、「オトナ帝国の逆襲」ではノスタルジックな雰囲気に、まさに大人たちが涙しました。
今や「泣ける映画」として子どもたちに付き添う大人たちが楽しみにしている作品。それが劇場版「 クレヨンしんちゃん 」です!
そんな今回の映画タイトルは「爆盛! カンフーボーイズ」。ボーイズという時点でクレヨンしんちゃんファンの中にはお気付きの方も多いでしょう。そうです、今回のメインはしんちゃん率いる「かすかべ防衛隊」が主役です!!
上記した過去2作品のファンには「ちょっと印象的な子どもたち」くらいのイメージかもしれませんが、かつて「嵐を呼ぶ! 夕陽のカスカベボーイズ」でも主役を張ったこの5人。
この5人についてまだよく知らない!という人に向けて、映画作品を中心に、数回に渡ってかすかべ防衛隊の徹底紹介をしています!
佐藤マサオ はどんなキャラなのか
さてこのマサオくん。テレビ本編でも気弱で、推しに弱く、基本的にいつもネネちゃんやしんちゃんに振り回されているという役柄。「 クレヨンしんちゃん 」をあまりご存じない方には、かなり印象が薄いのではないのでしょうか。
しんちゃんたちのグループの中で一番立場が弱く、嫌なことがあってもなかなか言葉に出せない。出せたとしてもネネちゃんには頭が上がらず、Noを言うことはできるのに多くの場合Noを聞いてもらえない。そんな、いじめられっ子気質が強い子です。
では、本当にマサオくんはいじめられっ子なのか?
そんなことはありません。確かにかなりの泣き虫で、ちょっと頼りなくて、よく頼まれ事をします。しかし運が味方をするのか彼の行動がかすかべ防衛隊メンバーを救うこともあるので、軽んじられることが多いものの、感謝されることも珍しくはない。
たとえば「バカうまっ!B級グルメサバイバル!!」でかすかべ防衛隊が遭難した際には、食料が少ない中、自分の持っていたビスケットを隠して自分一人が生き残ろうとしました。
しかし食料をすべて失ったかすかべ防衛隊を前にしたとき、マサオくんはこのビスケットを差し出し、結果的にかすかべ防衛隊を救うこととなったのです。
かすかべ防衛隊のパシリ要員兼、小さな小さな突破口。それがマサオくんです。
佐藤マサオ の「二面性」について
さて次は、そんなマサオくんが持っている二面性について見ていきたいと思います。
テレビシリーズだけ見ていると、なかなかマサオくんの二面性について目にする機会は少ないかと思いますが、映画ではかなり頻繁に披露されています。
「超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁」では大人になったマサオくんが登場しますが、自分より明らかに立場の弱い子ども(5歳のかすかべ防衛隊)に対してかなり横柄な態度で接しています。しかし大人になったマサオくんが粗野な性格になるのかと言えば、それは違います。
この作品では夢が叶わず最悪の未来に至ったマサオくんが描かれているので、必ずしもマサオくんがこういう風に成長するわけではありません。
ただ、マサオくんの中にこういう粗野な部分が隠れているのは間違いありません。それこそが、マサオくんの二面性です。
「嵐を呼ぶモーレツ! オトナ帝国の逆襲」で大人たちから逃げるため、ふたば幼稚園の送迎バスに乗り込んだかすかべ防衛隊。交代で運転することになりマサオくんが運転するようになると、マサオくんはかなりワイルドな性格に変貌します。
「ぶっ飛ばすぜ、ベイベェ!」と叫んで爆走。前を塞がれても「あらよっと」と華麗に回避。多少の傾斜はものともせずに登り上がり、ついには「しっかり掴まってな!」と叫んで川に突入。水中を突っ切って追っ手を振り切ります。
「嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード」では、指名手配犯にされたことでかすかべ防衛隊メンバーを頼って佐藤家を訪れたしんちゃんを、敵組織に自ら通報。そのあと反省しはしますが、迷うことなく通報していたらしいのが防衛隊の残りメンバーの表情から読み取れます。
さらに「爆睡! ユメミーワールド大突撃」では、漫画家になった夢を満喫する中で「大御所作家」として横柄な態度を取る姿が見られました。
以上から、表に出ている気弱でうじうじとした性格の半面、言葉は悪いんですが、非常に調子に乗りやすく、また保身にかなり比重を置いていることが分かります。
言い換えれば、褒めると異常に伸び、自己の保身に繋がる行動なら迷いなく実行できる。そんな子ではないかと思います。
佐藤マサオ の「一途さ」について
さて次は、マサオくんの「一途さ」を見ていきましょう。
マサオくんはよくも悪くも、とにかく一途。テレビシリーズでは同じふたば幼稚園ひまわり組の酢乙女あいちゃんに一目惚れし、それ以降、他の男子があいちゃんに冷めたあとでも一途に想い続けています。
そんなあいちゃんへの想いが垣間見られるのは、「嵐を呼ぶジャングル」。熱帯の小島で水に飢えたかすかべ防衛隊メンバーは、ようやく水を発見します。しかしそこは大量のワニが巣くう場所でした。
じゃんけんに負けたマサオくんは、ワニを引きつける役を引き受けることになってしまいます。最初は当然泣いていやがるマサオくんでしたが、みんなから「死んだらあいちゃんに会えなくなる」「あいちゃんに、カッコよかったって伝える」と言われて俄然やる気になります。チョロい 命よりも、あいちゃんに見直してもらえることに重点を置くんですよね。
さらにワニに完全に包囲されたときも、「あいちゃんはマサオくんを好きだってもっぱらの噂だよ!」という分かりやすすぎる嘘に踊らされながらも、驚異の身体能力を発揮して無事に生還します。
「嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード」でも、しんちゃんを裏切ったあと反省し、二度と裏切らないという友情を示し敵を足止めするために「あいちゃんには、勇敢に戦ったと伝えてくれ」と言い残して特攻(失敗)します。
ちなみに高速で走るジェットコースターの接続部分を外して、取り残される車両に乗ったまま敵車両に突っ込むというやり方です。
さすがかすかべ防衛隊……!5歳児怖い……!!
そのほか、「嵐を呼ぶ! 夕陽のカスカベボーイズ」では映画の中でネネちゃんと所帯を持っており、だらだらと過ごすネネちゃんを愛し、「ここでの生活は充実してるんだ。守るべきものも、あるしね」と満足げに笑います。
愛する人間がいると実力以上に頑張れる、そんな面も併せ持つマサオくん。「カンフーボーイズ」ではどんな面を見せて活躍してくれるのか注目です。
2018年の映画「爆盛! カンフーボーイズ」のキャッチコピーは「アクション大盛り、友情濃いめ」。
この時点でかすかべ防衛隊推しとしては期待値が振り切れそうですので、是非最後のメンバー、ボーちゃんの紹介をお待ちいただければと思います!