ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第六話 感想コラム【連載】

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第六話 感想コラム【連載】

前回はギルベルト少佐のお兄さんの登場で怪しい雲行きで終わった ヴァイオレット・エヴァーガーデン でしたが、今回の第六話では天文台でのストーリーです。とく今話では「恋」に至る心理的なプロセスが垣間見える展開で、すでに恋から遠ざかってしまった筆者からすれば、「あぁ、なつかしい」とノスタルジックを感じてしまう放送回でした。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第六話のあらすじ

アストレア国ユースティティア地方のユースティティア天文台に仕事で訪れたヴァイオレット。そこでは古文書などの口述筆記の仕事の為に多くの自動手記人形たちが集められていた。ヴァイオレットは自動手記人形学校時代の仲間たちとルクリアにも再開する。

天文台の仕事でパートナーを組むことになったリオン。彼はは自動手記人形に根拠のない嫌悪感を抱き、軽蔑さえしている。そんな彼とヴァイオレットがペアを組む事になるのだが・・・。

女の子かと思っていたら、なんとイケメン美男子のリオン

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第六話 感想コラム【連載】
画像引用元:©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

第六話のメインキャストであるリオン。初め見たときは「女の子?」と思えるくらいのかわいい男の子なのですが、彼は自動手記人形という仕事を軽蔑していました。厳密に言えば、女性そのものに対しても、大きな心理的負担を抱えているように見えます。このあたりの原因となる、リオンに起こった出来事は第六話中で語られるので、是非アニメ本編を御覧ください。

そんな美男子のリオンですが、彼の心理描写の変移がとても興味深く描かれていました。嫌悪から始まったリオンとヴァイオレットの関係ですが、ヴァイオレットの仕事ぶりを通じて「認知」、そしてできる仕事ぶりは「尊敬」へ変異します。

そしてリオンの感情は最終的に「恋」へと発展していく訳ですが、リオンの心の変化の描写がとてもスマートに描かれていました。

私にとってあの方の存在はまるで世界そのもの

リオンと一緒に星空を眺めるシーンでは、リオンが少佐についての仮定の質問をバイオレットに投げかけていました。

「もし俺との契約期間中に、その人が危険な状況に陥っていると聞かされたらどうする?」

考え込むヴァイオレットの顔を見て、リオンはすぐに「悪い。困らせたな」といってヴァイオレットに謝ります。ところがヴァイオレットは、

「いいえ。そうではありません。その問には選択肢がなく、旦那様にどう謝罪しようかと」

「私にとってあの方の存在はまるで世界そのもので、それがなくなるくらいなら私が死んだほうがいいのです。」

リオン・・・それは一番聞いてはダメな質問でしたね。リオンはグサリとおう表情をしてツバを飲み込みます。でも、リオンはこの質問によって、自分の母親とヴァイオレットが重なって見えたようでした。

今回のヴァイオレット・エヴァーガーデンでは、この星空のシーンが一番素敵でした。一生のうちに一度でも、他人をこれほどまでに「愛して」みたい。いや「愛されてみたい」と、アニメを通して真剣に考えてしまう自分がいます。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第六話の感想

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第六話 感想コラム【連載】
画像引用元:©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

今回はユースティティア天文台で自動手記学校で同期だったルクリアに再開する事ができました。ルクリアはヴァイオレットを見て、

「大丈夫?ちょっと元気がないみたいだけど・・・?」

と心配そうな表情で語りかけます。ヴァイオレットのその疲れた表情が長旅のものなのか、それとも第五話 最後のシーンでの再開が原因なのかはわかりませんが、とにかくヴァイオレットがうつむき気味なのは確かです。

しかし、ヴァイオレットは自分のほっぺたを両手で「プニッ」と持ち上げて、少し笑えた表情をルクリアに見せます。この仕草がかわいいのはもちろんなのですが、ヴァイオレットが少佐以外に自分の意思で他者を思いやれるようになっているのが、うれしくもあり、少しさみしくありました。だって、他人の気持ちをいい意味で無視できるのが、ヴァイオレットの魅力の一つですから。

第六話がスタートしたときは、「ちょっとありがちなラブストーリーかな?」と思って見始めましたが、中盤以降、とくにリアンの心の描写について描けれているときには、すっぱりと第六話のストーリーに自分も流されていました。

「夜空いっぱいの星下でなんて、陳腐すぎやしませんか?」と思っていましたが、後半になる頃には「リオンいいヤツなんだなー」なんて思っていました。自分自身でこのアニメの「軽蔑」から「恋」という心理的変移を30分で体験していた事になります。京都アニメーションの制作スタッフさんの恐ろしい実力ですね。

でも、やはり第五話のラストで語られていた雨の船上での黒い過去が気になって仕方ありません。原作読みたいー!

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