「 GATE (ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 」の豆知識シリーズとして続けてきたこのコラム。おかげさまで第三回目となりました。今回のテーマは特派された自衛隊員が日常的に持っている小火器、とくに 64式7.62mm小銃 にスポットを当ててみます。
一口に小火器といってもいろいろな種類がありますが、自衛隊を始めどこの軍隊でも、兵士が利用できる小火器は予め決まって、あまり自由に自分の好きなものを使用したりする事はできません。
このコラムでは、アニメGATEで伊丹二尉率いる第3偵察隊が携行している小火器を中心にピックアップします。
特地に派遣された 伊丹二尉率いる第3偵察隊の携行火器
アルヌスと日本に突如開いた「門(ゲート)」。そこへ最初に派遣された伊丹二尉率いる特派の第3偵察隊。そんな彼らが携行してる小火器には、主にこんなものがありました。
64式7.62mm小銃小銃
特地に先遣隊として派遣された伊丹二尉率いる第三偵察隊。彼らが携行している小銃は、1964年に正式採用された国産の64式7.62mm小銃です。7.62mmの連続射撃が可能でありながら、木製ストックを兼ね備えたフォルムは、この小銃が開発された1950年代から1960年代における銃器デザインの特徴を兼ね備えています。
現在でも自衛隊の一部の部隊や海上保安庁でも使用されている、「ノスタルジック」で息の長い小銃です。
89式小銃
ゾルザル王子の政権奪取後、和平派の救出のために帝都を強襲攻撃する事になります。その際に城門を確保したレンジャーなどが携行していたのが、89式小銃です。このときに、翡翠宮へ最初に到達した部隊も、同じく89式小銃を携行していました。
この89式小銃も国内で製造されたもので、単発、連射のモードに3点バーストが追加されています。
9mm拳銃
https://www.youtube.com/watch?v=N7cCby6YFWg
そして、伊丹二尉が携行している拳銃は、「9mm拳銃」です。こちらはGATEでありがちな廃棄寸前の古い装備ではなく、現行で支給されている拳銃です。
GATEでは宮城で日本人価値被害者を発見した際に、ゾルザル皇太子の顔に拳銃を向けるシーンが登場します。
5.56mm機関銃MINIMI
5.56mm機関銃MINIMIは、帝都強襲の時に翡翠宮へ到着した最初の部隊が携行していました。また、健軍一佐が、帝国の騎兵に追撃されるボーゼス達を守るために射撃するシーンでも、自衛隊員が射撃をしているシーンがあります。このシーンは本当にカッコ良かった。
ちなみにこの5.56mm機関銃MINIMIも9mm拳銃や89式小銃と同じく、現行で配備中の装備品です。
110mm個人携帯対戦車弾
焔龍退治の際に使用していた対戦車用装備です。隊員が車上からこの対戦車談を発射して、焔龍の片腕をフッ飛ばしていました。テュカもこの対戦車砲で炎龍に発泡しています。
一般的にはバズーカーと言ったほうが、イメージをつかみやすいかもしれませんね。
とまあ、GATEに登場する小火器といってもいろいろな武器が登場しています。このほかにも、M24対人狙撃銃(米国製)や特殊作戦群のM4(米国製)なども小火器もアニメ中に登場しています。
まさにチート!帝国軍の盾を貫く自衛隊員の小火器類。
「 GATE (ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 」の第2話では、アルヌスの丘に橋頭堡を構築する異世界の自衛隊に対して、諸王国軍が一斉攻撃を仕掛けるシーンです。ここでは、諸王国軍の防盾兵の盾が、塹壕からの一斉射撃で、弾丸がいとも簡単に盾を貫いています。
ここでは塹壕からの射撃であるために、軽機関銃や戦闘車両の車載機銃である可能性もあり、さらに帝国で主力軍ではない諸王国軍であるために、盾という装備が通常よりも貧弱である可能性も否定できません。
しかし、帝都の宮城で日本人拉致被害者を救助する際にも、64式7.62mm小銃の射撃でいとも簡単に盾が貫通しています。この宮城の中枢を警備する兵士ですので、当然金属製の重厚な盾を装備していると想定されますが、それでもベニア板のように簡単に撃ち抜いていて、帝国軍兵士にダメージを与え戦闘不能に陥れています。
このことから、一般の自衛隊員が携行する64式7.62mm小銃ですら、この異世界においては十分すぎる殺傷能力を有しています。
GATE ではどうして 64式7.62mm小銃 を使用するのか?
第3話で魔導師「レレイ」が暴れ馬に襲われそうな所を桑原陸曹長が、64式7.62mm小銃で興奮して暴れている馬を銃撃で仕留めるシーンが有ります。
このとき、興奮して暴れている馬は、数発の銃撃で馬の行動を完全に静止され「レレイ」を危機から守ります。
特地に派遣された自衛隊員が、旧式の64式7.62mm小銃を携行する理由がここにあります。つまり、相手の行動を完全に静止させるだけのストッピングパワーを必要としているからだと考えることができます。
現行の89式小銃は5.56mmNATO弾を使用していて、64式7.62mm小銃は7.62mmNATO弾を使用します。単純に、64式7.62mm小銃のほうが「弾が大きい」訳で、いわゆるストッピングパワーが大きいのです。
小口径の現行配備中の89式小銃ではなく、旧式の64式7.62mm小銃を特地派遣の自衛隊員に携行させるのは、相手の行動を完全に中断させる能力が求められているからではないかと考えています。
強靭な敵や得体の知れない敵と交戦する場合は、小口径の89式小銃よりも口径の大きい旧式の64式7.62mm小銃のほが、より向いているとの判断なのかもしれませんね。
ちなみにですが、帝都強襲の際には89式小銃を携行している自衛隊員が大勢登場します。先遣隊とは別の部隊の増派もあったとも想像できますが、帝都での戦闘は人間種との戦闘が主に想定されるので、小口径の89式小銃で十分な効果と判断されたかもしれません。ここは人道的に最小限の火力で!というのが自衛隊のモットーですから。
えっ、本物の小火器類が見てみたい?
本来、日本国内では散弾銃やライフルなど、銃器類の購入や所持は国家公安委員会の許可が必要です。許可なく所持する事は違法行為で許されませんし、ましてや対人用の設計された軍用銃などは、個人だと触るチャンスもほんとど無い!といっても過言ではありません。
「でも、本物を見てみたいのねん。」
はい。実はそれは可能なんですね。場合によっては触ったりする事もできますよ。もちろん合法です。その方法とは、
日本各地にある自衛隊駐屯地の基地祭へ行くことです。
駐屯地の創立記念日などでは、基地開放を催している駐屯地も多く、広報イベントとして自衛隊装備品の展示が行われています。その中では、一般人の私達でも。ここで紹介した64式7.62mm小銃や89式小銃はもちろん、戦車やヘリコプター、護衛艦にだって乗れてしまうイベントもあります。
自衛隊のイベントで本物に触れてみると、GATEで細部まで作り込まれた製作者さん達の意気込みが伝わってきますよ。
文章:kyouei-エムユー
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