前回の ヴァイオレット・エヴァーガーデン は、反和平派の活動が活発化するクトリガル国メナス基地。そこで戦闘で命を落としたエイダン・フィールドのストーリーでした。
エイダンの死を伝えるヴァイオレットに対して、母親の「息子をかえしてくれてありがとう」のセリフが胸に突き刺さる回でしたね。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第十二話のあらすじ
大陸全土が和平への機運が高まる中、和平交渉の為の特使が派遣される事が決まった。しかし、和平反対派の一部の部隊は今だ健在で、和平交渉の妨害を画策していた。そんな状況の中、軍中枢部は戦死したギルベルト少佐の兄であるディートフリート・ブーゲンビリア海軍大佐に、和平特使一行の護衛任務が下る。
和平特使一行と、CH郵便社のカトレア、そしてベネディクトは、一路和平交渉の為にガルダリクへ向かうことになった。
CH郵便社のみなさん出番少なくないですか?
今回はCH郵便社のカトレア、ベネディクトが登場しました。ベネディクトなんて、名前忘れちゃってたよ!ってぐらい、喋ってるところを久しぶりに見た気がします。
全体的に ヴァイオレット・エヴァーガーデン の中ではCH郵便社のみなさんの出番が少ないですよね。アイリスとエリカはエピソードがありましたが、カトレアやベネディクトは個別のエピソードはありませんでした、よね?
個性的で魅力的なキャラクターがたくさんいるのに、もったいないですね。Blu-rayが発売される際に、CH郵便社のキャラエピソードなんかが特典追加されていたりして。なんちて。
メルクロフ准将がちょっとチープな件
和平に反対する武将集団を引きているのがメルクロフ准将。ギルベルト少佐が戦死したインテンス攻防戦の際にも、要塞の防衛司令官レベルで参加している事を見ると、軍の中でもかなり中枢にちかい人間だったと想像されます。
しかし、このメルクロフ准将。なんかジョボいんです。
和平に反対、これはいい。戦争を望む、仕事柄いい。列車を襲う、これも仕事柄いい。
強いとはいえ武器を持たないヴァイオレットを殺害しようとする・・・これもヴァイオレットが何者であるかを知っているメルクロフ准将であれば、武器である彼女を殺害するのは是とします。
筆者は、列車の上で大勢の兵士に抑え込まれて抵抗しないヴァイオレットに対して、銃ではなく刃物をもって殺害しようとするところ、ペンダントを「大切なものか?」と問いかけるメルクロフ准将のサディストな内面に嫌悪感を強く感じました。あまつさえ、
「おまえ達に踏みにじられたものを、人を、取り返すためだ」
「おまえの中で戦争は終わっているのか?」
とかなんとかいっちゃって、責任転嫁全開でした。戦争の責任を、戦争に負けた責任を、そして自分が不遇である責任を、すべて自分以外の何かに転嫁してしまう・・・・多くの兵士の命を預かる立場の人間にはなってはいけないナンバーワンです。
正義でもない、悪でもいたくない。されたから仕返しているだけ。極めてショボくペラペラな感じがよく出ていました。まさに敵役としては最高でしたが。
ディートフリート大佐、おまえは一体・・・
先程のメルクロフ准将に対して対照的なのが、ギルベルト少佐の兄であるディートフリート・ブーゲンビリア海軍大佐です。大佐は事あるごとに、ヴァイオレットを毛嫌いしています。ギルベルトに引き合わせた時から、ヴァイオレットを道具扱いし、人間としてではなく、武器として扱っていました。ヴァイオレットに対する扱いでは、この兄弟の間では意見の食い違いが関係性の悪化に繋がっているいるシーンも見受けられます。
筆者の中では、ディートフリート・ブーゲンビリア海軍大佐は、根っからのサディスト美男子!でした。
しかし、今話をよく見てみると、少し違う印象を受けています。まず、弟の死に対して、ヴァイオレットに感情を抑えきれないシーンがありました。列車の屋根でのシーンがそれです。
「俺の弟ギルは、そんな奴を守ろうとしたのか!」
「殺せない戦闘人形など、ただの足手まといでしかない!」
「だからギルベルトも守れなかったんだ!」
ヴァイオレットにとっては残酷な言葉ですが、ディートフリートもまた、ヴァイオレットと変わらない心の傷を負っています。その上でのこれらのセリフだったのでしょう。そのあたりから筆者は「あれ?大佐ってただのサディストじゃないの?」と疑念を持ち始めました。
思い起こせば、「人殺しが手紙を書くのか?」とか「感情があるのか」的な、ヴァイオレットを人間と見ない言動が続いていましたが、今回はなにかが違う・・・。そう、感覚的にはギルベルトの戦死の件について、ディートフリートの元を訪ねたあたりでしょうか?このあたりから、ディートフリートの言動や態度に変化が見てとれるようになっていますね。
そして決定打なのが今話。ヴァイオレットに感情をぶつけるシーンです。銃や戦車などのただの武器には、感情をぶつける事は普通はありませんよね。マニアか海兵隊員であれば別ですが。
そして、最期のシーンです。残った敵兵がヴァイオレットに銃の照準を合わせたとき、ディートフリートはヴァイオレットの飛び出すと「盾」になっていました。先程まで「おまえなんて、死んでしまえ!」とヴァイオレットを罵っていたディートフリートが、ヴァイオレットの盾となり、彼女を守っている!。
ははん、大佐。そういうことか・・・
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第十二話の感想
ちょっともったいぶった書き方をしてしまいましたが、筆者的にはディートフリート大佐の印象が今回でグンンとランクアップしています。いままではただの「美男子サディスト大佐」でしたから。
そもそもギルベルトにヴァイオレットを武器として与えた事にも理由がありそうですね。
次週はいよいよ最終回です。このタイムスケジュールだと、ヴァイオレット・エヴァーガーデンは和平会議成立あたりでアニメは終わってしまいそうです。アニメが終わったら、アニメ終了まで我慢していたヴァイオレット・エヴァーガーデンの原作を読んでみる予定です。