「照れたら負けの全力青春バトル!」このキャッチフレーズとともに毎週感想コラムを書いてきましたが、いよいよ今回で最後ですね。ついに『 からかい上手の高木さん 』も最終話を迎えました。これまで、ことごとく西片(CV:梶裕貴)がからかわれてきましたが、第12話はどうなったのでしょうか。
さっそく見てゆきましょう!
手紙ブーム到来!なんとも中学生らしい
西片が所属しているクラスでは、女子たちのあいだで手紙のやり取りをするのが流行っていましたね。ミナ(CV:小原好美)がサナエ(CV:小倉唯)に手紙を渡しているシーンがありました。あのシーンのミナはかわいかったですね。
さて、そんなブームの最中、西片にも手紙が届いていましたね。教科書のあいだにハートマークがあしらわれている手紙がはさまっていました。それを見つけたときの西片の反応が面白かったですね。一旦教科書を閉じて空を見上げる。完全に現実逃避でしたね。
しかし、目の前には謎の手紙があります。差出人は定かではありませんが、大方想像はつきますよね。そうです、高木さん(CV:高橋李依)です。西片も高木さんのいたずらだと考えました。高木さんに手紙について問おうとしたそのとき、西片は気づいてしまいます。
「もし、手紙の差出人が高木さんじゃなかったら…」
差出人が高木さんじゃなかった場合、西片は非常に恥ずかしい質問を高木さんにしてしまうことになります。それをダシにしてまたからかわれてしまうのではないか、そう考えた西片は高木さんに問うのをためらいます。
どこかためらいがちな様子の西片を見て、「なんかごまかしてる?」と聞く高木さん。高木さんの猛追が西片を襲います。これはいつも通りからかわれる流れですね。今日も2人の日常が繰り広げられていました。
ちなみに、手紙の差出人は高木さんでした。西片が深読みをしてためらうところまで想定していた高木さんに感服しますね。あの子本当にすごいですわ…
出会いの物語 ~入学式~
今回は少し過去の話が出てきましたね。高木さんと西片が出会ったときのエピソードです。2人が今のような関係性になる前なので、西片がからかわれるといったシーンはありませんでした。
ただ、今の2人の関係、つまり「からかい・からかわれる関係」のルーツとなっているようなやり取りはありましたね。西片が入学式の日にとったある行動が2人をつなぐきっかけとなったんですね。そのやり取りで西片が見せたリアクションが高木さんのツボにはまってしまったようです。普段からからかわれている西片を見ていればわかりますが、彼のリアクションは最高ですからね。そりゃあ高木さんもハマってしまうわけです。
エピソードの具体的内容は本編を見て確認してもらいたいので、ここでは割愛させていただきます。ホントみんな見て!
悲しげな高木さんを気にする西片
第12話の最後のお話、とても素晴らしかったですね。サブタイトルは「席替え」です。話の内容はサブタイトルの通り、クラスで行なわれる席替えに関するものでした。みなさんも学生時代に席替えをした経験があると思います。
突然ですが、これまでに見てきた西片と高木さんのやり取りを思い出してください。そのやり取りは主にどこで、どんな場面で行なわれてきたでしょうか?下校中や休みの日にも2人のやり取りは行なわれていましたが、学生である2人の主なやり取りの場といえばどこでしょうか?
それは教室です。
この作品で主に描かれているシーンは教室なんです。それも授業中の教室です。授業中という普段よりも緊張した場面で西片がからかわれる、それが高木さんと西片のやり取りの根幹にあるものだと思います。
さて、これを踏まえたうえで席替えを考えてみてください。席替えをするとどうなるでしょう。高木さんと西片の座席が離れてしまうかもしれませんよね。2人の席が離れてしまうとどうなるでしょう。授業中にからかうことができなくなってしまいます。これはマズいですね!
席替えを前にした高木さんはいつもより明らかに落ち込んでいるように見えましたね。西片がその様子に違和感を覚えるくらいには悲しそうだったので、その心中はかなりどんよりとしていたのではないでしょうか?
席替えの結果、西片は一番後ろの席、高木さんは教卓の前とかなり離れてしまいました。一番前の席に座る高木さんの背中はどこか物悲しそうでした。なんだかもやもやする西片。席が離れてしまった高木さんのことが気になります。
そんな高木さんを想ってなのか、西片はとある行動を取ります。その行動そのものは失敗するのですが、いろいろあって西片と高木さんは再び隣同士になることができます。そのときの高木さんはとてもうれしそうでしたね。それこそ、少し前までの悲しげな雰囲気は吹き飛んでいました。
2人をつなぐキーアイテム
今回は高木さんと西片をつないでいたキーアイテムが登場しましたね。それは「高木さんのハンカチ」です。第6話の「水道」で西片のけがの手当てをするときにも出てきたハンカチですね。けがの手当ての際に借りてそのままになっていたようです。高木さんにハンカチを返すタイミングを見計らっている西片がかわいかったですね。
席替えのあれやこれやの末に、高木さんにハンカチを返したのですが、そのときの西片のセリフがすさまじかったですね。
「いや…いろいろ。ハンカチを返せた事とか…席がまた、隣のこととか…あ、いや!その…いろいろ」
…ッ!これはまあ、前回に続いてなかなかなクリティカルを出してくれましたね。高木さんのうれしそうな顔が隠しきれていないですよ。高木さんからのからかいが少ない代わりに、西片からの強力な一撃が炸裂していました。
そして、そのクリティカルを起こす一因となったハンカチ。このハンカチが2人を引き合わせてくれたんですよね。もう、運命しかないですね。こんな運命、筆者の学生生活にはありませんでしたよ…
ラストシーンもたまらなかったですね。部屋着の高木さんがかわいいのはもちろんですが、それよりもハンカチですよ。西片に返してもらったハンカチを眺める高木さん。そのたたまれているハンカチを何気なく開くと、ハンカチの折り目から折りたたまれた紙切れが出てきました。紙切れを開くと…
「高木さんへ どうもありがとう 西片」
あああああああああああああああああ!!!西片!お前ってやつは本当にやってくれるな!最後の最後に会心の一撃を仕込みやがったよ!
高木さんも枕に顔をうずめて足をパタパタさせていました。あの高木さんが悶えているじゃあないか!というか、悶える高木さんかわいいですね。もっと見たいところですが、今回が最終回なんですよね。悲しいなぁ。
思い出を振り返るED、楽曲は「出逢った頃のように」
そして、EDになったわけですが、最終回ということで特殊EDでしたね。画面左側にこれまでのシーンをハイライト形式で流すといったEDです。アニメの最終回によくあるパターンですね。
ハイライト形式で流されているこれまでのシーンを見ていると、ここまで放送されてきた高木さんと西片のやり取りを思い出しますね。視聴者にとっては「あぁ、あんなシーンもあったね」と振り返ることができるEDなっていました。
ただ、高木さんと西片にとって、あのEDは思い出を追体験できるアルバムのようなものなのではないかと思いました。中学生時代に過ごした青春の日々、そんなかけがえのない日常をスライドショー形式で振り返る。そうなのかもしれないと考えると、なんだか泣きそうになってしまいました。
そんなEDに使われていた楽曲は「出逢った頃のように」です。原曲はEvery Little Thingが1997年にリリースした楽曲ですね。流れ始めてすぐに「あっ!ELTや!」と気づきました。高木さんのスタッフは本当に素晴らしい選曲をしてくれますね。この曲を最終話のEDに持ってくる意味を考えるだけでご飯3杯はいけちゃいそうです。
いや、本当に高木さんの心情を表しているようでイイですよね…
アニメ『 からかい上手の高木さん 』第12話「手紙」「入学式」「席替え」の感想
というわけで、最終話いかがでしたか?高木さんと西片の出会いの物語のような過去の話を交えつつだったので、お話の時間軸が捉えづらかったかもしれません。ただ、あの出来事があったからこそ、今の2人の関係性が生まれているんですよ。そんなエピソードを最終話で見られたことが本当に良かったです。
今回でTVアニメは終わってしまいますが、原作マンガは続いています。さらに、2018年7月に発売される原作マンガ第9巻の特別版には新作OVAが付いてくることになっています。アニメが終わってもまだまだ『からかい上手の高木さん』は盛り上がってゆきそうですね。
とりあえず今は、アニメが全話放送されたことに感謝しつつ、その余韻に浸りましょう。
数々の悶絶とニヤニヤをありがとう!