平成のサザエさんと呼ばれるほど国民に認知された「 ちびまる子ちゃん 」。「 ちびまる子ちゃん 」は静岡県清水市(現 静岡県静岡市清水区)を舞台にし、小学校三年生のまる子と家族、友達とのほのぼのした日常を描く作品です。
そんな「 ちびまる子ちゃん 」ですが、すでに長期間に渡って放送され続け、日本の日曜日の代名詞となっています。大人にも子供にも大人気の「 ちびまる子ちゃん 」、この作品がここまでの不動に地位を築いた理由は、多くの日本人の共感を得たからなのは間違いありません。
そこでこのコラムでは、「 ちびまる子ちゃん 」が多くの共感を得た「共感部分」について、特に「なぜ大人が」に絞って少しお話したいと思います。
主人公まる子や家族とは?少し紹介です。
まる子(さくらももこ)
まる子(さくらももこ)は、マイペースで楽観的。怠け者でお調子者。いつも怒られてばかりいます。お節介で、相手の気持ちにたち、何とか助けようとする世話焼きでお人よしです。
小学三年生ではあるが、年寄臭い言いまわしをするので周りが驚くことがある。
面倒くさがりではあるが、好きなことに対しては非常に好奇心旺盛である。小心者であるのに、見たがりで、お化けが好きだったりするのだが、お化け屋敷で腰を抜かしたりしている。
髪型はおかっぱ。今で言うボブ?になるのでしょうか?散髪の時に髪を切り過ぎ、ショックを受けたりと髪型での話は尽きない。
まる子のお父さん(さくらひろし)
マイペースで面倒くさがりである。大雑把なところがあり、まる子の話を適当に聞き、相手にしないことがある。普段はのんきでダラダラしているが、いざというときには頼りになる一面もある。趣味は、お酒とたばこと釣り。野球観戦。
まる子のお母さん(さくらすみれ)
普段は優しいが、まる子が問題を起こしたり、言うことを聞かない時などは厳しく怒る事がある。しっかり者である。趣味は刺繍。
まる子のお姉さん(さくらさきこ)
まじめで冷静。自分のことは自分でし、しっかりしている。まる子と性格は正反対でよく喧嘩をするが、まる子が困っているときなど相談に乗ったりし良き姉である。
おじいちゃん(さくら友蔵)
まる子を溺愛し、やさしい性格。まる子の一番の理解者です。ぼんやりと毎日を過ごしています。俳句好きで、心の中で密かに詠み、友蔵心の俳句という言葉で完結させている。
おばあちゃん(さくらたけこ)
優しく、おっとりとした性格だが、しっかりした面もある。人生経験の豊富さから、色々なことわざや生活の知恵を教えたりする。
「 ちびまる子ちゃん 」が長く愛され、大人たちが共感するのはなぜか?

日常的で心温まる作品ですが、また「サザエさん」と同じようなジャンルではありますが、「 ちびまる子ちゃん 」は違った要素で日曜の覇者になっています。
それはまず、昭和の時代、特に昭和49年から昭和50年のころだと推測されています。すべてが輝いて見えたこの時代をモチーフにしているからこそ、現在の日本で人口構成的に大多数を占める団塊ジュニア世代の支持を集めているのではないでしょうか?
今のアニメは、社会の閉塞感を反映してか、「シリアス」で「悲しい」などの、「苦難の先に・・・」といったストーリーが多いですよね。苦難の先には光がある場合もありますが、最近の傾向としては「苦難の先に不幸」といった展開も少なくありません。そんな中で、昭和49年から昭和50年という時代は、すべてが未完成で、だれもが未来に夢を抱けた時代であったと言えます。すくなくとも、2018年の完成されつつある今よりは・・・。
そういった団塊ジュニア世代のノスタルジーな哀愁こそが、当時を皮肉ったり、そんなことあったな、そんな風に考えていたな、などの「懐かしさ」こそが、「 ちびまる子ちゃん 」へ大人が共感する要因ではないでしょうか。
もちろん、ストーリーの面白さやクセのあるキャラクターなど、多くの人々に支持される要因はたくさんあります。しかし、その中にでも、ノスタルジックで懐古主義な要素こそが、この「 ちびまる子ちゃん 」の長期間に渡る静かなブームの要因だと筆者は考えています。
日曜の夜になると、自然とチャンネルが「ちびまる子ちゃん」になってしまう。多くのご家庭では日曜日の常識となっているのではないでしょうか?なんだか無意識のうちに「ちびまる子ちゃん」を見てしまっていますよね。
さあ!今週の日曜日も、しばしの閉塞感を忘れて一緒に「 ちびまる子ちゃん 」を見ませんか?
文章:kyouei-あにこ