GATE での2つの 9mm拳銃 活躍シーン!端役から名脇役へ!

あにぶ読者の皆様に広く読んで頂いている「 GATE  (ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 」の兵器シリーズコラム。4回目となった今回は少し小さな主人公をご紹介させていただきたいと思います。それは、主人公・伊丹が所持する「 9mm拳銃 」が今回のコラムの主人公です。

戦争映画では、戦車や戦闘機、機関銃等の絵柄的に派手な兵器の出番が中心となってしまい、兵士が携帯している拳銃の出番などはほとんどありません。出番があったとしても、白兵戦のシーンや自分の頭を撃ち抜くシーンくらいで、ほんの「チラリ」の登場が多かったりします。

戦争映画でもこんなに拳銃の出番が少ないのですがら、アニメにおける拳銃の描写などは、出番が少ないばかりか、拳銃が描かれていてもデティールを省略されていたりと、アニメ界においても拳銃の描写は省略されがちです。

しかし、しかしッ!そんな省略されがちな拳銃でも、細部まできちんと描ききってくれるのが、我らが「GATE」なのです。他の軍隊や戦闘系アニメの中でも拳銃の出番が多く、活躍もしています。

自衛隊の 9mm拳銃 とは?

前回の GATE に登場する 伊丹二尉率いる第3偵察隊の小火器たち【アニメ豆知識】でも9mm拳銃については少し紹介しているので、ざっくりとご紹介します。

GATEで登場する9mm拳銃は、現在の自衛隊で採用されている拳銃です。ベースはドイツのザウエル&ゾーン社が開発したSIG SAUER P220を元に、新中央工業(現ミネベアミツミ)がライセンス生産しています。

自衛隊内では普通科の自衛官に配備される事はほとんど見られず、幹部自衛官や戦車。装甲車の車長、対戦車用火器など、特殊な装備を有す自衛官の装備として支給されています。

GATEアニメ中(イタリカ防衛戦)では栗林二曹がこの9mm拳銃を所持していましたが、本来では支給されない装備だと思われます。特地派遣の為の追加装備あるいは、白兵戦バカの為にイタリカ防衛戦時に伊丹隊長から護身用に貸与されたのかもしれませんね。

この9mm拳銃。実物はもちろん一般人では所持する事はできませんが、モデルガンやガスガンでリアルなものが発売されています。

GATE 第6話 |イタリカでの盗賊たちとの戦闘

GATEでの2つの 9mm拳銃 活躍シーン!端役から名脇役へ!
画像引用元:©柳内たくみ・アルファポリス/ゲート製作委員会

GATE第6話では、伊丹達の第三偵察隊がイタリカの街で、盗賊と化した諸王国軍の敗残兵との戦闘を行うシーンがあります。アルヌスの丘を占拠する自衛隊に対し不信感を募らせる帝国皇女のピニャ殿下は、協力を申し出た伊丹率いる第三偵察隊を捨て駒とする為、守りの手薄な南門へ配備します。

伊丹達はピニャ殿下の指示通りに南門に突撃破砕線(最終防衛ライン)を構築しますが、盗賊達は予想に反して東門に兵力を集中して攻め込みます。一点突破を図る野盗集団は兵力を有効に集中させて、東門の突破に成功します。

東門が突破された事に気づいた伊丹達。

真っ先に亜神ロゥリィが駆け付けて行きます。それに続いて伊丹達も、73式小型トラックで東門に急行します。

盗賊達相手に白兵戦の栗林二曹

東門を突破されたピニャ殿下の軍とイタリカの民兵は、防塁を盾にしてかろうじて盗賊の侵入を防いでいる状況。戦闘経験の浅い民兵から、徐々に戦闘不能になっていきます。

そんなギリギリの戦闘の中で、まずはロゥリィ、続いて栗林二曹が先行して到着し、盗賊たちと白兵戦に突入します。

栗林二曹は64式小銃に着剣(小銃の先に長い剣を装着)し、複数の盗賊を小銃で倒す栗林二曹。しかし、盗賊の振り下ろす剣を、小銃で防御してしまいます。があまりにも激しい白兵戦のためか、銃剣が損傷し、折れてしまいます。小銃が撃てない状態になってしまった栗林二曹は、とっさに9mm拳銃を引き抜き応戦します。

この後は、栗林二曹は64式自動小銃ではなく、9mm拳銃で盗賊と交戦を続けています。

GATE 第14話|帝都で奴隷になった日本人女性の発見時

GATEでの2つの9mm拳銃活躍シーン!端役から名脇役へ!
画像引用元:©柳内たくみ・アルファポリス/ゲート製作委員会

GATE第14話では、帝都に捕らわれていた日本人女性を伊丹達が保護するシーンが有ります。鎖で繋がれた日本人女性を開放し、連れて帰ろうとする伊丹に対して、それを妨害しようとするゾルザル(皇帝の第1子)。彼の部下が抜刀した時、伊丹は拳銃のスライド部分を引いて初弾を装填します。

ここのシーンでは「黄銅色に鈍く光る初弾」が装填される所がアップで映し出されています。

日本人を連れ帰る為なら、武力行使も辞さないと言う、自衛官である伊丹の強い決心を表している場面でした。

そして、その行動から栗林二曹も伊丹の決意を感じ、小銃に銃剣を付け戦闘態勢を取ったのだと思います。このシーンこそが、端役であるはずの拳銃が脇役としての存在感を出している一番良いシーンです。

小さな「動き」にもこだわる GATE 制作陣は凄い!

皇城での伊丹の9mm拳銃の初段装填の描写には、筆者はとても感動しています。ほとんどの視聴者はスルーしてしまうところだと思いますが、きちっと書き込まれていたのはさすがです。

拳銃の上部からちょこっと見える弾頭が、こんなにも強いメッセージを持っているなんて・・・。日本人を救出というシチュエーションも相まって、身震いする程感動しました。

前項では「連れて帰る強い決心」とか書いていますが、このあと栗林ちゃんは帝国軍兵士に対して小銃を発砲しちゃってます。見たところ腹部に銃撃を受けているので、現在医学レベルの救命処置がなければアウトだと思いますが・・・

本当にちょっとした「動き」なので、省いてしまってもストーリーにはなんら影響は無いとは思います。しかしあえての「装填」という動きを再現して「決意」を表すシーンを作ってしまう・・・そんなGATEの製作者サイドに改めて惚れ直しています。

文章:kyouei-エムユー

GATE に登場する 伊丹二尉率いる第3偵察隊の小火器たち【アニメ豆知識】

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