熱血アニメ列伝その34 超電動パァァァンチ!!『 超電動ロボ 鉄人28号FX 』

熱血アニメ列伝その34 超電動パァァァンチ!!『 超電動ロボ 鉄人28号FX 』

ようやく寒い冬が終わって、暖かい春がやってきた……!ビバ!春!(幸いこのコラムの筆者あすかさんは、花粉症ほどんどないので)とか思ってたら、春通り越して夏の暑さが続いてるでござる、おろろん。な今日この頃皆様いかがお過ごしでしょうか?

一月お休みしての、『熱血アニメ列伝』。今回は、以前書いた『プロゴルファー猿』のコラムの後に書こうと思っていてものの、マジンガーINFINTYとYOI、旬な作品二つを優先させた為にこのタイミングでの執筆となったとある作品がありまして。

それは近年も再アニメ化や実写化などしている巨大ロボットアニメの元祖『鉄人28号』の複数あるアニメ作品の1つ、1992年に放送されていた『超電動ロボ 鉄人28号FX』です!

さあ、いつものようにまずはあらすじから。鉄人あらすじだ!ぴぽぽぽぱぽぱ。ぴしゅーん☆(グリットランサーで鉄人にあらすじを紹介するように命令を送った音)

ヒーローはどこからともなくやってくる!『 超電動ロボ 鉄人28号FX 』のあらすじ

熱血アニメ列伝その34 超電動パァァァンチ!!『 超電動ロボ 鉄人28号FX 』

「21世紀……ロボット工学は飛躍的な進歩を遂げた。

悪のゾーン総統はこれを利用し、巨大ロボットを使って人類に宣戦布告をしたのである。

だが!正義を守る伝説のヒーローが、今ここに立ち上がった。

超電動システムを組み込まれたスーパーロボット。

その名は鉄人28号FX!

The Iron Hero 28 future-X!超電動パワーオン!」(OPアバンナレーションより)

時に2002年、このナレーション通りの状況の中、かつて「鉄人28号」を駆使して悪を倒して、その名を馳せている「金田正太郎(かねだしょうたろう)」は、既に中年となっています。

正太郎の正統な後継者たる者を探す為に行われた「ワールドロボットコンテスト」が開催されているところを、OPアバンナレーションにも語られている、ゾーン総統率いる「ネオ・ブラック団」が襲撃。

場内が混乱する中、「新鉄人計画」に基づき制作された一連のロボットとその操縦者達(=各国のヒーロー、という扱い)の1つ、アメリカの少年「マイケル・ジャスティス」が駆る「鉄人18号アイアン・イーグル」が、敵の幹部「デビル火刀」に奪われます。

場内には、金田正太郎と旧鉄人がその場にいて、人々を襲うアイアン・イーグルを何とか止めようとするものの、やはりいかんせん超が付くほどの旧型機である鉄人28号は、劣勢に立たされます。

このアニメの主人公チーム「金田探偵事務所」のメンバーの一人「光瀬双葉」が「誰か助けにきて……!」と願い、正太郎が「こういうピンチの時こそ必ず新しいヒーローが現れるものなんだ……!」と心に思い浮かべたその時!

バイクに乗った、一人の謎の人物が光線銃型操縦機「グリッドランサー」を使って呼び出したそのロボットこそ!「鉄人28号FX」!このアニメの主人公ロボットです。

その謎の人物は「アイアン・イーグル」を、鉄人28号FXの圧倒的なパワーでダメージを与え、奪い返したことで、デビル火刀たちは撤退していきます。

その謎の人物こそ、「金田正人(かねだまさと)」。1年間行方不明とされていた正太郎とその妻陽子の息子その人でした。

「ヒーローはどこからともなくやってくる!」と宣言するこの少年こそ、この作品の主人公であり、この作品の中で一番の「ヒーロー」なのでした。

そんな正人と、そのパートナーである巨大ロボット「鉄人28号FX」はネオブラック団と激しい戦いがここに始まります。

正人はヒーローとして、世界を守れるのか?

どんなに敵が強力な武器を装備していても!徒手空拳を貫く鉄人28号FXが熱い!

熱血アニメ列伝その34 超電動パァァァンチ!!『 超電動ロボ 鉄人28号FX 』

『 超電動ロボ 鉄人28号FX 』のあらすじ、いかがだったでしょうか?

この作品の熱さを語る前に、少し今回の作品の原初の作品ともいうべき『鉄人28号』についての基礎知識的な事から、先に説明していきます。

『鉄人28号』は、漫画家横山光輝さんの漫画原作があり、日本の初期巨大ロボット物作品の1つ、といういわば存在自体が伝説と言えるものです。

この作品がなかったら、『マジンガーZ』などに続く、「巨大ロボット物」というジャンルは、ここまで発展しなかったでしょう。実際マジンガーの原作者永井豪先生も「自分は鉄人に多大な影響を受けた」事をインタビューなどでも公言しているようです。

元々の旧『鉄人28号』は、戦時中に秘かに作られていた秘密巨大ロボット兵器「鉄人28号」が戦後の日本において、悪党を倒すために活躍する、と言った作品でした。

鉄人はリモコンによる操縦方法の為に、そのリモコンが悪人に奪われた場合は、そのまま大いなる脅威となるという設定で、そのリモコン争奪戦による鉄人が善悪どちらの味方にもなりうる、というストーリー展開に心惹かれた方も大勢いたでしょう。

この漫画原作を元に、白黒テレビの時代に実写ドラマ化、更にアニメシリーズ(こちらも白黒作品)が作られました。

更に、後に『太陽の使者 鉄人28号』と呼ばれる(放送当時は単に『鉄人28号』の表記。が、旧作品と区別させる為に、『太陽の使者』という名称が後に付随されるように)作品が原作のリメイク版として80年代に作成されています。

しかし、今回の『超電動ロボ 鉄人28号FX』は、なんと!「旧原作版の続編」という位置づけで作品が作られています。

なので、主人公正人の父、正太郎は中年の男性として描かれていますし、作品中に正太郎が過去に倒した敵が復活して正太郎や正人に立ちはだかる、という展開もいくつかありました。

そんな『超電動ロボ 鉄人28号FX』は、旧原作の魂的な部分をかなり踏襲しているところがある作品です。

旧原作でも敵側の様々なロボットが破壊兵器を内臓したりしている中、その身の頑強さと怪力、ロケットによる運動性能、更に操縦者の正太郎の知恵と勇気で戦局を乗り切る、と言った展開がありました。

それは、このアニメでも受け継がれています。

熱血アニメ列伝その34 超電動パァァァンチ!!『 超電動ロボ 鉄人28号FX 』

作品の中盤、ネオ・ブラック団との決戦を前に、ライバルロボット「ブラックオックス」が味方になった事で、正人は正太郎とその妻であり正人の母である陽子(鉄人28号FXの開発者)に「鉄人にも武器をつけてくれ!」と懇願します。

が、正太郎は「鉄人28号に武器は必要ない」とこれを一蹴。正人は、この答えを戦いの最中に見つけ出します。

その答えは実際に22話の「ネオブラック団をつぶせ!」の中で見てもらうとして。実際にこの後の最終回までの戦いで、鉄人28号FXはその身に一切武器などをつけずに、徒手空拳で敵ロボット達と渡り合います。

ただ、鉄人28号FXには、旧鉄人にはない、超兵器的なとあるシステムが組み込まれています。

それがこの番組のタイトルにもなっている「超電動システム」です。

「超電動システム」とは、機体のエネルギーを任意の一箇所に集中させる事で、爆発的にその威力をあげて攻撃に転じさせる装置です。

今回のコラムタイトルにもある「超電動パンチ」の場合は、鉄人の拳部分にエネルギーを集中させた状態で、敵を殴り、その超絶的な攻撃力で相手を破壊するパンチです。

その他にも、当然「超電動キック」や「超電動ボディアタック」。変化球的には「超電動空手チョップ」なんてのもありました。

敵がいかなる攻撃力の高い武器を持ってきても、その超電動システムによる肉弾戦だけで相手を倒す、鉄人28号FXの勇姿に、胸を熱くさせる人もたくさんいる事でしょう。

急にこのコラムを書いていて思い出した事ですが。

そう言えば、この超電動システムによる格闘戦って、ちょっと『HUNTER×HUNTER』の念能力による(特に強化系の)念をまとった各種攻撃に似ているな、と思いました。

『HUNTER×HUNTER』の主人公ゴンが放つ必殺のパンチは、体中のオーラを一点に集めて、己がパンチの破壊力を飛躍的にあげるというもので、鉄人28号FXの超電動パンチにもやはり似ていると思います。

と、言うか『超電動ロボ 鉄人28号FX』を一度も見た事のない方には、このハンハンの強化系の念能力を主役ロボットが使っている、と思えばイメージがあるいはしやすいかもしれませんね。

「ロボットを操縦する人間」=「ヒーロー」の定義はかなり珍しい!

熱血アニメ列伝その34 超電動パァァァンチ!!『 超電動ロボ 鉄人28号FX 』

『超電動ロボ 鉄人28号FX』の熱血ポイント、いかがだったでしょうか?

このアニメ、かなり色々語る点が多く(個人的な思いいれも多いのですが)、その辺の取捨選択は今回の執筆で悩んだ部分の1つなのですが。

1つ、後のアニメでもあまり取り入れられていない要素があります。

それはこのアニメの中では「ロボット&ロボットの操縦者」がセットで「ヒーロー」という扱いを受けている事です。

そして、これは作中の台詞で、これでもか、と何回も言われているぐらい、作品の中の強いアピールポイントでもあります。

そもそも、旧作の主人公でもある正太郎が「伝説のヒーロー」扱いです。

その伝説を受け継ぐという形で、主人公の正人や、ブラックオックスのパイロットとなる三郎が悪と戦い、「ヒーロー」として成長していくのが、この作品の主軸となっている部分でもあります。

ロボットアニメ作品は数多くありますが、この「ヒーロー」という概念を前面に押し出しているロボットアニメというのは、この作品以外でほとんど見た事ありません。

この点だけでも、『超電動ロボ 鉄人28号FX』が、他に例のない稀有なロボットアニメ作品と言っても過言ではないと思います。

後期ED曲の「GET YOUR DREAM」はロボットアニメEDの中でも神曲の一つ!

この作品を語りたいポイントは、本当に多くて、例えば。

・ブラックオックスの操縦者「夏樹三郎」は、声を担当しているのが「草尾毅」さんで、かつなかなか二枚目なキャラクターデザインである為に、主人公正人よりもむっちゃヒーロー感が強かったり

・声優ネタ的には、「小桜エツ子」さんの初期の代表作の1つがこの作品で。後の『妖怪ウォッチ』の「ジバニャン」のブレイクぶりなどを見ていると、毎回筆者的には、この『超電動ロボ 鉄人28号FX』を思い出してしまう

・前半の展開は「ネオ・ブラック団」との戦いの連続したストーリーだったが、後半は様々な犯罪者と戦う1話完結的な構成に。
 その後半部分で美少年の超能力者役で「林原めぐみ」さんがゲスト声優で出演。当時既にかなり人気の声優さんだった彼女が敵役のゲストキャラって、凄く珍しい印象を持ったり

等々、小ネタ的なところをあげればキリがないぐらい。

そもそも、この作品を『プロゴルファー猿』の後に当コラムで扱おうと思ったのは、作画監督が「本橋秀之」さんで一緒、という点の為でした。

90年代の初期の作品ながら、本橋さんがかなりの話数を作画監督を担当している為、今見ても作画レベルむちゃくちゃ高いのですよ。

しかし、そんな色々な注目ポイントの多い本作品にあって、個人的に声を大にしたい点は「後期EDテーマの『GET YOUR DREAM』が本気でロボットアニメ史に残る神曲である!」という事です。

シンガーは清水咲斗子さんで『天空戦記シュラト』などの主題歌が有名な方ですが。彼女の歌唱した曲の中でも、一番好きな曲かもしれません。

今回もこのコラムを書くにあたって、かなりこのED曲を聞きこんで、改めてその素晴らしさに感動しながらこのコラムを書くテンションをあげている筆者でした。

この作品を見る方法は、大きなDVDレンタル屋さんであれば運が良ければレンタルされている可能性があります。

しかし、より簡単に誰でも見られる方法があります。現在(2018年4月末)、無料動画配信サービスサイト「GYAO!」で配信がされているのです!

現時点では25話まで(一部配信が終わってる話もありますが)無料で何話か見られるので、このコラムで興味を持った方は是非一度1話だけでも見て欲しいところです。

さあ!見るんだ!皆!!鉄人28号FXを!!ぴぽぽぽぱぽぱ。ぴしゅーん☆(再びグリットランサーでこのコラムを読んでいる皆さんに「お願い」を送った音)

熱血アニメ列伝 はまだまだ不定期更新中! 各列伝も是非チェックして下さい!

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