アニメ・ゲーム関連の記事やコメントで経験値泥棒と言われる「飛影(とびかげ)」という名前を見たことはありませんか? 今回はこの飛影とは如何なる者かを解説したいと思います。なお、幽遊白書の「飛影(ひえい)」とは無関係です。
忍者戦士 飛影
忍者戦士 飛影とは1985年から全43話で放送されたロボットアニメです。ややマイナーな印象だったこの作品はスーパーロボット大戦に参戦し、前述のとおり経験値泥棒として大きな知名度を獲得しました。
経験値泥棒となった理由
スーパーロボット大戦は味方・敵のターン制でバトルが行われるゲームです。カードゲームで例えると分かりやすいでしょうか。手持ちのカードで1ターンに1度の戦闘を行い、敵を倒して経験値や資金を得ることでプレイヤーの手持ちカードをパワーアップさせていきます。
しかしこの忍者型ロボット、飛影はいわゆるNPC(ノンプレイヤーキャラクター)であり、カードゲームで例え続けるならいきなり第三者が現れて敵に向かってバトルを仕掛けます。あろうことかこの飛影は驚異的に性能が高く、自分の攻撃を当てつつ敵の攻撃は全て回避、そして極めつけは1ターンに2度の戦闘を行うため敵陣をあっという間に壊滅させてしまうのです。
これはプレイヤー側にとって救済措置とも取れるように感じますが、問題点として飛影は常に現れてくれるわけではなく、よりにもよって難しいステージに限って出てこないといった事態が発生します。そのステージに備えて経験値と資金を得ようにも既に飛影に奪われてしまったことによって難易度が更に上がってしまうのです。そしてスーパーロボット大戦には「あるキャラクターで敵を説得すれば仲間にできる」「敵に人質を取られているため撃墜をせず、HPを○○%以下にする必要がある」といった要素があり、それらを問答無用で無視し飛影は撃墜する(もちろん後者はゲームオーバーになります)ので、多くのプレイヤーにトラウマを植えつける結果となりました。
なお、この飛影も終盤では操作可能な味方となります。その際に機体性能がフル改造されているため非常に強力な状態で使用ができ、この改造資金については横取りしたもので改造したのだとプレイヤーからは囁かれております。
実は原作再現の強さ!
この飛影、決して製作者側のお気に入りから強力な機体になったのではなく、ある種の原作再現とも言える性能なのです。
味方側の軍を無視し、無言で黙々と敵の艦隊をたった1機で殲滅させる姿を視聴すれば「もう全部あいつ1人でいいんじゃないかな」と呟かずにはいられないでしょう。
かっこいい経験値泥棒
とにかく強く、単機でなんとかしてくれる姿は憎まれつつも格好いいものです。忍者型のロボットとしてのデザインの素晴らしさはもちろん、専用BGM「飛影見参!」も非常に印象的で耳に残りますし、スーパーロボット大戦での攻撃エフェクトはどの作品であっても気合が入っています。
まさにロボット忍者!と言うべき格好良さでしょう。武装にマキビシランチャーという武器があるのですが、敵の”頭上”から無数のマキビシを撒き散らして殲滅させるのはこの飛影くらいではないでしょうか。
文章:kyouei-amagasaki1200