今回の「 ばくおん! !」コラムは、「 三ノ輪聖 」とサイドカー「 DUCATI750SSイモラレプリカ 」そして「スーパーカブ」についてお話ししたいと思います。
「 三ノ輪聖 」が同乗するするサイドカー「 DUCATI750SSイモラレプリカ 」とは
「 ばくおん!! 」第2話「がっこう!!」で、「 三ノ輪聖 」(みのわ ひじり)が登場します。「聖」は誕生日の関係で免許が取れない為、執事の「早川」が運転するサイドカーに同乗します。
おそらく、「三ノ輪」三輪ですよね、だからサイドカー(三輪車)と設定したのだと思います。(サイドカーから三ノ輪にしたのかもしれませんが?)その、サイドカーを取り付けたバイクが、「 DUCATI750SSイモラレプリカ 」と呼ばれるバイクです。
“DUCAT”(ドゥカティ)と言う“イタリア”のバイクメーカーが作った排気量が750ccのバイクです。
1972年にイモラサーキットで優勝したバイクをモチーフとしたので、イモラレプリカと呼ばれるようです。1973年に少量が生産されたようですから、かなり貴重なバイクですね。
その貴重なバイクを川にダイブさせるシーンが第2話に有るのですが、バイク好きの筆者は、思わず“もったいない!”と思ってしまいました。.

クリスマス前の部室に5人が揃って...
第8話「ふゆやすみ!!」で、クリスマスの飾り付けをした部室に、「羽音」「恩紗」「凜」「来夢先輩」「聖」の5人が揃います。「恩紗」は「聖」に、
「クリスマスと言えば聖の誕生日もそのへんだったよな、当然免許取るんだろう」
と話しかけます。すると「聖」は「それならもう持ってますわ」と免許証を出します。この免許書は、海外で取得した国際免許を日本国内で書き換えて運転免許として登録したものでした。
どうやらこの免許、東南アジアの「お金で免許を発行してもらえる国」の運転ライセンスのようです。
まんじりとしない「恩紗」は、「聖」に信号の黄色の意味を質問します。しかし、日本の道交法をきちんと学んでいない「聖」は、思いっきりピントハズレな答えを返します。それを聞いた瞬間、
「国が許しても私が許さん!」
と、「恩紗」は「聖」の免許証を切り刻んでしまいます。そして
「学校が終わってないってことは実際に乗ったこと無いんだろう」
「とりあえず教習まえになれておいたほうが良いよな」
と話し、「凜」が「学校の敷地内で練習すればいいんじゃない」と言います。ストーリーは「聖」が、バイクに乗る練習をする展開へと進んで行きます。
「スーパーカブ」と「三ノ輪聖」

第8話「ふゆやすみ!!」で、「聖」が部室前でニコイチモータースから買い取った「スーパーカブ」でバイクに乗る練習を始めます。
しかし、自転車にも乗れない「聖」は階段から駆け落ちて転倒する等、一向に上達しません。ついにキレた「聖」は特大ハンマーを持ち出して「スーパーカブ」をボコボコにします。
「羽音」が止めようとしますが、執事の「早川」が制止して「スーパーカブ」が、いかに丈夫なバイクかを説明します。
そして「聖」は壊れた事を確認する為、エンジンをかけるのですが、予想に反してエンジンは始動します。
傷ついてもなお、始動するエンジンに感動した「聖」は、「なんとしても自分の力でこいつに乗ってみせますわ!」と自力で「スーパーカブ」に乗る事を決意します。
そして、後日「スーパーカブ」に乗った「聖」が通学して来ます。「聖」は筆記試験だけで取れる原付免許(50cc以下のバイクが運転可能)を取ったと話します。しかしワルに憧れを抱いているせいか、フロントカウルには牛の頭骨をくっつけていました。
そして「聖」のスーパーカブにはもうひとつ大きな特徴がありました。「凜」が
「と言うより目立ち過ぎじゃないあの補助輪」
と言います。なんと「スーパーカブ」に補助輪が付いていると言う“オチ”が付いていたのです。
このあと話しの展開はクリスマスパーティへと進みますが、筆者は、この場面はとても“大事な場面”だと思っています。
何故なら、筆者のバイク歴も初めは原付免許からスタートしました。そして、50cc→125cc→250cc→550cc→750ccと排気量の小さなバイクから大きなバイクへとステップアップして行きました。
「羽音」のように教習所に行き免許を取ってすぐに400ccのバイクに乗るのもアリですが、最初は原付免許を取得し、50ccバイクで交通の流れや車との間合いを掴んでから、大きなバイクへステップアップする事が、安全なバイクライフを送れるのではないかと思っています。
このシーンには、作者のそんな安全に対する思いが、「聖」を通して描かれているように感じました。
「スーパーカブ」は“スゴイ”バイクなんです!

「スーパーカブ」とは本田技研工業株式会社が1958年から生産しているバイクです。2017年には累計生産台数が1億台に成りました。60年間も生産し続けている事だけでも大変な事なのに、1億台です“スゴイ”ですね!
郵便配達、新聞配達、出前等に使われている事が多バイクなので、皆さんもどこかで見かけているはずです。
なぜ、配達や出前に多く使われているのか?それはライバル車より耐久性の高いエンジンを使った為だと思います。
発売当時の1958年は今から60年も前ですね、今より技術力の低い時代です。ライバル車のほとんどは部品の少ない2サイクルエンジンを搭載していました。「スーパーカブ」は給排気バルブが必要な、4サイクルエンジンを搭載しました。2サイクルエンジンより部品が多くなります、そのため生産には手間がかかるでしょう。
しかし、耐久性の高い4サイクルエンジンを選んだ分けです。それが、執事の「早川」が話していたように丈夫なバイクに成った理由だと思います。
ただし、2サイクルエンジンが悪いエンジンと言う分けでは有りません。パワーでは勝っていたのです。(筆者はパワーの有る2サイクルエンジンが好きです!)ただ、配達や出前にはパワーより耐久性が求められたのだと思います。なので、働くバイクとして「スーパーカブ」は、とても良いバイクなんです。
「三ノ輪聖」の「ぶんかさい!!」エピソード

「 ばくおん!! 」第7話「ぶんかさい!!」では「羽音」「恩紗」「凜」「来夢先輩」の4人が文化祭でレースを行なう事に成りました。ただし「来夢先輩」はハンデが有り250ccのスクーターでの参戦です。愛車の「ZX-12R」では1200ccも有るので差が有りすぎて、当然でしょう。
このレースは学校のグラウンドや敷地を利用して行なわれるものですが、コースの途中に、三ノ輪グループが開発した、“上を通るとバイクのエンジンが何故か冷える板”が設置されています。「聖」が三ノ輪グループの社長令嬢と言う立場を利用して作らせたのです。
しかし、「恩紗」は「わけのわからんものに乗り上げられるか!」と言って避けて走ります。「羽音」と「凜」も同じです。
しかし最終ラップでトップを走っていた「来夢先輩」はその板の上を走り、エンジンが氷付いて爆発してしまい、結局最下位に成ると言う“オチ”が付きます。
「聖」の役割としては、文化祭でのレースのように、三ノ輪グループの資金力でわけのわからないトンデモアイテムを作ったりするような、アニメでしか有り得ない行動が「ばくおん!!」のストーリーを面白くしています。
「三ノ輪聖」は「ばくおん!!」の中でもトンデモなお嬢様キャラなんです。
文章:kyouei-エムユー