季節はまた一回り巡る。大木双葉が小日向光と出会い、ダイビングという未体験の門戸を開いてから1年。
これまでの生活だったら出会うことのない人と出会い、することのない経験してきた双葉は、自分で感じている以上の成長をしていました。
そんな1年の集大成であり最終回です。
それでは最終話「いつか、まだ知らない明日のコト」 の感想、考察、etcをやっていきましょう。
『 あまんちゅ!~あどばんす~ 』第12話「いつか、まだ知らない明日のコト」
アドバンスライセンスの取得を目指す挑戦も佳境を迎え、てこは最後の科目に以前は怖くてできなかったナイトダイビングを選ぶ。関係者に見送られ、ぴかりと夜の海に潜っていくてこ。太陽の光がない海中を泳ぎながら、ぴかりとてこはお互いの想いを感じ取る。まるで異世界ファンタジーのような景色も満喫し、二人の思い出に新たな1ページが加わった。
てこが大きな夢を形にして、二人にとって忘れることのできない高校最初の1年は幕を下ろし、そしてまた新しい一年が始まる……。
過去の自分への挑戦
3月。春。1年の節目。出会いと別れ。春濁りが始まり生命の動き出す季節。
アドバンスライセンス取得に向けて順調に試験をクリアしていくてこですが、次なる必修科目である「ディープダイビング」に挑みます。
ディープダイビングは、水深40Mの非常に深い海を潜る実習科目でレジャー目的で潜る限界地点でもありタンクの消費量からわずか10分しか留まれない、危険も伴うダイブでもあります。
そんな過酷な海でも、臆することなくむしろみんなを引っ張って、深海だからこその景色を率先して楽しむてこ。もう引っ込み思案だったてこはすっかりなくなっていました。
水中写真にも挑戦し「ディープダイビング」は無事に終了するのでした。
そして、最後の選択科目で合宿の時に潜ることができなかった「ナイトダイビング」へ挑戦することにしたてこ。これまでのライセンスは絶対に取るんだという想いだったてこですが、今回はアドバンスライセンスをとる!という強い決意というよりは、先生の「未来の自分は変えられる」という言葉を胸に、楽しみで挑戦するというてこの心情の変化も感じられました。
終わることの侘しさ
どんなことにでもいつかくる終わり。楽しいことにも終わりが来ることにどうしても不安に感じているてことぴかり。
1話でもあがった「終わり」という話題に繋がる、二人のこの気持ちに大人である先生とおばあちゃんは「いつかその終わりという不安にどうすればいいかわかる時が来る。ただし立ち止ってはわからない」
子どもの時ってとうぜん知らないことだらけで、いろいろなことを経験するけど、いつかそれが永遠ではないことに気付いてしまうときがくるわけで。
じゃあどうすればよいのか、二人の出した答えはやはり「今を楽しむこと」
ナイトダイビング
いよいよ始まったてこの最後の挑戦「ナイトダイビング」。合宿の時は暗闇の中の海へと入ることに恐怖心を感じ、潜ることのできなかったナイトダイビング。
これまでは吸い込まれそうなくらいの漆黒に躊躇していたてこも、ナイトダイビングという恐怖の先にある「楽しい」を求めて、本当は怖いけどそれ以上のワクワクの気持ちが波のように押し寄せながら暗い海へと入っていきます。
ナイトダイビングの海は、昼間の太陽光によって青みがかっている海とは違い光が届かず、ライトの光だけで照らされる本来の海の色が観ることができます。
ダイバーたちのライトだけが頼りの闇の世界ですが、そこはまるでスポットライトに照らされ、てこの表情から伝わる様々な感情は、決してもう怖いというものではなくすっかりとナイトダイビングを楽しんでいる様子が手に取るように伝わってくる摩訶不思議なファンタジーな世界
それはバディであるぴかりもてこの成長っぷりに驚くほどでした。
ナイトダイビングの仕上げに始まったのは、ライトを消して行う「夜光虫」という発光プランクトンたちの天然イルミネーション。
ダイバーたちの動きにあわせてプランクトンたちが反応し、淡く青く光るその発光現象は昼の海では絶対にみることができない不思議な現象でした。
ナイトダイビングを終えて、全ての科目をクリアしたてこはもうすっかりと楽しみの「達人」になっていました。
卒業式と終業式。1年が経ちてことぴかりはお互いに手紙を出しあいます。そして二人はまたあらたな1年へと歩みだすのでした。
終わることは成長へとつながる
あまんちゅの1期で描いていたのは、てこの楽しいことへの出会いと成長でした。
そして、2期で描かれてたのは楽しいことが終わること、成長して変わっていくことで感じる喪失や寂しさ。
そこから生じる悩みや葛藤を通じて、そんな不安と向き合っていくてことぴかりの絆がさらに深まっていく様子が描かれていきました。
1話では「もし今後、2人が離れてしまうことが来るかもしれない。だから1人でも楽しいことをみつけていかなきゃ」と”楽しいことが終わること”の話があったのを覚えているでしょうか。
その時は『それじゃあ寂しさに負けないぐらいたくさん楽しいことをしよう』と、まさにこの最終話に繋がる複線、そして作品全体の本質が実は1話から描かれていたんですね。何度も言ってますが2期は本当にストーリー展開とつなげかたが神がかってるんですよね。
ナイトダイビングで感じたこと思ったことがお互いにシンクロして、ラストに書いた手紙の内容までまるで以心伝心で伝わるほどのバディになった2人ですが、このあとの1年はどう紡がれていくのでしょうか。3期をみせてくれ!