激化するインターハイ予選。次なる試合は理子を下した逗子総合の石澤と北小町のなぎさ。かつてのチームメイト同士の対決となったこの試合もまた、熱い試合となりました。
綾乃と対極にいるような、これぞ主人公といったような試合展開となりましたが、この因縁の対決はどちらが制するのか…。
『 はねバド! 』第8話 「 自分のやりたかったバドミントン」
インターハイ予選準々決勝。
全国出場をかけてなぎさと戦うのは、中学時代のチームメイト・石澤。いつにもまして気合の入るなぎさだが、立花は、なぎさが膝に不安を抱えていることを見抜いていた。
一方、対戦相手の石澤も、なぎさとの試合には特別な想いがあるようで……。
特別な思い
インターハイ準決勝。なぎさの相手は、理子を下した逗子総合の石澤は、中学時代の元チームメイトであるなぎさとの試合は理子との試合以上に特別な思いがあるものでした。
中学時代から既に名の知れた選手だった荒垣なぎさと石澤望は、互いに逗子総合の特待生になれるほどの実力を持っていたが、その時に選ばれたのは望だった。
周りからも、本人さえも望よりもなぎさのほうが実力が上だとわかっていました。
だからこその複雑な結果にお互いがモヤモヤとした思いを抱えていた。
このインターハイ予選で勝つことが、本当に自分が選ばれるべき選手だったんだという証明になる。石澤にとってはとても重い試合になります。
そんな石澤を指揮するのが、試合中とにかく口を出しまくるスパルタコーチの倉石監督。勝利を優先し、選手に細かい指示を出させて、相手の弱手を突きまくるデータ型のバドミントンですが、そんな指示通り動くだけのバドミントンに石澤自身が疑問を持ち始めていました。
今週の綾乃ちゃん
今週のラスボスさん、もといもう一人の主人公さんである綾乃は今回も相手を圧倒。
どころか足がつった相手に『続ける意味なくない?もう勝ち目ないじゃん』
ともはや経緯すらなし。
見かねたエレナが、さっきのはなに!と詰め寄るも、『んー…別に友達作りたいからバドやってるわけじゃないし』と一蹴。
「でも仲間も大事でしょ?」
『あのね。強くなきゃやる意味ないんだよ』
完全に合宿の頃の綾乃ちゃんは消えてしまいましたね…。
「じゃあ綾乃は、なんのために強くなるの?」
その言葉だけには応えようとはしませんでした。
コーチとしての差
『久しぶり。お互い悔いのないようにやろう』
始まった石澤となぎさの一戦。握手を求めるなぎさを見もしない石澤。この拒否は相手への憎しみなのか、情を向けないためなのか…。
始まるや否や、相手コーチの唾と激が飛び交う中でなぎさを左右に振らせて膝と体力にダメージを与える作戦でくる逗子総合。
相手の弱みにつけ込むのは勝負の定石、そしてそれを淡々とこなす石澤。このままなぎさと石澤の勝負は決してしまうのか…。
『バカだなー!なぎさちゃん…あんな球拾うだけ無駄じゃん!どうせやられんのに』
ラスボス綾乃ちゃんの毒づいた雰囲気がどんどん悪化していきますね…。
ですが、綾乃の言う通り厳しいコースをその負けず嫌いな性格から全て拾おうとして仇となっているのもまた事実でした。
性格がまっすぐなのは石澤も同じ。
そんなチクチクと相手の嫌なところを責める戦術に、こんなことしなくても!とコーチの言う責めを無視します。
それを上から圧倒してくる倉石に対して、意地でもカットスマッシュを拾おうとするなぎさに、自分のやり方で修正していけとアドバイスの健太郎。
変に口出ししても実力以上のものが引き出せるわけではないという持論の健太郎は、選手をきっちりと信頼しきった上でのアドバイスを出して、逆に全ての指示を細かく出す倉石は、むしろ選手ではなく自分しか信じてないと受け取れなくもないですね。
うーん、コーチのキャラクター性も二分化されていて面白い。
自分のバドミントン
後半戦、ごちゃごちゃとした読み合い、心理戦の戦況が徐々に変わっていきます。なぎさの強烈なバックハンドが返せなくなる石澤。なぎさのパワーが押し始めていきます。
コーチの飛び交う怒号と石澤の弱点だった体力不足も相成って、とうとう精神的にも肉体的にも折れそうになる…。
「私は…なんのためにここまで…頑張って…耐えて…我慢してきて」
文字通り血が滲む努力をしてきた石澤がグラついているとき…。
『望!全力で来なよ。眼中ないわけないだろ?あたしは全力で望を倒す』
この一言に全てが吹っ切れた石澤は、コーチの言う事など耳にはない…
「私がやりたいバドミントンはこれじゃないって」「だから、これから見つけてきます」
なぎさのまっすぐな気持ちに、自分のバドミントンを見つけた、だれのためにバドミントンをやっているのか気づけた
最後は一歩及ばなかった石澤…すがすがしい気持ちで握手を交わして試合は終わるのでした。
誰のためのバドミントンか
なんのためにバドミントンをするのか!?というテーマが主題な回
理子戦でもコーチの指示通りに戦っているだけの石澤が、本気で自分のバドミントンをぶつけてくるなぎさに、見失いかけてた自分のやりたかったバドミントンで勝負する。
勝つことは重要だけどそれだけじゃない。
勝利だけを優先するコーチと、自分のバドミントンで試合がしたい石澤。時に勝負の世界において、後者が正しいこともあるということでしょうか。
負けた石澤が勝ったなぎさと同じくらいに清々しい表情をしていたのがまさに、「勝ち」以上の「価値」がある「はねバド」のテーマを象徴するような試合でした。
最後まで正々堂々と自分のバドミントンをぶつけたなぎさは、綾乃とは対極にある「主人公」って感じのキャラですね。
しかし、あんなに試合中コーチが口出しありなんでしょうかね、クレームものな気がするw
めっちゃ唾とか飛びまくっててそこをリアルに表現しなくてもとも思いましたね…w
それでも最後は石澤の言葉に口を出すことをやめたし、実際は石澤の勝利を本気で願っていたからこそなんでしょうね。
そして、もはやなんのために勝利を重ねて、誰のためにバドミントンをやっているのか目的すら曖昧になってきた綾乃。
この2人が対戦でもしたらいったいどうなるのでしょうか……。
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