『 Re:ゼロから始める異世界生活 』を初めて見た時、とんでもなく現実からかけ離れた作品で度肝を抜かれました。それまで『異世界』とつくものにそれほど興味がある訳ではなかったのですが、この作品が『異世界』モノにドップリとハマってしまう最初の作品になりました。
いきなり現実世界から異世界へ召喚されたら自分ならいったいどうするのか?見たことも聞いたこともない景色や言葉などを理解し勇敢に行動できるだろうか?
現実世界などではありえない『死に戻り』など、そのような世界だと理解したとしても、異世界でのルールや行動などを呑み込めたとしても、きっと不可能に近いほどのリアル感に戸惑ってしまいます。
ただ、『Re:ゼロから始める異世界生活』はさすがです。アニメだとわかっていても、『異世界』物語モノだとわかっていても、どこかでどっぷりとこの世界観に踏み込んでしまう自分がいます。
現実世界ではありえないことが目に見えて理解していても、この作品の中の一人にでもなったような、なんとも妙な感情に取り憑かれ、次々にこの作品を観てしまうのです。そして、このアニメを見ることによって、現実世界の自分が何かを得た間隔存在します。これは他のアニメでは感じる事ができない感覚です。
そんな『Re:ゼロから始める異世界生活』の1章から5章までの大まかなストーリー展開をご紹介させて頂きます。十分面白さが伝わると思います。多少ザックリ荒っぽく書いていますが、『Re:ゼロから始める異世界生活』の魅力が少しでも伝わればと願っています。
TVアニメ『 Re:ゼロから始める異世界生活 』の1章と2章
[aside type=”boader”] 第1章‐2章は、文庫本にして1巻‐3巻にあたり、アニメにして第1話‐11話にあたります。[/aside]突然コンビニ帰りに異世界へ召喚された引きこもり高校生の少年ナツキ・スバルは、早々と命の危機に見舞われる。それを救ってくれたネコ型精霊パックをお供につれたサテラと名乗るハーフエルフの銀髪少女に恩返しするため、スバルは彼女の物探しに協力するのです。
フェルトという名の少女に奪われたという手がかりが掴めたと思った矢先、2人は暗闇の中で何者かに襲撃され命を落としてしまう。
目を覚ましたスバルは、召喚された時点に戻っていた。それから何度かの死を繰り返すうち、スバルは自分がこの世界である能力を得たことを知る。その能力は、自身の死により時間を巻き戻して記憶を引き継げるタイムリープ能力『死に戻り』だった。スバルが「サテラ」に再開して話しかけた際、彼女がその名を知らなかったことから、彼女は「前の周回」で偽名を使っていたのだと気付く。
その後、紆余曲折を経てついに徽章を奪った少女フェルトを追い詰めたがスバルをまたしても彼女の依頼主『腸狩り』エルザ・グランヒルテに惨殺されてしまう。
さらなる『死に戻り』を経た後、サテラ『剣聖』ラインハルトの加勢もあってエルザを退け、ようやく最初の死のループから逃れることに成功する。
サテラの命を救った礼として、彼女に名前を教えてほしいと頼んだスバルは彼女の本名がエミリアであることを教えてもらうが、その直後エルザからもらった腹の傷が開いて倒れてしまう。エルザによる負傷から回復し、メイザース辺境伯ロズワールの屋敷で目覚めたスバルはエミリアのそばにいるため、昨日の一件の謝礼として屋敷で雇ってもらうことを要求する。
その3日後、エミリアとのデートを約束し眠りに就くが彼に翌日が訪れることはなかった。
屋敷で目覚めた初日の朝に戻っていたことに気付いたスバルは、動揺しながらも『死に戻り』のセーブ地点が変更されていることや、前回の死因が呪いであったことに気づくが、今度は屋敷の中で何者かに撲殺されてしまう。
次のループで屋敷を外から監視し斬撃者を見つけ出そうとするが、メイドのレムに攻撃される。レムは、その体格に見合わぬ巨大なモーニングスターで彼を追い詰め死亡させる。スバルが間者である可能性が高かったことや、「魔女の残り香」を纏っていたことがレムの疑いの原因だったのだ。
ヒステリーを起こしたラムにスバルは殺されかけるが、禁書庫の司書ベアトリスの協力で命拾いする。
そしてスバルは、あえて呪いをかけられることで呪術師の正体が魔獣であることを暴くが、時既に遅く腹を空かせた魔獣たちに近所のアーラム村の子供たちはさらわれてしまっていた。
スバルは森の中に入り子供たちを助けるが、魔獣たちに呪いをかけられ手詰まりになる。
第3章と第4章の前半
[aside type=”boader”] 第3章は文庫本にして4巻‐9巻にあたりアニメにして12話にあたります。[/aside]魔獣は討伐したものの、身体に何重にも重なって残った呪いによりスバルはマナの流れ。エミリアが王選開始の式典参加するため、また、スバルを水の治癒術師フェリスに治療してもらうため、スバル一行は王都を再び訪れることに。
エミリアと交わした約束を破り、王選関係者の式典に乱入したスバルは騎士ユリウスと実質的な私闘を行い、禁止されていたシャマクを使った末に敗北するのです。
度重なるすれ違いや思い、そして何よりも精霊術師であるエミリアにとってかけがえのないものである約束を軽んじてしまったスバルは、エミリアと認識のちがいを決定的なものとしてしまいます。治療の完了をもって関係を解消すると言い渡すとスバルと決裂したエミリアは、スバルとレムを王都に残しロズワールとともに屋敷へと戻るのです。
その数日後、魔女教に対抗すべく王選候補者たちに協力を仰いだスバルだったが、彼の言動からその本音を垣間見た候補者たちからは次々に断られてしまう。
万策尽きたスバルはレムだけでも助けようと彼女と共に国外へ逃げ出そうとするが、レムの説得により覚悟を改め、もう一度運命に立ち向かうことを決めるのです。死闘の果てに白鯨を討伐したスバルたちは、ヴィルヘルム・ユリウス・フェリスらを率いて魔女教の討伐に乗り出す。
幾度となく殺されながらも、他人の精神に乗り移るペテルギウスの正体が邪精霊であることを見破り討伐に成功したのである。
一方、白鯨討伐後に王都への帰途についたクルシュとレムは魔女教のレグルス・バテンカイトスの襲撃を受け、暴食の権能による作用でクルシュは記憶喪失となりレムは存在を忘れられた眠り人となってしまう。
死に戻りの起点更新によってレムを救うことができないと知ったスバルは、彼女を取り戻すべく魔女教『暴食』を倒すことを決意したのです。魔女教の襲撃から避難して以来、帰還しないアーラム村の人々とロズワール。結界に閉じ込められた人々は、アーラム村の人々を人質とし聖域の解放を要求していた。
彼らを救うために、魔女エキドナによる結界を解除するための試練にエミリアが挑むも、精神に大きな揺さぶりをかけてくる試練を一つも攻略できないまま彼女は…。スバルから魔女の残り香を察知した聖域一の実力者ガーフィールの妨害、それら全てを攻略するため死に戻りを重ねるのです。
実は、ロズワールはエキドナに与えられた『世界の記憶』の複製によりスバルが世界をやり直す能力を持つことを知っており、彼をエミリアに忠実な騎士とすべく策を巡らせていたのだ。
エミリアによるものだと聖域住民に疑われていた大雪も彼が発生させていた。エミリアにあらぬ疑いをかけさることで、スバルにさらなる困難を与えようとしていたのである。
自らはループ先に記憶を残すことはできないにもかかわらず、スバルがまだ死を恐れない駒となっていないことを悟と、ためらいもなく彼は破滅的な自死を選び、スバルにやり直しを強要する。
第4章後半と5章
[aside type=”boader”] 文庫本では第10巻‐16巻までのストーリーになります。[/aside]過去に違う選択をしていたら生まれていたであろう『もしも』の世界を見せられるというエキドナの第二の試練に意図せずに挑んでしまったスバルは、今まで考えないようにしていた『自分が死亡した』後で悲しみに暮れる周りの人々を目の当たりし、死に戻りは皆を救っていたのではなく『死んだ世界』の皆を切り捨てていただけだったのかもしれないと不安になるのだった。
エキドナは彼を励まし、状況を打開できずに弱った彼に彼の人生を観測する代わりに助言を与えるという契約を持ちかけた。
しかし、ほかの魔女たちが“エキドナは自らの知識欲を満たすため助言とは名ばかりの口八丁”だと、そして“スバルにループを繰り返させかねない”と悟りました。
更に追い詰めた際のやりとりで、エキドナは他人に共感や優しさといった感情を抱かない常人には理解しがたい精神性を持つことを知るのです。
危険が予想されるエキドナとの契約は断ったものの、再び八方塞となったスバルは孤独に死に戻りを繰り返すことで、自分以外の誰も傷つかないようにするしかないと思い詰める。だが、その姿を見かねたミネルヴァやサテラに第二の試練で見たように自分もまた周りから大切にされている事を認め、自分をもっと大切にするように説得すます。
仲間たちの力に頼れば回避することができると確信したスバルは、ロッズワールに『この周回』で困難を突破できなければロズワールに素直に従います。
ただしもしできたなら彼の持つ例の書を捨ててもらう。という契約を交わしたのです。
オットーやパトラッシュの力を借りて、またラムの協力も得てガーフィールを襲撃し、エミリアに心からの親愛を伝えて彼女を精神的に支える。
さらに、ガーフィールが外の世界に抱く恐怖心を乗り越えさせ味方とし屋敷にてエルザを撃退、メイリイを捕獲する。
そして焼け落ちる屋敷と運命を共にしようと自暴自棄になっていたベアトリスを救いだし、試練を突破したエミリアとベアトリスと協力し大兔を討伐しました。
聖域の事件の1年後、王選候補者たちはアナスタシアのもと、水門都市プリステラで会合を行う。
するとそこに残存するすべての大罪司教が来襲し、瞬く間に水門都市の都市機能を奪われてしまい、町全体を人質として取られてしまいました。候補者たちは共同戦線を張ることで都市機能を奪環、強欲の大罪司教レグルスを殺害し、大罪司教シリウスを補囚することに成功する。
しかし、色欲の大罪司教カペラによって都市庁舎にいたプリステラ市民は黒龍へと姿を変えられ、また、カペラの龍の血をかけられたクルシュは醜い姿に。
さらに、暴食の機能によりユリウスは名前を奪われる。彼の弟ヨシュアを含む多数のものが眠り人となる。
また、戦闘のためアナスタシアと一時的に精神を入れ替えた襟ドナが、アナスタシアから出られなくなるという思わぬ事態に。ユリウスとレムの存在を取り戻し、アナスタシアを解放するための手がかりを得るべく、スバルはシャウラが住むと言われる前人未到の領域・・・。
プレアデス監視塔を目指すことを決めるのです。
必ず何か得られる物がある。
何を求め何に活かすのか?何を失い何を得るのか?異世界とはつくづく不思議で、現実世界でもめったに遭遇しない言い表せようのないことまで教えてくれる。分かっていても、知識として持っている物であったとしても、それらを覆すほどの感情が芽生えてくる。なぜか自身の考えがこれほどまでに矛盾したものだったと思い知らされた。
だが、リアルが間違っているわけではない。かといって異世界が間違っているわけでもない。
人によって価値観はさまざまであり、まさしく十人十色って感じ。リアルから逃げざるをえなかった人にもリアルと向き合えずにいる人にもどんな人間でも必ず得られるものがこの作品にはあるのです。
今じゃなくても、必ずいつか活きてくるものがこの作品にはあるのです。
今はまだ見つからないだけのこと。
リアルの世界と異世界との違いとその魅力。逃げても振り返ればすぐ真後ろにある恐怖と絶望。呼吸が乱れるほど走っても止まることが許されない苛立ちと苦しみ。
心で感じても頭や体が追い付かない。どうしようもない壁にぶつかってしまうことがリアルの世界では日常茶判事。しかし、それが全ての絶望とは限らない。
今はまだ見つからないだけのこと。その事を、このアニメが教えてくれると思っています。
人は最後の時まで成長し続けることが可能。限りある成長を生かすも殺すも自信次第だということも教えてくれます。だれかの為に存在し、誰かの為に歩続け、誰かの為に笑い・泣く。それは綺麗ごとのように聞こえるけれど、実は皆誰かの為になっている。そしてまた、誰かの為にしたことで自分の為にと進化していく。
迷うなら、まずはこの『Re:ゼロから始める異世界生活』を是非観て頂きたいです。
生きる事
死ぬこと
泣くこと
笑うこと
それら全てが意味することと、それら全てにどれだけの大きな価値があるか。これらを自然な形で教えてくれるのでが、この『 Re:ゼロから始める異世界生活 』だと思います。
小説も出ていますので、漫画やテレビアニメが苦手という方は小説もありますので、是非この世界観を感じてみて下さい。
文章:kyouei-PAN