ついに最終回。未だ謎のアレクシスの目的は一体?アカネを救うことは出来るのか?ドキドキしながら、本編感想に参ります!
TVアニメ『 SSSS.GRIDMAN 』第12話「覚醒」のあらすじ
自分たちの繋がりの理由を知った裕太とグリッドマンは真の姿へと覚醒する。そして全員の心を繋げ、最後の戦いに挑む。
君を退屈から救いに来たんだ
アレクシスの手によって怪獣に変化させられてしまったアカネ。OPに一瞬映っていた恐ろしい姿と巨体ですが、その鳴き声はまるで「イヤーッ!」と彼女が悲鳴を上げているかのよう…
再生怪獣軍団を退け、絢に戻ってきた裕太たち。アンチは「俺の一生の最期にお前を倒す、それまでは生きろ」という約束を裕太とします。本来の裕太を目覚めさせる方法として、マックスさんはグリッドマンの分かたれた意識の統合を口にしますが、今はその方法を探すよりもアレクシスを放置できないという問題が優先。「全員の力が必要」というヴィットに、ボラーが将と六花の不在を指摘したところにプライマルアクセプターが鳴り始めました。
口から放つ音波だけで街を破壊し火の海に変えていくアカネ。怪獣がアカネ本人だと気づいたらしい裕太はアンチに彼女を任せ、自分にはやるべきことがあると言います。「分かった、借りは返せよ」と言ってグリッドナイトに変身したアンチは、「お前は怪獣じゃない。新条アカネだ!」と彼女に自我を取り戻させるような言葉を叫ぶのでした。

アレクシスは「やはり怪獣を作る人間は怪獣そのものだ」と口にしますが、ここでようやく六花の存在に気づいたらしく彼女に誰なのか問いかけます。「私はアカネの友達」と返され、笑い出すと、この世界の住人たちのことを「アカネ君の怪獣から生まれた贋造物。偽りの人間レプリコンポイド、君たちはアカネ君のために生まれた作り物にすぎない」と明かしました。“コンポイド”というのは原作に出てきたコンピューターワールドの住人である電子生命体のことなので、レプリコンポイドというのは彼らを参考にアカネが作った存在なのかもしれません。
「自分を人間だと思っている作り物と、その作り物と友達の神様。悲しいよねぇ」アカネを憐れむような言葉を口にしたアレクシスは、六花の反論にも耳を貸さず「友達としてどう思うかい?この世界の…いやこの狭い街の神様のなれの果てを」と問いかけ、「あなたがアカネをあんな風に…」と言いかけた六花の言葉を遮るように「彼女は元よりああなんだ。なにも変わらない、それがいいところだ」と彼女を選んだ理由のようなものを言葉にします。六花は自分たちでアカネを変えると宣言しましたが、歯牙にもかけません。そこへスカイヴィッターと共に裕太が六花を迎えに現れ、「行こう六花!みんなが待ってる!」と彼女に手を伸ばします。飛び去る彼らを見送ったアレクシスは「ふん」と何か言いたげな様子を見せるのでした。
怪獣化したアカネと戦うグリッドナイトは、中央にある頭部と思しい部分に向かってアカネの名を叫び続けます。力づくで胴体から頭部を引き出し、口腔を開かせるとそこにはレリーフのような人の顔と両手が!新世紀中学生が見まもり、キャリバーさんが「がんばれ、アンチ」と声援を送る中グリッドナイトは変身を解き、その顔を突き破って内部に飛び込んでいきました。
未だ病院にいた将を迎えに来た裕太ですが、将は自分のことを「皆と違って何の役にも立てない一般人」だと言ってその場を動こうとしません。六花に「都合のいい時だけ一般人とかさぁ…グリッドマン同盟はどこ行ったんだよ」と話しかけられても、自分が戦っていたわけでもなく、ジャンクも六花の家のものだと言います。裕太は「ジャンクの前には皆が必要なんだ」と説得し、六花はいつもボラーがしているように将の足を蹴り飛ばすと「内海君は響君のなんなの?」と強い調子で問いかけ、「なんなの?って…俺は…裕太の友達だよ!」と返されると「その友達が来てくれって言ってるんですけど」そう言葉を続けました。元の裕太と、グリッドマンである裕太の両方の友人として覚悟を決めたのか、将の表情が引き締まります。
怪獣の内部で、今まで殺して来た人々の幻影に精神を苛まれるアカネの身体を水のような液体の中から引きずり出すアンチ。「なんで君なんかに…ほんとに君は失敗作だね」そんな憎まれ口をたたくアカネに、「ああ。俺はお前が作った失敗作だ」と認めたアンチですが、突如現れたアレクシスが彼の身体を背後から剣のようなもので貫き、遥か下方の地上へ向かって投げ捨ててしまいました。絶望によるものかうつむくアカネをその身に取り込み、アレクシスは「素晴らしい!もう怪獣は作れないと言っておいて、君の中にはまだこんなにも凄まじい情動が残っているじゃないか!」と言いながら巨大化します。廃墟と化した街を眺めながら「さて…ここにはもう何もないな」とは何を指しているのか。
ようやく絢のジャンクの前にグリッドマン同盟と新世紀中学生の全員が集まった時、新世紀中学生の面々の腕にもアクセプターが出現しました。色が原作と同じになっているのは、元々同一の存在である裕太とグリッドマンを繋ぐのではなく、他の意志ある存在を繋ぐためのものだからでしょうか。「アクセプターは心を繋いで一つにする。行こう!皆で!」裕太の言葉で、5人がジャンクの前に並ぶ姿を六花のママが小さく「ガンバ」と応援します。5人が声を合わせての「アクセスフラッシュ!」を受け、瀕死のアンチもまた自分の腕に現れたアクセプターを構えて光に包まれました。ジャンクから聞こえるグリッドマンの「アクセスコードを打ち込んでくれ!」の声に、六花がキーボードに手を伸ばし「GRIDMAN」と入力すると“Special Signature to Save a Soul”の表示と共に原作のOP「夢のヒーロー」が流れる中でグリッドマンの姿が変わっていき、原作のグリッドマンの姿となってアレクシスの前に立ちはだかります!!

本来の姿を取り戻したグリッドマンに対し、「懐かしい姿じゃないかグリッドマン、でも私は君を倒して次のアカネ君を探すよ」と恐ろしいことを告げるアレクシス。しかしグリッドマンは「次はない!ここで終わらすぞアレクシス・ケリヴ!!」と叫んで挑みかかり、1対1の空中戦を繰り広げますがアレクシスの身体に傷をつけても瞬時に再生されてしまいます。「私の命には限りがない」と言うアレクシス。そのために虚無感を抱えることになったが故、アカネのような人間の情動だけが心を満たすのだと。
そしてアカネが自分からアレクシスを求めたと語り始めました。「元よりこの世界には何も無かった」「だが、怪獣を与えられたアカネくんの理想の街は育ち、また破壊もした」と言われ、理想の街を破壊する理由を疑問に思ったグリッドマンに「彼女はあらゆるイレギュラーやここで生まれた命までコントロールできない。だからこそ怪獣が必要だったのだ」「その繰り返しを続け、私は心を満たしたかった」と己の目的を語るアレクシス、あまりの身勝手さにグリッドマンは憤りますが、「しかし今アカネ君は役割を終えた。もうこの世界に用事はない」と言いながらコンピューターワールドを移動するための道、パサルートを開かれてしまいました。
ジャンクの前で戦いを見守る将と六花もアレクシスが逃げようとしているのを悟って六花はアカネの名前を呼び、グリッドマンは残る力をアクセプターに収束させていきます、アレクシスは「限りある命の君では無限の命を持つ私には勝てないよ」と勝ち誇りますが、「そんなものは命ではない!」となおも戦いを挑むグリッドマンの放ったグリッドビームを惜し負かし、グリッドマンは吹き飛ばされてしまいました…しかし、その身体から散った光が破壊された電脳空間を修復していくのを見たグリッドマンは、自分の力が戦うためだけのものではないことを思い出します。グリッドマンの本当の力である“フィクサービーム”によって修復されていく街!そう、グリッドマンには破壊されたコンピューターワールドを修復する力があり、それを以ってアカネの心を救い出そうとしているのです。元々この街はアカネの心の写し鏡。今の傷ついた街に働きかけることで、アカネの心に間接的にでも触れることが出来るとしたなら!?
ドアを開けて広い世界に出ることを怖がるアカネ。彼女は独りぼっちじゃないと六花は力付け、将は人は万能ではないから他人を必要とすることを説いてアカネが誰かを必要とすることでこの街がもっと広がる可能性を告げ、裕太はアカネの本来の世界も同じように広がっていく希望を語ります。「だから私たちを頼って欲しい、信じて欲しい。そのための関係だから」そう語りかける六花に、アカネは自分が作った世界に居てはいけないこと、自分の意志で自分の場所に帰らなければいけないことを自覚して、ついにドアを開け放ちました。
アカネが心を開いたこと、人間の可能性を信じるグリッドマンの力によってついにアレクシスは倒れ、世界の全てを光が包んだのちに青空が広がっていきます。
別れの時

引っ越しのためのダンボールが積まれ、きれいに片づけられたアカネの部屋で彼女は六花と2人語り合います。アカネは自分のやってきた許されないことを思い返し、自分の悪い面を六花に打ち明けていきますが六花は「アカネのことなら私は知ってるから」と彼女の全てを受け入れて微笑みました。「ごめんなさい」泣きじゃくるアカネに、六花は以前買って渡せずにいたプレゼントの紙袋を渡し、開けてみるように勧めます。中に入っていた定期入れに、「どっか行っちゃえってこと?」とネガティブなアカネに対し「違うよ。どこへ行っても私と一緒」そう励ましました。「アカネはさ、どこへ行ったって堂々としてないと。私たちの神様なんだから」「だから神様、最後にお願い聞いてくれませんか」頷いたアカネに告げた六花の願いは、「私はアカネと一緒にいたい。どうかこの願いがずっと叶いませんように」切ない願いを口にした後、彼女の隣からアカネの姿とダンボールは消えていました……
裕太が将に「内海は新条さんに言うことあったんじゃないの」と問いかければ、「死ぬほどある!」と叫びますが「けど…やっぱあそこには入れないや」といつも通り理性的な答えが返ってきます。六花は「別に気にしなくていいのに」と言いましたが、「神様と同じクラスには通えないよね」とも。皆がそれぞれの世界へ戻るのを前に、将は「次に来る時は裕太じゃなくて俺に宿れよ…そうじゃないと別れが悲しくなるからさ」と約束を口にし、裕太は「このあと目覚める本当の裕太をよろしく頼むよ」と。本当の裕太が何も覚えていなかったとしても、また友達になればいいと将は六花に笑い、グリッドマンも「たとえ記憶がなくとも裕太の体には刻まれている。私が宿ってもなお六花への思いは変わらなかったように」と爆弾発言をします。
封印したアレクシスを手に、ハイパーエージェントであるグリッドマンたちはハイパーワールドへ帰還することになりました。それぞれに別れの言葉を口にし、グリッドマンは将と六花がいなければ任務を果たせなかったと感謝の言葉を述べ、「私は本当に信頼できる友達を持つことの大切さを改めて思い知った」と言います。別れの言葉のあと、六花はアンチのことを気にかけますがキャリバーさんは「あいつは来ない。借りを返せなくなった」と…
絢の店内のソファで眠る裕太が目覚めたころ、公園のベンチの上でアノシラスに手当てをされたアンチもまた目を覚ましていました。今度は彼女に「借りを返す」と言う彼の言葉にアノシラスは笑って「うちの家訓と一緒だ」と言います。包帯の外れたアンチの顔、今までガーゼに覆われていたその右目はこの世界の人間と同じ青色に変化していました。
そして、別の世界で目を覚ました“誰か”の姿を最後に物語は幕を下ろします…
ありがとう、そしてさようならグリッドマン
原作のOPが原曲で流れるとか、EDのピアノアレンジが使われるとか、OP無しで始まってクライマックスで流すとか、最終決戦はCG使ってないとかスタッフの皆様お疲れ様でしたありがとうございます!
フィクサービームの効果など、原作のグリッドマンを知らないと分からないところとかあったと思いますが伏線の回収もきれいで、12話という長さがちょうどいい物語でした。シナリオから選曲まで、細かく練られた上質な作品と表現していいと思います。本当に最初から最後まで面白かった!!
タイトル | SSSS.GRIDMAN |
---|---|
原作 | グリッドマン |
監督 | 雨宮哲 |
脚本 | 長谷川圭一 |
放送期間 | 2018年10月~12月 |
主な声優 | 響 裕太・広瀬裕也 グリッドマン・緑川光 |
公式サイト | https://gridman.net/ |
SSSS.GRIDMANの各話も是非チェックして下さい!
- TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』第1話「覚・醒」
- TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』第2話「修・復」
- TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』第3話「敗・北」
- TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』第4話「疑・心」
- TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』第5話「挑・発」
- TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』第6話「接・触」
- TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』第7話「策・略」
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- TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』第9話「夢・想」
- TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』第10話「崩・壊」
- TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』第11話「決・戦」
- TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』第12話「覚醒」【最終回】
- TVアニメ『 SSSS.GRIDMAN 』総括