熱血アニメ列伝 超外伝! アクセスフラーッシュ!!『電光超人グリッドマン』

熱血アニメ列伝 超外伝! アクセスフラーッシュ!!『電光超人グリッドマン』

超がつく程の猛暑等、自然災害も多かった激動の2018年が終わり、いよいよ2019年がスタートとなりました。諸々の「平成最後の」が続々と終わる中、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

昨年、『熱血アニメ列伝』を読んでくださった皆様には、厚く御礼申し上げます。本年は一層の更新頻度の向上を目指し、読者の皆様にもっと喜んでいただけるコラム作りを心がけていきたいと思っております。

さて、そんな『熱血アニメ列伝』、今年最初のコラムは……アニメ作品ではなく、特撮作品!今、何かと話題の『SSSS.GRIDMAN』の原案である『電光超人グリッドマン』です!

「アニメ列伝」と謳ってる、このコラムで初の特撮作品を扱う訳で、通しナンバーは付けずに「超外伝」とさせていただきましたが。

当然このグリッドマンも超熱い作品である事は言うまでもないレベルの、90年代前半の超名作特撮ヒーロー作品ですので、いつもの通り、あらすじに……グリッドォォォビィィィム!

アクセスコードは……「GRIDMAN」!『電光超人グリッドマン』のあらすじ

主人公「翔直人(しょうなおと)」は、どこにでもいるような明るく元気な中学生の少年。

その幼馴染「井上(いのうえ)ゆか」と「馬場一平(ばばいっぺい)」と共に、一平の家の離れにある地下室で手作りコンピューター「ジャンク」を作成しているところからこの物語は始まります。

彼らが、ゴミ箱や安く入手したパーツで作成したコンピューター「ジャンク」は、無事に起動し、喜んでいる頃、この世界に二つの「相反する意思」ともいうべき存在がやってきます。

その一つは「サイバーエージェント・グリッドマン」。彼は、ハイパーワールドという異世界から、とある存在を追ってこの世界にやってきて、直人達の「ジャンク」にその身を宿します。

元々はエネルギー生命体のグリッドマンですが、たまたま一平がジャンクで制作していた、彼の妄想ヒーロー「グリッドマン」のCGデータに憑依。

一平のデザインしたそのままの姿で、ここにコンピューターワールドを守護するヒーローが誕生したのでした。

さて、そのグリッドマンが追ってきたもう一つの「相反する意思」の存在、それが悪の魔王「カーンデジファー」でした。

カーンデジファーは、(自称)天才少年の「藤堂武史(とうどうたけし)」のパソコンの中に辿りつきます。

学業は良さそうな武史ですが、自己中心的な性格故、友達もおらず、心を捻じ曲げて、時に遭う嫌な出来事を、自分のせいだと認識出来ず、他人への憎しみを募らせる……そんな少年でした。

カーンデジファーは、その武史の歪んだ自我につけこみます。武史はその怨念のような悪意を解消させる為に自分のコンピューター上で、妄想の怪獣のCGが主役のゲームを制作していました。

武史の作った怪獣のデータに、カーンデジファーは自らの能力で、単なるCGを「動きまわれる本物の怪獣」のデータにアップグレードさせてしまいます。

とは言え、その怪獣が自在に動けるのは、今でいうところのインターネットの世界、「コンピューターワールド」の中だけです。

その怪獣達は、カーンデジファーによって、コンピューターワールドのあちこちの場所に送り込まれます。

送り込まれた怪獣は、その場所のデータを(映像的には文字通り、その場所に存在する建物のようなものを)破壊。その後、武史の欲望を実行させる為に、本来とは違う機能のデータを構築させ、我々の現実世界に様々な事件を起こさせます。

それは、例えば病院のコンピューターに怪獣が侵入。中のデータを破壊した為に器具が使えなくなり、手術が出来なくなる……というような事件です。

こうやって、カーンデジファーは己が操る怪獣によって、じわじわと我々の現実世界に悪影響を与えていきます。そして、いずれは、カーンデジファーはこの我々の世界を征服しようと企んでいるのです。

その怪獣を倒す為に、グリッドマンは直人と合体することで、一平のただのデータから、実体を持つ存在、つまり「電光超人グリッドマン」となるのです。

グリッドマンが怪獣を倒し、壊したデータを「フィクサービーム」で修復し、人々を困らせる事件は解決していきます。

このコンピューターワールドで秘かに起こっている、この戦いを知るのは、直人達三人だけ。

直人達三人とグリッドマンは、魔王カーンデジファーの野望を阻止することが出来るのか?

我々の世界にも影響を及ぼしている、しかしほとんどの人間が知らないコンピューターワールドでの戦いが、こうして繰り広げられる事になったのでした。

フォーマットが某シリーズそっくり?子供向け特撮ゆえの熱さがたまらない!

『電光超人グリッドマン』のあらすじ、いかがだったでしょうか?筆者は、アラフィフの老害オタクな為、この作品はリアルタイムの時に普通に成人していたものの、かなりの熱量を持ってみておりました。

それはこの作品の企画がそもそもその数年前に放送していた、筆者が特撮作品でもかなり上位に入ると思っている神作品(個人の感想です)『電脳警察サイバーコップ』の巨大ヒーロー版を作ろうとしたもの、というのも理由の一つかと思います。

と、言ってもこれは近年ウェブでの情報を見て初めて知ったことではあるので、当時の自分はただ単純に「子供向け特撮ヒーロー作品」としてのクオリティの高さに胸を熱くしていたのだとは思いますが。

しかし、今回改めて見返して思った事が、1つありました。それは……

「これ……フォーマット的にはだいぶ「勇者シリーズ」に近いものを感じるなあ」

という事でした。

ご存知「勇者シリーズ」とは、『勇者エクスカイザー』から始まった、玩具メーカータカラさん(現タカラトミーさん)が立ち上げた(メインスポンサーをしている)、子供向けロボットアニメの伝説的なシリーズ作品です。

筆者が書いた『熱血アニメ列伝』でも、『勇者警察ジェイデッカー』、『黄金勇者ゴルドラン』、『勇者王ガオガイガー』と、既に3作品も扱っているぐらい、見ていてとても胸が熱くなる、そんなアニメシリーズではありますが。

この『電光超人グリッドマン』も、見ていると「勇者シリーズ」っぽさが随所にちりばめられているように思えます。

筆者が思ったところを箇条書きにしていくと……。

  • 少年達が基本的には物語の主役。ヒーロー(勇者シリーズの場合は、意思を持ったロボット達)は、基本的に主人公達を見守る役
  • ガンダムシリーズのように、戦争ではないので、あまり死人は出ない。特にこのグリッドマンでは生命体として命を落としたのは、作品を見る限りは犬が爆死したのみ。人間の死亡者は一人も出ていない
  • 主役格のヒーローに、別の存在が合体してパワーアップする。グリッドマンではアシストウエポンが合体して2つの強化形態が存在する。勇者シリーズでは「フォームアップ」と称されたパワーアップとコンセプトは同じ
  • 主人公の少年達は、基本的に子供ゆえ、諸々と未熟。見守るヒーローが見ている限りで一番の人格者(笑)
  • 特に人間では、悪人はただ倒す為ではなく「救うべき存在」として描かれている

こんな部分が、「勇者シリーズ」との共通点を有しているように見返してみて思いました。

この作品『電光超人グリッドマン』が、やはり同じ玩具メーカータカラさんがメインスポンサーに入ってるのも勿論ありますが、作り手の方も少し意識して特にシナリオ面や設定面は勇者シリーズに寄せていってるのもかもしれないな、というのを思いました。

特に個人的には

特に人間では、悪人はただ倒す為ではなく「救うべき存在」として描かれている

の部分が、当時から既にアニメ作品が殺伐としたものが多い中で、もの凄く優しいものが根底に流れているのが、嬉しくも思いますし、胸を更に熱くさせる要素なのではないかと。

詳細はネタバレになるので省きますが、カーンテジファーの手下となる少年「武史」君も、終盤ちゃんと救われます。割と明確にはっきりくっきりとちゃんと彼には明るい未来を物語は用意しているように個人的には思えました。

と、言うか、武史が悪事を怪獣に働かせる為に、基本的に毎回とても嫌な目に遭うのですが、確かに彼自身の自業自得、というような部分もいくつかありますが。

いくつかのエピソードでは、武史に同情してしまうような、社会や悪人、マナー違反の人間への理不尽さをこの作品は、視聴者に、ひいてはメインターゲットの子供達に示しているようにも感じましたね。

そんな「子供向け特撮ヒーロー作品」ゆえの、熱さは、是非注目して見て欲しい部分ですね。

あ、ちなみに今回のコラムタイトルの「アクセスフラッシュ」とは、グリッドマンと直人が合体する時のかけ声です。

熱い魂が引き継がれていく……?次回予告もあるよ!

『電光超人グリッドマン』の「熱血ポイント」いかがだったでしょうか?

ほぼいつもの『熱血アニメ列伝』のフォーマットとは変わらない形式でこの特撮作品をコラムとして描いていきましたが。

筆者は、近年のアニメの本流とはかなり外れたオタクである事は認識しているので、やはり昔の特撮作品などは、それなりの熱量を持ってコラムを書いてしまうところはあるなあ、とか執筆中にも思ったりしました。

ところで、この『電光超人グリッドマン』は、後年になって「早すぎた名作」と呼ばれている作品としても有名なんですよね。

90年代前半の、ロクにインターネットもなかった時代、この作品の中で起こる事件やインフラは、後の我々の世界をかなり予言していた、なんて事も近年多く言われてる事です。

ロボット掃除機、コンピューター制御の自動運転を行う車、VR等々……放送当時にはまだまだ夢物語だった存在が今では普通に実現している事にも、そんな評価を加速させている理由の一つでしょう。

そんな「早すぎた名作」と呼ばれる『電光超人グリッドマン』は、このコラムの冒頭でも触れましたが、昨年の秋アニメの、いや一部の人にとっては2018年のアニメ全体での「最高の作品」でもある『SSSS.グリッドマン』の原案の作品です。

各種SNSでのトレンドの1位を何回も獲得した「秋アニメの覇権」を掴んだ、話題作『SSSS.GRIDMAN』。

当然、筆者もアニメ版の『SSSS.GRIDMAN』は毎週、身もだえするように面白いと感じながら見ておりました。原案である『電光超人グリッドマン』が好きな作品であった事も、その理由の一端ではありますが。

『SSSS.GRIDMAN』も、『電光超人グリッドマン』の様々な遺伝子を受け継いでいる良作でしたね。

そんなところで予告します!新年2回目の『熱血アニメ列伝』では『SSSS.GRIDMAN』を扱います。

あにぶさんでは、ライターの如月さんが毎回感想コラムをとても丁寧に、氏の素晴らしい冷静な分析でこの『SSSS.GRIDMAN』を描かれていますが、それとはまた違った特撮好きなアラフィフオタクな自分がどう切り込んでいくのか?

それも楽しみにしていただけると嬉しいです。

それでは、『熱血アニメ列伝』をお読みの皆様、今年も熱いアニメで盛り上がっていきましょう!!

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