帝王・森川智之さんが歩んできた道と未来とは?

帝王・森川智之さんが歩んできた道と未来とは?

ディズニー映画「ズートピア」のニック・ワイルド、吹替えではトム・クルーズの声でもお馴染み、BL作品にも数多く出演する人気声優・森川智之さん。そんな森川さんが2018年に書かれた著作「声優 声の職人」の内容や読んだ感想を紹介したいと思います。

声優業と社長業、2つの顔をもつ森川さん

森川さんは人気声優でありながら、実はアクセルワンという声優事務所の社長でもあります。そんな森川さんは著作でご自身の立場を「プレイング・マネージャー」と呼ばれています。

ご自身が声優として作品の収録をするなか、少ない休憩時間を使って事務所関係の仕事の打ち合わせをしたりと、毎日お忙しい日々を送る森川さん。ご本人曰く、気持ちの切り替えがカギとのことです。

また森川さんが事務所を設立した理由は、自分の理想とする事務所をつくりたいという強い思いがあったからだそう。時には事務所のスタッフと所属声優の間に入って、調整や橋渡しをすることも珍しくないのだとか。これも声優と社長業のどちらの事情を知っている森川さんにしかできないやり方だと思います。

そんな多忙なスケジュールのなか、この本まで執筆されているわけですから、森川さんのエネルギッシュなお人柄が伝わってきます。

声優人生のターニングポイント「アイズ・ワイド・シャット」

森川さんが声優としてのターニングポイントとして挙げているのが、トム・クルーズ主演の海外映画「アイズ・ワイド・シャット」の吹き替えについてのエピソードです。

この作品の収録現場はオリジナルのトムとまったく同じリアルな演技を指示されるなど、これまでに経験のないとても要求の高い現場だったそう。それでも懸命に頑張った甲斐もあって、その後もトムの役を演じることになった森川さん。この仕事の前まで声優としてこれからどうするべきか迷っていた森川さんにとって、もう一段階上の世界に行くきっかけになった出来事だと振り返られています。

ちなみに森川さんはその後、トムご本人と初めて会うことになったのですが、トムさん関係のお話がとても面白くて印象的でした。そのあたりは実際に読んで確かめてほしいですね。

BL界の「帝王」

森川さんはBL作品への出演数の多さから、「BL界の帝王」と呼ばれています。

BLCDなどのオーディオドラマはアニメと違って映像がないぶん、役者としての芝居の実力が問われるお仕事だそうです。森川さんは収録には感情の解放と、1ミリ2ミリの演技の微調整を意識していると述べられています。この微調整で共演者の演技を揺さぶったりすることによって、作品に深みが生まれるのだとか。プロの技の凄さが伝わってきますね。

またBLとはどういう作品なのかの基本的な説明や、ダミーヘッドマイクを使った収録の様子なども分かりやすく語られています。筆者はあまりBL関係のジャンルには詳しくないので、なんだか秘密の世界を知ることができたような気がしてゾワゾワしてしまいました(笑)。

「帝王」森川さんの活躍はまだまだ止まらない

30年以上のキャリアをもつ森川さんですが、まだまだ若手に負けるつもりはないとおっしゃっています。むしろ最近の若手は縮こまっていて、元気がないとまで分析されています。また今後の目標として、まだ誰もやったことのない新しい仕事をしてみたいと語る森川さん。これだけのキャリアを重ねているにも関わらず、アグレッシブな姿勢に感動です。

最後にこの本を読んだ感想ですが、森川さんの帝王としての貫禄、そして大きなパワーを感じさせる内容でした。また声優としてだけでなく、社長の視点から声優業界や最近の若手声優について語っているのもこの本ならではの魅力だと思います。他にも森川さんについてのエピソード盛りだくさんの内容になっていますので、興味のある方は是非読んでみて下さい。

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