PERSONA5 the Animation SP後編「Stars and Ours」【感想コラム】

PERSONA5 the Animation SP後編「Stars and Ours」【感想コラム】

ペルソナ5がアニメになってから、約1年かけて遂に最終決戦。ザ・ファントムが最後に狙う“オタカラ”とは一体?

・PERSONA5 the Animation SP後編「Stars and Ours」のあらすじ

全ての事件の黒幕である政治家、獅童正義を改心させることに成功した怪盗団。しかし、世間の反応は思い描いたようなものではなく、怪盗団も存在しないものとして扱われていた。

人々の心になんらかの歪みがあると感じた錬たちは、その歪みを正すため、そして自分たちの信じた正義を貫くため、心の怪盗団は全ての歪みの源であるメメントスへと最後の戦いに赴く。

世論を動かすためにメメントスへ

獅童の改心は成功しましたが、街行く人々の声は獅童を支持するものばかり。その上、怪盗団の存在は実体のないものという報道まで流れており、モルガナは「まるで現実の奴らまで歪んじまってるみたいだ」と評します。

更に、獅童の起こした犯罪について立件しようとする冴さん達は遠ざけられ、獅童本人は精神鑑定を受ける流れになりつつあると伝えられました。冴さんは獅童が無罪になった場合、イセカイを利用した犯罪が国家レベルで継続される可能性があることも考えていますが、それでは今まで怪盗団がやってきたことが全て無駄になってしまうことでもあります。

もう一度だけ怪盗団の力を借りられないか。という冴さんの言葉を受け、対策を考えますが、あまりにも関係者が多すぎるため、個人個人を狙っていたのではどれほどの時間がかかるのか見当もつきません。万事休すかと思われたその時、モルガナがメメントスを使うという案を出しました。

メメントスが“大衆のパレス”であることは初登場した5話で語られています。人々の“集合的無意識”が具現化したものがメメントスであり、それはつまり“全ての歪みの源”でもあるということ。メメントスに他のパレス同様“オタカラ”が存在し、それを盗み出して崩壊させることが叶えば、大衆みんなに影響が及ぶというのがモルガナの予想。

しかし、モルガナにはひとつの懸念がありました。人間の認知が“イセカイ”として存在している理由、それもまたメメントスに眠っているであろうことを考えると、メメントスの崩壊は“イセカイ”が丸ごと消えることを指し、それは二度と怪盗になれなくなることでもあるのです。

そのことをふまえた上で、まず杏が「やるべきだと思う」と立ち上がり、春、祐介、真先輩、双葉、竜司の順に同意を示すと、冴さんにこれが怪盗団最後の仕事になること、自分たちが役目を終えた後は襟を正した大人に世の中を預けるのが仕事を受ける条件だと告げ、冴さんはその重さを理解したうえで獅童を裁きの場に立たせることを約束してくれました。

一刻も早く世論を動かすため、翌日にメメントスへ向かうことをモルガナが提案。怪盗団は最後の戦いへと動き出します。

自分で考えるのを止めた人々

ザ・ファントムがメメントスの扉の前へ立つと、まるで待ち構えていたかのように扉が開かれました。臆することなく歩みを進めると、そこには数多くの地下鉄車両が停車しており、これまでのメメントス内とは雰囲気からして異なっています。そして地下鉄に乗ってきたと思われるシャドウたちがどこか向かっているのも見えましたが、先へ進むと通路両脇に作られた牢の中に数えきれないほどのシャドウがいることが分かりました。しかも、内側にいるシャドウたちは牢の中が安心出来ることや、何も考えなくていいと言い、「お前らも入れよ」と口々に誘ってくるのです。ここに集まってきたシャドウたちは、自分から牢の中に入っていることに気付いてナビは驚きますが、モナは鴨志田の城で見た奴隷たちの様子を思い出していました。と、見覚えのある人物の姿にスカルやパンサーが驚きの声を上げます。鴨志田、班目、金城と今までに改心させてきた相手が牢の中にいる不可解さと、このパレスの主が誰なのかという疑問を浮かべていると、聞こえてきた獅童の声がその疑問に対し「ここでは誰もが最高の自由を得られるのさ。自分で悩み、考えることからの解放…選ばなくていい自由をね」と答え、自らが作ろうとしていた国家よりも遥かに素晴らしいものだと語りました。

不気味な人々の声を振り切った先で見つけたのは、牢の中にある謎めいた扉。見るからに怪しいのですが、ナビは下へのルートではないと言います。それでも、何かありげだと話しているとモナが“開かずの独房”という言葉を口にし、自分はこの中で生まれたと言い出しました。怪盗団の面々を導くため、この中で誰かによって産み落とされたと話します。それが誰なのかは思い出せないそうですが、この“開かずの独房”に囚われているのは最も危険な大罪人なのだと…

メメントスの最深部にあったもの、それは巨大な機械のような物体でした。“それ”は怪盗団の面々を「人間でありながら、人間の望みを絶たんとする愚かな者共」と呼び、自らを「手にしたる者全てに夢を叶えるとして崇められしもの。“聖杯”と呼び習わせし存在である」と称します。この“聖杯”がメメントスの“オタカラ”であるのですが、聖杯は周囲にある無数の牢獄を人の望みそのものと語り、怠惰という欲によって自ら牢獄に囚われている人々を「愚かしき大衆」と表現しました。彼らに望まれた存在の証として黄金の輝きを放つ様にザ・ファントムの面々も揺らぎますが、ジョーカーとモナが仲間たちの心を引き戻します。

しかし、聖杯は人々が歪みの偏在化を望んでいるとして、異世界と現実の融合を果たすべく強烈な光を放ちました。怪盗団の面々は一瞬意識を失い…気が付くとそこは渋谷の路上でしたが、降り出した赤い雨と共にメメントスにあった柱や骨のようなオブジェが出現し、異様な風景へと変化していくものの、人々はそれに異常を感じられずにいる様子…

それでも、確実に異変を感じ取る人もいました。三島の目の前で、怪盗お願いチャンネルのアンケート「怪盗団は本当に実在すると思いますか」のパーセンテージが見る見るうちに低下し、0%になったのです。

双葉が倒れたのを皮切りに、身体の自由が利かなくなる…聖杯の声は怪盗団が人々の認知から消えようとしていることを教え、メメントスと現実がひとつとなったことで認知から消えたものはどこにも存在出来なくなると告げました。黒い靄のようなものになって、次々と消えていく仲間たち。消える直前、全ての記憶を取り戻したモルガナは自分の本当の使命に気付きます。最後に残った蓮は手を暗い空に向かって伸ばしますが…

本当の導き手と、“ゲーム”の黒幕

PERSONA5 the Animation SP後編「Stars and Ours」【感想コラム】

画像引用元:©ATLUS ©SEGA/PERSONA5 the Animation Project

ベルベットルームの牢獄の中で意識を取り戻した蓮。イゴールは蓮の更生が果たされず、ゲームは敗北に終わったと言い…敗者の対価として彼を死刑に処すると告げます。カロリーヌとジュステーヌは動揺を隠せず、イゴールの言葉に従ってに蓮を牢から出し、迷いを見せながらも処刑しようとしますが蓮はジョーカーに姿を変えて戦う意思を示しました。

その姿に、カロリーヌとジュスティーヌは自分たちの役目が“誰かを死なせることではない”ことを思い出し、元はひとりだったのを邪悪な意思によって半身ずつに引き裂かれたことをジョーカーに話します。そして、悪魔合体によって自分たちを本当の姿に戻してくれるよう頼むのでした。

ギロチンの刃が落とされ…無数の蝶と光が一ヶ所に集まると、大きな書籍を抱えたひとりの少女が現れます。彼女はラヴェンツァ、拘置所に囚われた蓮に語り掛け、記憶を呼び戻す手伝いをした蝶は、引き裂かれる直前の彼女が飛ばした意思だったのです。

ラヴェンツァはイゴールが偽物であることを暴きますが、その正体は他ならぬ聖杯でした。“人間の世界を残す”か、それとも“壊して作り直すか”というゲームだと明かし、自らをもはや聖杯ではなく“願いに応え、更生を施す神”と名乗ると「義賊か悪を討ち、大衆が善に共感すれば自らの力で怠惰から改心すると見込んだわけだ。だが期待に反し、大衆は全て無かったことにしてしまいよった」と話し、「人間は破壊すべき、その答えをお前は導いた」と言いながら、ジョーカーに歪んだ大衆がはびこる世界に戻してやろう、と取引を持ち掛けてきます。

怪盗団は称賛され、名声が手に入るだろう。というその言葉を「みんな自分で考えることを放棄して、牢獄に囚われたままだ。そんな世界は…正しくない!」そうジョーカーが斬り捨てると“聖杯だったもの”は「度し難い愚かさ」と評し、その場から姿を消しました。そして本物のイゴールが目覚め、ラヴェンツァは彼のことを「貴方の旅の本当の手助けを担う方です」と紹介します。そして、“聖杯だったもの”を倒すためには共に戦ってきた仲間たちの力が必要であると言いました。皆がこの牢獄のどこかに囚われていると知り、ジョーカーは駆け出していきます。

“ゲーム”の真相、それは

怪盗団と絆を結んだ人々が世界の異変に気付いたころ、ジョーカーはモルガナ以外の仲間たちをベルベットルームに集めました。誰もが意気消沈していましたが、ペルソナを得たときの決意を胸に戦う覚悟を見せ、怪盗姿に変身していきます。そこにモルガナがやってきて無事を喜びますが、実は彼はベルベットルームが悪神に乗っ取られそうになった時、イゴールがわずかに残った人間の希望を集めて作り出した存在であることを明かしました。主の見出したトリックスターを見つけ、悪神を倒す手伝いをするために生まれたのだと。

ラヴェンツァは“聖杯だったもの”を「人間に永遠の隷属を強いる悪神」と呼び、それを受けたクイーンは聖杯が神であるなら“オタカラ”とは別物なのかと疑問を述べます。しかし、あれは間違いなくメメントスのコアである“大衆の歪んだ欲望そのもの”だとラヴェンツァは言い、ノワールとナビは皆が無意識に支配されたいと望んでいたことで神となってしまったことに気付きました。

悪神は世界の行く末を決めるため、素養のある2人の人間を選んで争わせた。とラヴェンツァは言い「1人は大衆の歪みを煽るもの…名を明智吾郎。彼が勝てば人間の世界を壊して創り直す」、「そしてもう1人は…抗うトリックスター。彼、雨宮 蓮」と特殊なペルソナ使いである2人の少年の名を告げます。蓮が勝てば人間の世界を残す、そういうゲームのはずだったとモルガナは続けました。しかしそれは表向きの話、悪神は蓮の持つ変革の可能性を危ぶみ、絶望させて人間の無力を証明しようと目論んで…更生という名目で蓮を監視していた。勝たせるつもりのないゲームに蓮を巻き込んだ、というのが全ての真相だったのです。

ラヴェンツァは蓮に「悪神に挑み、現実に居場所を取り戻すその覚悟は…出来ていますか?」そう問い掛け、彼は迷うことなく「勿論だ」と返しました。そしてモルガナに導かれ、怪盗姿のまま渋谷に戻ってきた彼らは今抜けて来た扉が“開かずの独房”のものであることに気付きます。“開かずの独房”の正体は歪みに飲み込まれたベルベットルームだとモルガナが説明し、最も危険な大罪人とは蓮のことを指していたのかとスカルが驚きますが、本人の反応は実にあっさりしたもの。

本来の使命を思い出したためか、柔らかく光るモルガナ。そして、街を歩く人々の一部が怪盗団のことを思いだしてくれていることが分かります。それを希望に、ザ・ファントムは変貌した渋谷の街を駆け抜け、悪神の下へたどり着きました。彼らの前で、聖杯は“真の力”として変形を始め、巨大な機械仕掛けの神の姿をあらわにします…!

現れたるは悪魔の王

PERSONA5 the Animation SP後編「Stars and Ours」【感想コラム】

画像引用元:©ATLUS ©SEGA/PERSONA5 the Animation Project

現れたのは「統制神ヤルダバオト」、その偉容に腰が引けそうになりますが…モナは「最高の展開じゃねーか!」と士気高く宣言し、仲間たちを鼓舞。皆と一緒なら倒せるという自信を持って立ち、ペルソナを続けざまに召喚して攻撃に移ります。

しかし通じているようには見えず、逆にヤルダバオトの攻撃は深刻なダメージを与えてくる上に、戦いを見ながら諦める大衆の声を聞かせてきました。人間を欲望の塊と卑下するヤルダバオトに対し、モナは人間の希望も欲望であると告げ…怪盗団は誰が相手だろうと決して屈せず、たったひとりになっても立ち上がり戦い抜くと、「絶対、絶対に…世界を奪い取る!」と宣言します。

その力強い声は、少しずつ消えつつある地上の人々にも届いていました。そして、三島は渋谷の路上で拳を突き上げ怪盗団へ声援を送ります。彼らがどうして身体を張ってきたのかを知るひとりとして、人々に向かい「いい加減目ぇ覚ませよ!いつまで逃げてるつもりなんだよ!!」そう叫んだ声に、少しずつ賛同する人が現れ始めました。怪チャンのアンケートもYESが急激に増加していくと共に、怪盗団を呼ぶ人々の声が世界を埋めていくのでした。

そして、アンケートがついに100%に達すると同時にジョーカーはアルセーヌを召喚。その鎖を引きちぎったことで異変が起き、ヤルダバオトはジョーカーが力を扱い損ねたと判断しますが…黒く染まった空から雲を抜けて、ヤルダバオトに匹敵するほど巨大なペルソナがその姿を現します!

仲間たちの力と人々の希望を受け、ジョーカーの手の中に光が集まり…「奪え、サタナエル!」の声と動きに応じ、ジョーカーと同様に巨大な銃をヤルダバオトへ向けました。「馬鹿な…人々の願いを奪うのか?」の言葉に「失せろ」とだけ返し、銃弾はヤルダバオトの頭部を打ち抜きます。

そしてモルガナと共にイセカイは消え、世界はあるべき姿へと……

星と僕らと

怪盗団の最後の仕事は終わりましたが、冴さんは蓮に「警察に出頭して欲しい」と頼みます。獅童を有罪にするためには、怪盗団側の証言が絶対に必要になる。それは警察や検察も理解するはずだと言いますが、怪盗団が表舞台に出て英雄扱いされることは絶対に許さないと言葉を続けました。

出頭すれば逮捕され、保護観察も取り消されて少年院に送致される可能性が極めて高いとのことですが、それは蓮を世間やマスコミから隔離するためだと。その代わり、他の仲間たちの安全は保障されるはずだと説明します。警察と検察が望んでいるのは、怪盗団が英雄視されることなく、必要な証言を得ることだとも。その過酷な申し入れを、蓮は「それが世直しになるのなら」と受け入れました。

そして翌年の早春、解放された蓮をマスターが車で迎えに来てくれます。こんなに早く出てこられたのは、色んな人たちが力を合わせ、獅童が蓮に被せた冤罪を晴らすことが叶ったため。そして、怪盗団の件に関しては裏で様々な取引があったからのよう。

蓮がマスターと別れてルブランに向かうと、なんと入り口のマットの上に寝転がるモルガナの姿が!本人によると、イセカイのモルガナは消えたものの、猫のモルガナは現実世界に残ったらしい。モルガナが突然帰ってきたことで、皆がパニックに陥るのは…まあ、仕方ないですね。

故郷に帰る蓮を送っていこうと、イセカイで車になったモルガナに似た車(ややこしいな…)を用意して待っていた仲間たち。警察か何かの監視が付いていますが、そんなものは気にもかけず自分たちの意思で決めて、どこへでも行けると、真先輩の運転で車は走り出すのでした…

タイトル PERSONA5 the Animation
監督 石浜真史
放送期間 2018年4月
主な声優 雨宮 蓮:福山 潤
坂本 竜司:宮野真守
高巻 杏:水樹奈々
製作会社 アニプレックス
その他の情報 http://p5a.jp/

 

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