藤井聡太七段の大活躍や、羽生善治九段の前人未到のタイトル100期目前など、注目度が高い将棋界。今回特集するのは、そんな将棋を題材にしたアニメ「 りゅうおうのおしごと! 」です。
アニメ「 りゅうおうのおしごと! 」とは
「りゅうおうのおしごと!」は過去にアニメ化もされた「のうりん!」などで有名な、白鳥士郎先生によるライトノベルです。アニメ化以前からドラマCDなど様々なメディアミックスが盛んにおこなわれており、2018年についにアニメ化しました。
主人公・九頭竜 八一(くずりゅう やいち)は中学生プロ棋士で、史上最年少で将棋界の最高位「竜王」のタイトルホルダーになった男の子です。しかしタイトル獲得後は「竜王」にふさわしい将棋を指さなければいけないという重圧もあり、絶賛連敗中。ネットでも散々たたかれて落ち込んでいました。
そんな八一のもとに突然小学生の女の子・あいが弟子にしてほしいと家に押しかけてきます。そんな二人の出会いから物語は始まるのです。
コメディ要素がたくさんあって、将棋初心者も楽しめる!
将棋と聞くとカタい感じがする、興味はあるけど難しそう・・・というイメージを持つ方もいるのでは?でも心配ご無用!アニメでは将棋の難しい用語はなるべく使わず、専門用語が使われても丁寧に解説されているので、将棋初心者の方でも十分楽しめます。むしろ将棋入門としてよいきっかけになるのではないでしょうか?
また実際の将棋界の制度や有名な棋士のエピソードを参考にしたネタがあったりするので、将棋に詳しいよという方にも楽しめる作品になっていると思います。
将棋の対局ばかりでなく、コメディ要素が多いのも魅力です。あいの将棋友達(全員小学生の女の子)で結成された通称JS研が八一の家で開催されたり、それが八一の姉弟子・銀子にバレて「ロリ王」とののしられて痛い目にあわされたり(ご褒美?)。テンポのいいコメディのおかげで、気軽に物語を楽しめると思います。
個性が強すぎる棋士や、棋士の卵たちが次々登場して楽しい!
本作には八一をはじめ、たくさんのプロ棋士や将棋関係者が登場します。八一の対局を見たことがきっかけで将棋を始め、将棋歴が浅いにもかかわらず圧倒的な才能をもっている・雛鶴(ひなつる)あい。八一の姉弟子で史上最強の女性棋士・空(そら)銀子。
また八一のもう一人の弟子でツンデレの女の子・夜叉神 天衣(やしゃじん あい)や女流棋士を目指すも年齢制限の壁にぶつかっている八一のお姉さん的存在・桂香さんなどなど。
キャラクターそれぞれ立場や目標は違っており、ライバル心や劣等感、恋心など色んな思いを抱えています。だけど将棋への熱い思いはみんな同じです。
普段は本物の家族のようなあったかくて楽しい会話をしていますが、将棋になると一門同士だろうと真剣勝負でぶつかり合います。キャラクターの普段のかわいさと、勝負師としてのかっこよさの二つの顔を見られるのはこの作品ならではです。
それぞれの想いを懸けた、将棋の対局シーンが泣ける!
コメディもいいですがやっぱり将棋アニメなので、欠かせないのは将棋の対局シーンです。あいは将棋の世界に進むことを両親から反対されています。そのため研究会という将棋の勉強をする会への入会条件として、入会試験全勝を母から告げられます。絶対に負けられない戦い、果たしてあいは研究会に入会できるのでしょうか?
一方研究会で女流棋士になれるまであと一歩のところで足踏みしており、年齢制限の壁と戦っている桂香さん。将棋界の厳しい現実に立ち向かい、夢だった女流棋士になれるのでしょうか。
また八一もタイトル獲得後は調子を落としていましたが、あいとの出会いで将棋への情熱を取り戻し、復調傾向に。ただ物語の終盤では将棋界の神とも呼ばれる名人相手に「竜王」のタイトル防衛戦に臨みます。史上最強の相手に八一はどう立ち向かうのか?
それぞれのキャラクターがそれぞれの想いを懸けて、真剣勝負の絶対に負けられない戦いが始まります。最後まで見逃せませんね!
厳しい勝負の世界だけど、やっぱり将棋って楽しい!
将棋は実力だけがものをいう厳しい勝負の世界です。そもそもプロになること自体が難しいですし、プロになれたとしてもタイトルを獲得できる棋士はほんのわずかです。そんな厳しい将棋界ですが、それでも八一たちが将棋を続けているのはやっぱり将棋が好きだからです。
八一とあいが二人三脚で楽しい時も苦しい時も一緒に歩んでいく姿に笑ったり、涙したり・・・。史上最年少「竜王」と「JS弟子」。少し変わっているけれど、強い絆で結ばれた二人に元気をもらえるアニメ「りゅうおうのおしごと!」、この機会にぜひ見てみて下さい。